第65話 目が覚めて
「……ん…………」
ここは…………そうか。
目が覚めると久しぶりに見た部屋があった。僕の部屋だ。だから、多分楓さんか誰かが運んでくれたんだろう。
「……良かった」
ホッ、と息を漏らす。どうやら僕は、あの危機的状況の中、生きていたらしい。意識が途切れたときには目覚めることなく死んでしまうのではないかと正直考えていたが……その心配は、不要だったらしい。
「楓さんか誰かを呼ぼう…………いや、やめるか」
体を起こしながら外を眺めてみると、外は真っ暗だった。今は深夜なんだろう。そんなときに誰かを呼んで、起こしてしまうのは本当に申し訳ない。
楓さんだって、疲れていることだろうし。
「もう起きてしまったのは仕方ないことだし、とりあえず何しようか……?」
……うーん……ステータスを上げようか? それ以外することもなさそうだし。それくらいしかここで出来そうにないし。
「……まぁ、これが終わってからは終わってから考えればいいか。《ステータス》」
名前 青柳千尋
鬼人 LV6
HP 86/86→111/111
MP 92/92→117/117
力 92→117
耐久 100→125
敏捷 127→152
器用 83→108
魔力 1→6
SP 39
JP 27
職業
引きこもり(上位)Lv6
郵便屋Lv7
ユニークスキル
ナビゲーター、空間操作、生への執着心、鬼化
孤独耐性Lv10ストレス耐性Lv10恐怖耐性Lv10気配遮断Lv10鑑定妨害Lv10生活魔法Lv7肉体強化Lv4敵意感知Lv1危機感知Lv2麻痺耐性Lv1MP自動回復Lv6瞑想Lv5望遠Lv2聞き耳Lv2暗視Lv1潜伏Lv6結界Lv6無音結界Lv6無臭結界Lv6HP自動回復Lv6ネットショップLv6逃げ足Lv10俊足Lv10幻術Lv10探知Lv10アイテムボックスLv10熱耐性Lv1寒耐性Lv1物理耐性Lv1毒耐性Lv1転移Lv7重量軽化Lv7念話Lv7過去輸送Lv7体術Lv3変化耐性Lv1
うーん……まずはジョブポイントから分けるかな。どういう振り分けで使うべきか迷うなぁ……。
郵便屋はジョブポイントを全部使えばレベル10に出来るんだろうけど……でも、引きこもりも大事なんだよねぇ……。
攻撃手段も大事だけど、防御手段も同じく大事だからね。守るっていうのは攻撃することよりも地味だから気付きにくいけど、でも、結構大事。防御手段を考えることを怠っていると、いつか失敗したとき、それを実感する日がくる。
「よしっ、引きこもりのレベルも上げようか。じゃあ、ナビゲーター。引きこもりのレベルを2つ、郵便屋のレベルを1つ上げてくれ」
《下手すれば死ぬほどの激戦があったあとなのに、私にかける一言目がそれなんですか……。まぁ、分かりました。》
《ジョブポイントを8ポイント使い、郵便屋を8まで上げますか?》
《ジョブポイントを15ポイント使い、引きこもり(上位)を8まで上げますか?》
うん、よろしく。
《郵便屋のレベルが8に上がりました。》
《職業レベルが一定に達しました。》
《スキル 転移のレベルが8に上がりました。》
《スキル 重量軽化のレベルが8に上がりました。》
《スキル 念話のレベルが8に上がりました。》
《スキル 過去輸送のレベルが8に上がりました。》
《引きこもり(上位)のレベルが8に上がりました。》
《職業レベルが一定に達しました。》
《スキル 潜伏のレベルが8に上がりました。》
《スキル 結界のレベルが8に上がりました。》
《スキル 無音結界のレベルが8に上がりました。》
《スキル 無臭結界のレベルが8に上がりました。》
《スキル HP自動回復のレベルが8に上がりました。》
《スキル ネットショップのレベルが8に上がりました。》
これで結構上がったなぁ。
《毎度毎度呆れるのにも飽きましたよ。なんで君はそんなに力の成長度が速いんですか……。》
まぁ、スキルポイントとかジョブポイントがもらえる量が、なぜか僕だけみんなと比べておかしいらしいしね。
《はい。私の力不足も実感してしまいます……。いつも失敗ばかりで。》
いやいや、本当に感謝しているよ? 失敗ばかりとか言っているけど、ナビゲーターがいなかったら、本当にこの世界で生きていられたか分からないから。
《……例えお世辞でも、そう言っていただけると本当に嬉しいです。ありがとうございます。》
お世辞じゃないよ? ……で、次はスキルポイントだよね。どれに使おう? 無駄に使いたくないし、必要以上には使わないでおくか。
《……そういえば、魔法使いたいって言ってませんでしたっけ?》
あ、そういえばそうだ。今は魔力が0じゃなくなっているから……前にナビゲーターはこう言ってたっけ?
確か、《それには、魔力操作と、魔力感知。そして、魔力の欄が1以上で使えるようになります。》……って。
ということは、魔力操作と魔力感知というスキルを手に入れればいいんだよね? 具体的に、どうすればいいの?
《今は君に魔力というものが君の身体に宿っているので、自分の中のそれを見つけられたら魔力感知が使えるようになります。そして、それを実際に操作できるようになったら、魔力操作を使えるようになりますよ。》
へぇー……! 魔力なんて、物語の世界でしか聞いたことがなかったから、なんだか実感は沸かないけど……でも、いよいよ僕は魔法を使えるようになるのかもしれない。
そう思うと、僕は心を躍らせる。
そうだ、この暇な時間に、魔力操作とか魔力感知とかそういう系のスキルを獲得しよう……っ!
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