第9話 問題シート
問題シートが配られた。初めて見た。
私の所には本日十枚来た。これが多いのか少ないのかは解らないけれども一つ一つ解決していかなくてはならない。
とりあえず自分で解決出来そうなのは二枚だけだった。
補佐の人が問題シートを読んでいる。
補佐という名目で、キャリアのある人が時々助けてくれる。
青森から来た私たち四人に、二人の補佐がついている。もちろん東北支社の社員だ。
二人の補佐がランダムに私たちをサポートして、情報を共有している。
今までも問題シートは配られていたが、私がそこまで手が回らないのでこの人たちが代理で処理してくれていた。
補佐がすぐに五枚分解決してくれた。
キャリアがあるとはいえ、短い時間で半分も終わらせた……。
私は少し悔しかったけれども、それは表に出さない。
あくまで私はここでは新人だ。
「残りの三枚は多分設計に聞かないと解らないと思うよ」
補佐の
設計……。深田さんの部品だったら嫌だなぁと思いながらシートを見る。
三枚とも
小川さんはとても落ち着いていて優しい人だ。そしてちょっと天然ぽい。
仕事にも熱くて礼儀もしっかりしている。
年下で田舎の支社から来た私にもとても丁寧に接してくれる。
見た目は「昔のあだ名はもやしだろう」と絢芽が言っていたが、性格がとても良い。
頭もかなり良いらしい。
小川さんの担当している部品は一番難易度が高い。なのでやりづらいのが多い。
「ややこしくてすいません」などと笑顔で言ってくれる。
社内用の携帯で、小川さんの番号を呼び出す。
私は少し、わくわくしていた。
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