第4話 これから働く職場
ゲストカードをかざし、社内に入る。
目の前にはすぐにエレベーターがある。
エレベーターに乗り、三階で降りた。私たちの職場は三階のようだ。
すぐに職場に案内されるかと思ったが違った。
応接室のような所に通された。
まずはここ東北支社で使う社員証の写真を撮った。
社員証が出来るまでしばらく待機と言われた。
「緊張してる?」引率の人に言われた。
皆顔を見合わせて、半端な笑顔を出し合っている。
絢芽とは仲が良いが、新川さんと岸田さんとはほとんど話したことがない。
恐らくあちらも同じ気持ちだろう。
微妙な空気がただよっていたら、ドアが開いた。
社員証が出来たらしい。
全員女子社員だからか、皆一斉に自分の写真を見た。
「もっと美白モードで撮ってくれたら良かったのに」
絢芽のその一言で皆の緊張がほぐれた。皆自然に笑っていた。
社員証を下げて、そのまま職場に行くことになった。
〇
これから自分が働く職場。ここでもセキュリティーシステムがある。
全員社員証をセキュリティーセンサーにかざして居室に入る。
まずは課長に挨拶をした。
課長は私たちの顔を一人一人見渡した、少し緊張した。
「では皆さんをここのメンバーに紹介します。自己紹介をお願いします」
いきなり? 私は一気に緊張が高まった。
他の皆もそれは同じだったようだ。顔がこわばっている。
居室の中には二十人以上いる。
しかも全員優秀な社員ばかりだろう。
ここは東北で一番優秀な社員が集まっている。私たちとは月とすっぽんだ。
この人たちの前でいきなり自己紹介とは。
しかし多分これが普通なのだろう。
青森支社から来た私たちは全員月並みの言葉を並べて自己紹介をした。
名前と、よろしくお願いします位だ。
その位しか言っていないのに、一人ずつ拍手をくれた。なんだか申し訳なかった。
コール&レスポンスだろうか。
あと滅多に現場には来ないけれども、部長もいるらしい。
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