第15話 ソーニャ、万引きGメンにパクられる
私は万引きGメン
警備会社に勤め、今まで1000人以上の万引き犯を捕まえてきた。
万引きは卑劣な犯罪。それで潰れてしまう店もある。
今日は万引き被害に悩む、このホームセンターに派遣された。
店のため——そして愛する妻のため、今日も仕事を頑張ろう。
私は私服姿で、普通の客のフリをして、店内を巡回する。
そして、挙動不審な客をマークする。
客が商品をポケットなどに忍ばせ、未精算で外に出たら捕まえるのだ。
(むっ)
外国人の女子高生に目をつける。制服姿で銀髪。天使のように美しいが……
とにかく挙動が怪しいのだ。
他の客と目が合うと、慌ててそらす。時折うつむいて、モジモジする。
そして何故か——やたらと、調理器具売り場にある
(女子高生が、
これまでの経験では……興味がない商品を意味もなく見るのは、万引き犯がよくやるカムフラージュだ。警戒を強める。
(むっ)
少女が、商品棚に手を伸ばしたあと——
手を素早く服の中に入れ、ゴソゴソする。商品を入れたか!
そして……少女は何も買うことなく、未精算で外に出た。
(確保する!)
小走りになり、少女の前に立ち塞がる。
「私はこの店の者だ。ちょっと来てくれ」
「ハイ??」
ホームセンターへ裏口から入り、誰も居ない事務室へ連れていく。
少女をパイプ椅子に座らせ、告げた。
「私は、万引きGメンだ」
「万引きGメン! あの……!」
少女は驚いた様子。
そして……とても悲しげにうつむき、唇をかみしめる。万引きの疑いが一層強まる。
「何故ここに連れてこられたか、わかるね?」
「ハイ……」
「では中に入れたものを、出しなさい」
「い、いやデス! どうしてッ!」
少女が、激しく首を横に振る。
(間違いない。絶対に万引きしている!)
私は、脅すように告げた。
「君は制服を着ているな。留学生か? 滞在先の人に電話して、来てもらおうか?」
「だ——大助は呼ばないでくだサイ! お願いデスからッ!!」
「わかりまシタ。出しマス……」
少女は立ち上がり、パンツに手を突っ込む……パンツ?
そしてピンク色の、小さな卵形の物体を取り出した。
私はそれを、
「こ、これは一体……」
「おま●こに入れてた、ピンクローターです」
「はぁ!?」
度肝を抜かれつつ、
「こんなもん、商品にあったか!? 普通のホームセンターだぞ!?」
「いえ、これは私物デス」
「な!? では何故、私に見せる?」
少女は首をかしげて、
「だって貴方『中に入れた物を出しなさい』と言ったので……私てっきり、『おま●この中に入れた物を出しなさい』という意味かと」
普通、そう受け取るか?
「き、君は何故、そんなモノを入れてるんだ?」
「凌辱に備えた特訓デス。ピンクローターを
(どういう事!?)
百歩譲って『凌辱されてる』ならわかるが、『凌辱に備えた特訓』って何!?
私はピンクローターを
「これは、もういい。しまいなさい……いや、また挿入しろと言うのではなく……」
パンツに手を突っ込む少女を、慌てて止める。
激しく混乱してきた。だが……
(怪しい挙動をしていたのは、間違いないのだ。落ち着いて質問しよう)
ふう、と深呼吸したあと、尋ねる。
「君は、万引きしたのだろう?」
「してまセン」
少女はキッパリ言う。
そして、睨みつけてきた。
「ですが……貴方にとっては、私が万引きをしたかどうかは、どうでもいいのでショウ?」
(? 妙なことを言うな)
戸惑う私。
だがこれまで、幾多の万引き犯と対話してきた。
言い訳も、逆ギレもされた……その全てを論破してきたのだ。
こんな少女に、言い負かされる
「どういう意味だね? 『したかどうかは、どうでもいい』とは」
「万引きの証拠をでっちあげられ、私を犯人にされたら終わりという事デス」
「ふっ、そんな事をして、私に何のメリットがあるというのだね」
鼻で笑う私に、少女は言った。
「私を脅迫し……肉便器にするコトです」
「は!?」
現実で、始めて聞く単語だ。
絶句していると、少女が更に
「凌辱大国ニッポン。その真の姿を描いたドキュメンタリー、エロゲー。そこでは『万引きの疑いをかけられたヒロインは、Gメンにレイプされる』とありまシタから」
エロゲーは、むかし何本かしたことある。
そういうシチュも確かにあるけど……なぜエロゲーがドキュメンタリーなのだ? 凌辱大国ニッポンってなんだ?
私は、頭の中をグルグルさせながら、
「そ、そういえば……君はさっき『大助』という人を呼ぶのを強く拒否したな。なぜだ?」
「貴方の肉便器に
「だから、そんな事せんわ!!」
まるで怪物と会話しているようだ。
(だめだ。完全にペースを乱されている)
何度も深呼吸する。
(ここは、いったん……万引きと関係ない会話をしてみよう)
相手がボロを出して、ペースを取り戻せる事がよくあるのだ。
私は懸命に笑顔を作り、
「どころで君、店内で、熱心に
「購入を検討していまシタ。『ロート精液』された時の練習のために」
「ロ……ロート精液??」
ペースを戻すどころか、さらに乱された。
少女は「知らないのデスか?」と首をかしげ、
「まんぐり返しの状態で、
「一般常識みたく言うなよ!?」
私は顔を覆い、うずくまった。
この子は……一体なんだ!?
(理解の
万引きGメンとしての自信が、ガラガラと崩れていく。
だがこのままでは、ラチがあかない。
私はホームセンターの女性従業員を呼び、この子のボディチェックをしてもらうことにした。
そして……
事務室の外で、待つこと10分。
少女のボディチェックを終えた女性従業員が、出てきた。
「どうだ、服の中に何かあっただろう」
「はい」
おお! と勢いづく私に、女性従業員は死んだ目で、
「ブ、ブラの中に、両乳首へ接着したピンクローターが……彼女
私は、くずおれた。
●
私は少女に土下座した。
「濡れ
いま考えると……店での挙動不審さは全て、乳首と
「いえ、私も
そう言いながら、帰る準備をしている。
本当に気にしていないようだ……
「ですが、これからは気をつけてくだサイ」
「え?」
「他のお客さんにも、私のように凌辱に備えて、ピンクローターを胸やおま●こに付ける人がいるかも知れまセン」
「なるほど……! 勉強になったよ!!」
苦い失敗をしたが、万引きGメンとして成長できた。
これからは店内で怪しい女性客がいても『胸やおま●こにピンクローターを付けてるかもしれない』と思うことにしよう。
後書き:モチベーションにつながるので、
面白かったら作品の目次ページの、レビュー欄から
☆、レビュー等での評価お願いいたします
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます