α√ 終局


 水が跳ねるように、音が跳ねる。

 誰かの言葉をこだまさせて、音が跳ねる。



『幸せな、記憶だったね』


『けど、それでいいの?』


『あなたはまだ、やり直せる』



 誰もいない空間に、一際強い風が吹いた。

 嵐が来て、雷が落ちる。



 そして、雨上がりの空。

 もう一度、音が跳ねた。



『まだ飛べるよ』


『何度でも、やり直して、また何度でも、ここに』


『そうして、もしもあなたがここじゃない場所へたどり着いたら』


『その時は、私を呼び起こして。...私を、見つけて』








~それが、私の願い~

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