第14話

「今日はまだ鍛錬はしない。こっちの世界来てから色々あっただろうからな、鍛錬は明日からだ。今日は軽くこの世界の事でも話してやるよ」


鐡華にとっては有難いことだ。


「分かった。教えてくれ!」


ここがどんな世界なのだろうと胸が高鳴っている。


「まずこの世界の名はイデアだ。ここは辺境森フェイリヤだ。魔素が通常より濃くてな。その影響でお前が出会った変異体スライムのようなモンスターが発生しやすいんだ。」


何故あんなものと出会ってしまったのか納得がいった。どうやらただ単に運が悪かっただけという訳では無いらしい。


「そしてイデアに存在する国は4つだ。人の国サルヴェイションと獣人の国フェロウサャスと亜人の国ミクセッドそして魔族の国だが、魔族の住む場所はみな総じて魔界と呼ばれている。」


なるほどと会話の間に適度に相槌を入れながらしっかり覚えようと真剣な聞く


「今は人と魔族が険悪な雰囲気でな。別に戦争しようって訳じゃねぇーんだがな。」


なら少しは安心だとホッとした。


「1ついいか?」


気になることがあったので聞いておく。


「なんだ?」


何でも聞けと言うような表情だ。


「魔族には良い奴がいるのか?知性はどの位だ?」


アニメや漫画で知っている魔族は人間に危害を加えようとする悪い者が多いからだ。


「魔族にだって良い奴は幾らでもいるさ。知性だってかなり高いんじゃないか?お前の知っている魔族ってのはそうじゃないのか?」


そう聞き返してきた。


「あぁ。俺が知ってるのは実際なはいないんだが、人間や他の種族に危害を加えようとしてくる奴が多いんだ。」


そう説明した。


「魔族だってほとんど人間と変わりゃしねぇーよ。むしろアイツらは人間に寛容な位だぜ?俺だって魔族にはダチもいるさ。」


想像と少し違うので軽く驚いた。


「なるほどな。それなら安心だ。でもそれじゃあ何で険悪な雰囲気なんだ?」


そう。なら何故戦争とまではいかないが仲が悪いのか


「そりゃあ人間にとっては驚異に成りうるからだ。魔族は生まれつき魔力が高くてな。まぁ見た目はお前と大して変わらんさ」


そう言って笑っている。


「なに!?それってどうゆう事だ!?俺は大丈夫なのか!?」


聞き捨てならない事を突然言うものだ。


「安心しろ。鉄化したお前と肌の色が似たよなもんだってだけだ」


そう言いながらまだ笑っている。


「無闇に鉄化出来ないって訳かよ」


魔族と勘違いされても面倒だ。堂々と使うことは出来ないだろう。


「まぁそれも含めてギルドの奴には伝えといてやるよ。だからその辺は安心しとけ」


それなら安心だ。


「分かった。恩に着るよ。」

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