第88話 魔族との戦い
「……とりあえず、隠れるか」
そう呟くと、まず隠密系のスキルを使った。その後、あの魔族の隠密能力がどこまで高いのかはよく分からないので、家の物陰に静かに隠れる。
大丈夫……かな。あの魔族はどこまで隠密能力が高いのかはわからないけど。でも。
……隠密能力なら、どちらかというとあの魔族が乗っているモンスターが怖いな。モンスターというのは知能が少ない。だけど、その代わりに本能がすごい。
だから、ちょっとした違和感に気付くことができるはずだ。
となると、どんなに隠密能力が高くたって、なにか違和感になるものさえあれば、無残にもバレてしまう。
だから、静かに行動した。
「グルル………ル?」
「どうした?」
かなり近くまで近付いたとき、魔族に乗られているそのモンスターが変な声を発した。不思議がっているような声だ。
バレた……のか?
魔族はそのモンスターに反応してそのモンスターに何があったのか聞いていた。魔族は人間の形をしていながらもモンスターだからな。
「……ふむ、物音か」
「グルルル……」
「あのくノ一だろうか? それとも聖女……は無理だろうから、その配下の剣聖? それともまた別人か?」
な……っ! バレていることはもう確定しているが……こっちの状況までバレているの?
僕は、驚いていた。あの魔族の口から聖女は有名だから知っているかもと考えてはいたけど、まさかくノ一、そして剣聖の言葉まで出てくるとは……。
ここまで調べられているのは、さすがに想像がつかなかった。
「まぁ、いい。少し調べてみるか」
ん……? 調べる? もしかしてこの魔族は探知系のスキルを持っていると言うんだろうか?
そうなると、かなり厄介なんだけど。それとも、もしかしたら違うものを調べるスキル? それだったら探知系以上に厄介だぞ……
「ふむ。あの家の扉の裏か。そして、そこに隠れているのは……くノ一でも聖女でも剣聖でもないから、その他の人間が紛れ込んだということか」
「グルル………ル」
ば、バレた……な。どうする? それでもまだ隠れているべきか。それとも今から奇襲を仕掛けたりするべきか。
迷うところだ。
隠れていてももうどうせバレているというのだから意味がないけど、でも奇襲とかすれば敵に僕の存在が確実なものとなってしまったり、どういう存在なのかバレてしまうからな……
そして、考えてみた。この状況のときに、どれが一番役に立っているかを。多分、奇襲のほうだろう。
僕の戦略では今までまともに戦うよりも、どちらかというと必ず奇襲とかによって戦う攻撃が多い。
それに理由として僕のステータスには隠密系や俊敏性があってちょうどいいから。
だから、今回もこれでいく。まともに戦ってかてる相手でもなさそうだし。
《俊敏》
「……ぉりゃっ!」
《火属性魔法》
僕は、このスキルを使うと魔族の後ろから火属性魔法で攻撃を仕掛けた。
魔族は体が強そうだから、物理ではきかなそうだから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます