第3話 初戦闘と仲間達。
才菜をさらった鳥を追いかけていたが途中で見失ってしまった。これからどうするか考えてると声が聞こえた。その声は俺の仲間で鳥を追いかけさせていた髑髏蛇
どくろへび
のものだった。
『主、こちら髑髏蛇。ターゲットが屋敷の中に入りました、私も屋敷に入った方がよろしいですか?』
建物の中に入ったとなると他にも仲間がいるのか?仲間がいるのなら髑髏蛇だけで突入すると、最悪逃げられてしまう可能性がある。
「髑髏蛇、屋敷の前で俺がそっちに着くまで誰か出入りしないか監視しといてくれ。」
『御意』
「あとその建物の場所は何処だ?」
『山の山頂にある大きな屋敷です。』
山の山頂となるとどんなに頑張っても1時間はかかる、どうにかできないのか?
『青木、俺を使え。』
そういったのはノートの中にいるダークアイ・ドラゴンだった。
『俺がお前を掴んでその屋敷まで飛んでいく、お前1人ぐらいだったらすぐに着く。』
「じゃあ頼んだぞ‼ダークアイ・ドラゴン」
ノートから出てきたダークアイ・ドラゴンは背中の羽を羽ばたかせながら俺に手を差し出してきた。
「振り落とされないようしっかり掴まれ!」
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「主、お怪我はございませんか?」
落ちるように着地したので、髑髏蛇が心配してきてくれた。
「大丈夫だよ、それよりも才菜をさらった鳥は?」
「まだ屋敷の中にいると思われます。今から突入しますか?」
「いや、相手に共犯がいるかもしれない。だから、 頼めるか?コ・スパイ・カメラ」
コ・スパイ・カメラ、コイツなら相手に気づかれる事なく中の様子を見ることが出来る。
『ラジャー!!(^^ゞ じゃあ屋敷の中見てくる』
そういってノートから出てきて屋敷の中へと入っていった、入ったのを確認した俺はコ・スパイ・カメラからの映像を見るためにポケットからスマホを取り出した。
『マスター、映像みえる?(・・?)』
「ああ見えてるぞそのままつづけてくれ。」
コ・スパイ・カメラ映像に写っているのは、さらわれた才菜と才菜をさらっていった大きな鳥と1人の男だった。才菜は縄で縛られており男に何か聞かれているようだった。速く助け出さなければ。
「蒼木、俺に作戦がある」
そう提案してきたのはダークアイ・ドラゴンだった。
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今回の作戦?はこうだ。
俺と髑髏蛇は1階から入り才菜の保護を、ダークアイ・ドラゴンは2階から入りコ・スパイ・カメラの回収が終わり次第1階の俺達と合流し、そのあと髑髏蛇とダークアイ・ドラゴンが時間稼ぎをするからその内に俺は才菜を連れて逃げる。本当はクロレ騎士も一緒に突入させようと思ったがダークアイ・ドラゴンと髑髏蛇とクロレ騎士、この3体は魔力が高いらしく今の俺には2体を呼び出すのが精一杯だった。
ダークアイ・ドラゴンの合図と共に皆で一斉に突入した。
「才菜を返せ!!」
「何だこのガキ、フェニックスやっちまえ!!」
男がそう叫ぶと後ろにいた鳥が大きく鳴いて襲い掛かってこようとしたが、
「鳥野郎!お前の相手は俺だ!!」
2階からダークアイ・ドラゴンがそういって後ろの鳥を攻撃した。小さい体とはいえその攻撃力はとても強力、大きな鳥と互角にやりあっていた。
「なんだよ……アレ…。」
男が驚いてる間に才菜に巻かれている縄を髑髏蛇の刀で切ってもらった。
「大丈夫か?才菜?」
「蒼木君、これは?」
「今はそんなことより此処から逃げるぞ!!」
「う、うん!」
ボロボロになった才菜を背中に乗せて屋敷を出ようとしたその時、男がこちらに銃を向けてきた。
「変に動くと命がなくなるぜ、大人しくしやがれ!!」
そう言い、銃を向けながらコッチに近づいてきた。どうにかして才菜だけでも逃げさせられないかかんがえてると、急に男の前に影が通るのと同時に男が悲鳴を上げながらその場で倒れた。よくみると男の手のあたりからもの凄い出血をしている。
「なっ、何がおこった?!」
男自身もなにをされたのか分からなかったらしい、しばらくすると髑髏蛇がこう言い放った。
「我が主の命を狙った罪、本当は殺してしまっても構わないのだが、貴様には聞きたい事があるからな。命までは奪わん、しばらく大人しくしていろ。」
そして、何処から持ってきたのか分からない縄を出し、男を縛った。
「助かったよ、髑髏蛇」
「主に仕える者として当然の事、どうやらあちらの方も終わったようですよ。」
奥の方を見るとあの鳥とダークアイ・ドラゴンが戦いを止め何か話してるようだった。
「蒼木ちょっといいか?」
「何があった?」
「コイツと戦ってる時、首に妙な機械をつけてる事に気がついて、試しに機械を壊してみたところ、急に大人しくなってな。話を聞いてみたところその男に操られてたらしい、お前にお詫びがしたいんだと話を聞いてやってくれないか?」
「別に話が出来るならいいけど」
そう答えると才菜をさらった時と違い全身が炎のように鮮やかな色をした大きな鳥が俺に話かけてきた。
「お主がこの小さき龍の主
あるじ
か?」
「ああ、そうだ」
「我が名はフェニックス、この度は操られているとはいえそこの娘をさらいお主達に危害を加えようとした。大変申し訳ないこれで許せとは言わんがお主の願いを叶えさせてくれ、3つまでききいれよう」
「じゃあフェニックス、2つはまた後日頼む、とりあえず才菜の傷を治してくれ」
「それでは失礼する」
そういうとフェニックスは俺と才菜を綺麗な羽で覆った、羽の中はあったかくとても居心地がよかった。さっきまでボロボロだった才菜の体がみるみる元に戻っていき服も新品同様に綺麗になっていった、俺の方もさっきまで体力ぎりぎりだったのが嘘みたいに思えるほど疲れが取れた。
「ありがとうフェニックス」
「話は変わるがあの男は私に任せてくれないか?」
フェニックスも気になる事が色々あるのだろう。
「わかったあの男は任せる、その代わり何か今回に関する情報が分かったら教えてくれ。じゃあ俺達帰るから。」
「また今度、残り2つの願いを聞きにお主の元にゆく、それまでに残りの願いを考えておいてくれ。」
「ああ考えておくよ」
「それではお気を付けて」
俺達はフェニックスに見送られながら屋敷を後にした。
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山をおり仲間達をノートに戻し町に着くと空はすっかり暗くなっていた。安心したのか俺の背中にいてずっとしゃべらなかった才菜が口を開いた。
「蒼木君と一緒に私を助けに来てくれたあの子達は何だったの?」
まさかこんなに早くも俺の魔法を話す事になるとは……。
「今日はもう暗いまた明日でいいか?」
「わかった。」
才菜も精神的に疲れてるのだろう、速く家に帰してあげようとその思った時、才菜が俺のほっぺたにキスをしてきた。
「今日は、・・ありがとう」
俺は才菜に赤くなった顔を見られないようにしながらゆっくりと家まで送った。
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