第3話
「ではもう1つの願はどうする?戦う事もある世界だ。戦いに活かせるような願いが良いだろう」
そう神様はアドバイスをくれた。
「だったら動体視力を高めてくれ。ステータスが有るなら頑張って努力して強くなるよ。最初っから強くてもつまんねぇーしな」
神様が微笑み俺に手を差し出した。
「本当にそれだけで良いんだな?まぁ聞いたところであの母の子だ。意見は変えんだろう。ならば、その願い聞き届けよう!」
そして神様が俺の頭に手を置くと目の辺りになにか暖かいものを感じた。
「では、これより汝を転生する。覚悟は良いな?詳しいステータスがどうなっているか儂にもわからん。お前にとって新たな世界の全てが珍しものばかりだろう。では!武運を!」
そう言うと俺の身体が再び様々な色に神々しく輝いた。
気がつくとそこは大きな木の前で人の気配は無かった。
「これだけだとふつーに綺麗な森って感じだよな…本当に異世界転生したんだよな?」
辺りは木々が生い茂っていて見るからに異世界という訳ではない。
「そう言えば神様がステータスを確認しろって言ってたな」
神様の言葉を思い出し頭の中でステータスと念じると目の前にゲームウィンドウの様なものが表示された。
「マジでゲームみたいだな…」
目の前には名前や年齢といった様な自分のプロフィールがしっかりと書かれていた。
「ん?魔力ってこれ…問題だよな」
他のステータスが1000を超えているのに対し魔力の数値は0だった。自分には魔力が全く存在しないという事になる。
「折角異世界に来たのに魔法とか使えないのかぁ…」
一瞬落ち込んだものの直ぐに現実に目を向けた。
「まぁ無いものは欲しがったって仕方がないか。母さんだったら気にすんなって言うよな」
母の顔を思い出し、笑顔で励まされたような気がした。
ステータスを確認していると何やら木の影から物音がした。人ならまだ話が通じるかもしれないがここは異世界だ。どんな生き物が出てきても不思議ではない。
「なんだ?」
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