第23話 楓さんとショッピングに出掛けた日

「……じゃあ、そろそろ行く?」


「……あ、うん。でも、モンスターが出てくるようになってから初めてアパートから出るから緊張してるよ……」


 さっき、いろいろと恥ずかしいことがあったからか、僕と楓さんとの話がなんだかぎこちない気がする。


「……そうだよね……。僕も、最初にアパートから出たときは緊張してたよ」


「……うそでしょ。そんなに力があったから、あんまり緊張しなかったでしょ」


「……うん、でもちょっとは緊張してたよ。やっぱり強くなったとはいえ心配だったからね」


 でも、そのことをまた話題に持ってくるとこの状態がいつまでも続きそうなので、両者とも言わないでいるが。


「そうだ、最終確認する?」


「あ、そうだね。確認してスキルとか覚えていると、命の危機になったりしたときも、なんとかできる策を考えられそうだし」


「じゃあ……」


「「《ステータス》」」


名前 青柳千尋

人間 LV17

HP 15/15→33/33

MP 21/21→39/39

力  11→29

耐久 19→45

敏捷 18→54

器用 12→30

魔力 0

SP 0

JP 5


職業

引きこもり(上位)Lv5

運び屋Lv5


ユニークスキル

ナビゲーター


スキル

孤独耐性Lv10ストレス耐性Lv10恐怖耐性Lv10気配遮断Lv10鑑定妨害Lv10生活魔法Lv4肉体強化Lv2敵意感知Lv1危機感知Lv2麻痺耐性Lv1MP自動回復Lv5瞑想Lv4望遠Lv2聞き耳Lv2暗視Lv1潜伏Lv5結界Lv5無音結界Lv5無臭結界Lv5HP自動回復Lv5ネットショップLv5逃げ足Lv5俊足Lv5幻術Lv5探知Lv5アイテムボックスLv10



名前 高木楓

人間 LV11

HP 16/16

MP 31/31

力  12

耐久 14

敏捷 12

器用 13

魔力 0

SP 0

JP 0


職業

ニートLv3

オタクLv3


ユニークスキル

ログインボーナス、ポーション作成


スキル

ガチャガチャLv4認識阻害Lv3ストレス耐性Lv3孤独耐性Lv3HP自動回復Lv3MP自動回復Lv3料理Lv1睡眠(快眠)Lv5状態異常…毒Lv5肉体強化Lv1



「これって……やっぱり引きこもりの職業のデメリットがどんどん解消されていっているような気がするんだよね」


《なんでですかね? メリットだけの職業なんて、勇者と魔王くらいしか聞いたことがないんですが……。》


 そうなんだ、……って、え! 勇者と魔王っていう職業がこっちにもあるんだね。その人は、すごいチヤホヤされていさそう。


 そういえば、その周りにいる剣聖とか聖女とか、あと賢者とかもこの世界の中の職業にいるの?


《えーっと……勇者と魔王の職業はこの世界で確認されているようですが、剣聖や聖女、賢者という職業は見つかっていないので、まだ誰がそうなるかは分かりませんね。》


 へぇー! まだ確認されていないのか。それなら、ショップの職業欄のところとかに出てきてほしいな。


 ……まぁ、そんな特別な職業は絶対に出ないと思うけど。


 それにしても、他に一人だけが持つことができるんだよユニークジョブってどんなのがあるの?


《えーっと……まあさっきあった魔王、勇者、聖女、賢者、剣聖の他に、『聖』『魔』がつく職業ですかね、例えば聖狩人や、魔剣士とかもそうです。》


 へぇー!


「……じゃあ、準備もできたことだし、行くぞ」


「はーい」


 そして、僕と楓さんは、肉体強化を使ってショッピングモールへ向かっていった。


 僕は、できるだけ消費を抑えたいし、楓さんに足を合わせないといけないから、肉体強化と、あと結界だけを使用している。


「あっ、楓さん。モンスターのことは気にしないで走っていていいよ。僕が倒しておくから」


「あっ……ありがとう」


 そして、前を通るモンスターや、危険になりそうなモンスターなど、邪魔になってくるやつは倒し続けた。


《経験値を獲得しました。》


《経験値を獲得しました。》


《経験値を獲得しました。》


《経験値を獲得しました。》


「それにしても、なにかいつもと比べてモンスターの量が多いような気がしているんだけど……。」


《それは、間違いないですね。まぁ、多分いつもはスーパー方面に行っていたからじゃないですか?》


「そうかも。でも、なんでここはこのくらいにモンスターの量が多いの?」


《おそらくですが、ショッピングモールになにかあって、その影響なんでしょうね。》


 やっぱりか……。ここらへんにはショッピングモール以外に危機感知が反応する建物だったりはないんだよね……。


 それなら、原因はここだと言いざるを得ない。


 そして、少し緊張しながらショッピングモールの方に向かっていくと、隣にいる楓さんが止まった。ショッピングモールについたようだった。


「ついたーー!」


「……ふぅ。そうだね。じゃあ中に入るよ?」


「うん!」


 いま、ショッピングモール探索の、始まりの始まりが訪れた。

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