「ソレイユの森」 作者 リエミ  様

二十一作目の感想は、リエミ様の「ソレイユの森」https://kakuyomu.jp/works/1177354054887537515 についてです。


リエミ様の作品はこれで、三作目を読むことになると思います。

毎回定番の面白さがあるので、最初から安心して読むことができました。

今回はSFに純文学がミックスされたような美しい作品でしたね。


ロボット・ソレイユが最初の主人(作り主を除く)に出会うところから始まる物語。

精巧なつくりで、人間によく似た青年のロボット。

数奇な運命をたどる彼とソレイユ。

AIを搭載しているので、経験と共に成長していくソレイユだけど、やはり感情にはとぼしい。

けれどもどことなく、ソレイユの感情があるような描写があって胸をつかれました。


ネタバレ感想になりますが、

シュー教授は裏切られ、人間不信に陥りましたが、それは愛する彼女に裏切られたことが一番辛いことだったのですね。

結局因果応報ともいえる結末でしたので、私は彼女には同情できません。

シュー教授の彼女への愛、彼の最後でやっとわかりました。

薬を盗んだのは彼女の罪で、その効果で彼が苦しむことはないのだと私は思うばかりでしたけど。


ソレイユのロボットとしての忠実さが物悲しく、最後は願ってしまったのか。それに答えたマルは、今後はどう一人でいきていくのか。カナのような子と出会いながら、数奇な彼の人生が少しでも明るくなることを願うばかりです。


安定の文章のうまさ、物語の構成で、楽しませていただきました。


この度も、企画にご参加いただきありがとうございました。


次、最後の感想は、 白武士道 様の「ファウナの庭」https://kakuyomu.jp/works/1177354054886118162 です。

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