第2話 鉄巨人たち

 決闘に勝利し、望みの品を手に入れたクレオは街の大通りを歩いていく。

 市場から離れ、人通りが少なくなってきたあたりで脇道に入り少し進むとそこには赤い屋根のガレージが佇んでいた。


「たっだいまー!」


 シャッターの横の扉を開けて、中へと入っていくクレオ。


「おかえり、クレオ」


 そんな彼女を出迎えたのは作業着を身につけた、尖った耳を持つ赤髪の青年。服の胸のあたりの名前を示す刺繍には、「ミシェル」と刻まれている。

 彼はある理由により冒険者になったクレオの面倒を見てくれているエンジニアだ。見るからに草食系といったような雰囲気で、気が強い性格でもないが仕事の腕は確かであり、今はクレオが所有するサンドカラーのクラフトマシンの整備をしている。

 尚人間ならば20代前半程度にしか見えない容姿をしているが、長寿種族のエルフという事もあり実年齢は100歳を超えているらしい。


「あ、そうだ! ミシェ、これ!」

「これって……まさか!?」

「えへへ……」


 帰ってきたクレオから早速ミシェルは渡されたパーツを受け取るや否や、驚きのあまり興奮気味に尋ねた。


「一世代前とはいえ帝国軍の戦闘用制御回路って、こんなものどこで手に入れたんだい!?」

「市場で売ってた!」

「一体どんなルートでこんな代物が……」


 何せこの回路、国境の砦に遮られた向こう側にある帝国でのみ製造、使用されている軍用のものである。

 帝国はこのガレディアの街が属する王国とは現在緊張状態にあり、今この瞬間も国境では互いの軍による睨み合いが続いている。

 それを抜きにしても軍用クラフトマシンの技術は重要機密にあたり、決して外に漏らされる事はなく、破壊されたものから回収したとしてもそれは王国軍に資料として管理されている筈なのだ。クレオもアングラのカタログで見た事があった為に気付いたが、そんな代物が旧世代型とはいえジャンク市場で投げ売りされているというのは事情を知る者からすればまさに異常事態であった。


 このようなパーツを一体どこで、どのように仕入れたのか。ミシェルは今すぐ市場に行ってジャンク屋の店主に問い詰めたいという思いが込み上げるが、ひとまずそれは胸の内にしまい込んでもう一つ尋ねる。


「そういえば決闘騒ぎがあったらしいけど、巻き込まれなかった? 大丈夫?」

「あ……うん。大丈夫!」


 どうやら市場での決闘の騒ぎの話はこの辺りまで広まっていたらしい。

 クレオは巻き込まれたどころか当事者だったのだが、そうとは言い出せず目を逸らしながらはぐらかした。


「よく碌でもない奴らが入ってくるからね、この街は。気をつけるようにね」

「わかってるわかってる」


 ミシェルも彼女が何かしらのトラブルに巻き込まれたであろう事はその様子から察してはいたが、冒険者にとってトラブルは付き物であり、それはクレオも例外ではない。故に彼は、軽い忠告程度でこの話を打ち切った。


「あ、おかえりクレオちゃん!」


 そんな時、クレオの家や客間がある二階から降りてくる人物が一人。

 頭には猫のような耳、腰からは尻尾が伸び長い青髪をポニーテールに束ねた、起伏の激しい体型の美しい女性だ。


「あれ、ヴァイオレットさん。カフェはどうしたの?」


 彼女の名はヴァイオレット。大通りから外れたところの、比較的人通りの多い道で個人経営のカフェを営む、人間と獣人のハーフの女性である。

 父親は虎の獣人だったそうだが、彼女自身は人間の血が混じって薄れたせいか猫のような可愛らしい姿となっている。

 あくまでエンジニアであり家事は妻に任せきりのミシェル一人には任せておけず、一人暮らしのクレオに食事を届けたり、料理や掃除などの家事を教えたりと生活面で世話をしてくれている人物だ。


 ミシェルやヴァイオレットがこうしてクレオの世話をしているのは過去の出来事が理由にあるのだが、ここでは割愛する。


「輸送船が賊に襲われたらしくてね。護衛のおかげで無事だったらしいけど、船が壊れてコーヒー豆の到着が遅れてるから臨時休業だよ」

「大変だね」

「売り上げは後から取り戻せばいいし、今日はもうおサボりデーって決めちゃった!」

「あはは……」


 彼女がカフェで出している手料理は絶品と評判だ。だがそれ以上にコーヒーにはこだわっており評判も良く、首都で流通している雑誌にも何度か掲載され、一度貴族の邸宅に招かれてコーヒーを淹れた事もある程である。


 それらを目当てに開店から閉店まで客足はいつも途絶えることはなく、料理だけでも客寄せは充分にできるだろう。

 だがカフェの料理はコーヒーと一緒に楽しんで欲しいという彼女の考えもあり、今回のような理由で豆の入荷が止まった時は毎回臨時休業としていた。


「そうだ、お腹空いてるわよね。おやつにサンドイッチならあるけど食べる?」

「うん、食べる!」

「ちょっと待っててね」


 そう言って再び二階のクレオの家の中に入っていくヴァイオレット。


 こうした日はいつも、彼女はガレージまでやって来てクレオの家の台所で昼食を用意してくれているのだ。


「クレオ、ちょっといいかな」

「どうしたの?」

「ここの調整なんだけどさ……」


 ヴァイオレットが作っておいたサンドイッチを取りに行っている間に、クレオはミシェルに呼ばれてクラフトマシンについての意見を求められる。


「お待たせ!」


 そうして話しながら作業をしている間に、ヴァイオレットがバスケットを提げて二階から降りて来る。

 クレオは早速彼女の元に行くとバスケットの蓋を開け、中のサンドイッチを掴んで頬張った。


「流石ヴァイオレットさん、美味しい!」


 それはシンプルなたまごサンドだったが、濃厚なバターの風味が見た目以上の満足感を与えてくれる。

 ステージで踊った直後に決闘という事もあり疲れて腹を空かせていたクレオは、バスケットに詰め込まれたそれを夢中であっという間に平らげてしまう。


「ちょっとここ手伝って欲しいんだけど」

「わかったー!」


 腹を満たしたクレオは、それから日が沈み月が昇るまでミシェルと共にクラフトマシンの改修に没頭するのだった。

 





 その日の夜、町外れの小さな酒場にて。


「クソッ、あのメスガキめ!」


 大通り近くの人通りの多い場所にある人で溢れた酒場とは対極的に客が殆ど見えず寂れたここで、筋骨隆々とした大男が一人大量の酒に酔い潰れていた。


「おやおや、お困りの様子かな?」

「貴様は……」


 彼の肩に手を置き声をかけたのは、無精髭を生やした男だ。


「誰かの事が憎くて仕方がないって面してるな。力になってやろうか」

「あのちびっこいメスガキが、調子に乗りやがって……!」

「なるほど相手は女の子か。それで、相手の名前は?」


 酒瓶を開けグラスに注ぎながら大男の言葉に耳を傾ける無精髭の男。

 そんな彼に、大男は酒に酔った勢いで己の胸の内を打ち明けた。


「クレオ・フォードだよ。思い出すだけで今すぐぶっ殺したくなるぜ」


 この大男は、昼に市場でクレオに打ちのめされていた冒険者のガンド。

 あの騒ぎの後ギルドの船に戻った彼は、小さな少女に一方的に負かされた事で嘲笑の対象となって仲間の元を抜け出し、今はこうして飲んだくれていた。


「そうか、クレオ・フォード……」


 だがガンドの身に何があったかなどは、話を聞く無精髭の男のどうでもいい。それより重要なのは、クレオ・フォードという名前だ。


「この件、力を貸してやるよ」


 その名を聞いた男は、にやりと笑みを浮かべながらガンドへとそう告げて協力を約束した。






「っ……」


 翌朝、ベッドの上で目を覚ましたクレオは寝返りを打って壁にかけた時計へと目を向ける。


「もうこんな時間かぁ……」


 昨日の疲れからか、針が指す時間は既に昼前。身体を起こし立ち上がると、歯を磨いて顔を洗い、作り置きのサラダサンドを食べてから一階のガレージへと降りていった。


「おはよ。機体の調整はどう?」

「殆ど完成だよ。望み通り帝国製回路も搭載済みさ」


 そこでは既にミシェルが作業を終え、完全な状態となったクラフトマシンが鎮座していた。


「早速試運転してみていい?」

「いや、もう少し待ってくれないか。一つ懸念が……」


 新しいパーツを取り付けたクラフトマシンの乗り心地を確かめようとクレオは機体に手をかける。その時……


「なんだ!?」


 ガレージの外から突如爆音と悲鳴が聞こえ、直後に街中に危機を知らせるサイレンが鳴り響いた。

 一体何が起こったのか。状況を知ろうとした時、扉を開けてヴァイオレットが中に駆け込んできた。


「大変よ! 街が襲われてる!」

「なんだって!?」

「見てくる!」

「クレオ!」


 街への襲撃。それを聞いたクレオは急いで外へと駆け出す。

 そこで見た物は燃え盛る街並みと、火の海の中を悠然と進む巨大な手足の生えた機械の姿だった。


「あれは……クラフトマシン!?」

「ハハハハハッ! こんな街燃えちまえ! 燃えちまえぇぇぇッ!!」

「この声、どこかで……」


 バーナーから炎を吐き、コンテナからロケット弾を撒き散らし破壊の限りを尽くす黒く鈍重なクラフトマシン。

 その機体のスピーカーから発せられる声にはどこか聞き覚えがあり、クレオは思考を巡らせる。


「昨日のあいつ!」


 そして浮かんだのは、昨日市場で決闘を挑んできた冒険者の男ガンド。

 その時は所詮は小物だと思っていたが、クラフトマシンまで持ち出して暴れているのでは、被害拡大を防ぐ為にも放っておく訳にはいかなかった。


「ミシェ、マシン出せる?」

「まさか戦う気かい!?」

「多分あいつの狙い、私だから」


 すぐさまクレオはガレージに駆け込み、クラフトマシンのコクピットに座る。


「でもこの機体は……」

「急いで! 早く!」

「わかった!」

「あたしも手伝うわ!」 


 ミシェルには一つ気になる事が残っていたがそれは一旦さておきクレオの出撃準備に入り、ヴァイオレットも出来ることでそれに協力する。


「黒炎石、装填完了!」


 ミシェルの手により、エンジンの中に動力となる黒い石が嵌め込まれる。


「ライト点灯確認! 異音なし!」


 機体各部のライトがきちんと点灯し、おかしな音もない事を確認する。


「前方後方よし! シャッター開けるよ!」


 そして周囲を確認してからミシェルはガレージのシャッターを開き、クレオは鍵を差し込んで回しエンジンを入れるとコクピットから身を乗り出して叫んだ。


「軽くぶっ飛ばしてくるから、美味しい朝ごはん用意しててね!」


 その後取っ手を引いてキャノピーを閉じると、操縦桿を握ってペダルを踏んで機体を動かし、壁にかけられた武装の中からマシンガンとブロードソードを手に取る。


「行くよ。バラット!」


 クレオの愛機「バラット14」が今、街を守る為に動き出す。






「この火力最高だぜ! ヒャハハハハ!」


 逃げ惑う人々の姿を楽しむように、街に火を放ちながら高笑いを上げるガンド。


「このフレイボ6で、こんな街焼き尽くしてやるぜぇーッ!!」


 その表情は狂気に染まり、憎しみの対象は自身を打ち負かした少女だけに留まらず今やこの街の存在全てに向けられていた。


「そこまでだよ!」


 砲火を放ち続ける彼のクラフトマシン、「フレイボ6」の進路に、割り込むように立ちはだかる物が一つ。

 クレオが乗るサンドカラーのクラフトマシン「バラット14」だ。


「人がいっぱいいる街中でロケット砲とかばら撒いたらどうなるか、わかんないの?」


 相対する二機のクラフトマシン。だが大量の兵器をその身に積み込んだ8メートルはあるであろう巨大かつ重装備のフレイボに対し、バラットはその半分程のサイズで武器も手に持ったマシンガンと剣しかない。


「ガ……ガガンボだっけ? なんでもいいけど好きにはさせないよ」


 傍から見ると、力の差は歴然に見えるだろう。

 だがクレオの表情からはまだまだ余裕が見て取れる。この性能差を覆す程の技量の自信を、彼女は持っているのだ。


「クレオ・フォードォォォォッ!!」

「これ以上街はやらせない!」


 フレイボ6が火を噴き、同時にバラット14が足裏のローラーダッシュで火花を散らし駆ける。

 クラフトマシン同士の戦闘が今、始まった。


「そんなポンコツで舐めやがってッ!」

「おっと危ない」


 目の前に迫るロケット弾を、バラットがドリフトで回避する。


 そしてバラットはライフルの引き金を引き弾丸を放つが、フレイボの前面の増加装甲は固く攻撃は届かなかった。


「か弱い女の子一人狙う為にそんなマシン持ち出して!」

「お前さえ! お前さえ出てこなけりゃあぁぁッ!」


 無数に迫る機関砲にロケット、火炎放射の弾幕をクレオは見切り正確に回避するが、バラットの火力不足でこちらからも決定打を与えられない。


「小娘如きに負けたおかげで、俺の立場は……!」

「いや、それはあんたがヘボいだけでしょ」

「貴様ァーッ!!」

「やば、煽っちゃった」


 そしてクレオの声にガンドはさらに逆上し、フレイボはより一層激しく暴れ始めた。


「お前なんざ……お前なんざ消し炭にしてやるッ!」

「くっ……!」


 コクピットでひたすらバラットを動かすクレオは、内心焦っていた。

 こちらの攻撃が通らない以上、このまま避け続けて弾切れを待つのも考えていたがその手は使えない。今こうして避けているうちにも、街の被害は拡大しているからだ。


「ヒャハハハハハ! 燃え尽きやがれーッ!」

「無茶苦茶やる!」

「ちょこまかしやがって!」


 かと言って小型軽量のバラットでは、大口径弾の一撃でも貰えば致命傷である。

 敵の弾幕を避けながら、クレオは必死に思考を巡らせる。


「私が無事でもあの火力で暴れさせたら街が……。街の外まで誘い出すにもそれまでの距離が……」


 あの手この手を考えるが、そのどれもが街か自分に被害が出るか、或いは成功率が低いか。

 投げ出したくなったその時、キャノピーのガラス越しにふと空を見上げると、クレオの頭に一つの考えが浮かび彼女は微笑んだ。


「イチかバチか、やるしかない!」


 意を決し、歯を食いしばって操縦桿を握りながらクレオは全速力で突撃する。


 回避を考えず、ただまっすぐと。


「死ねぇーッ!!」


 これで終わりだと、フレイボのロケット弾が近距離から近距離から放たれる。


 そして今、命中し弾けようとしたその時だった。


「消えた!?」


 突然クレオのバラットがパッと姿を消し、砲弾は地面と激突し弾ける。

 一体彼女は何処へ消えたのか。ガンドが辺りを見渡した時、砲弾が降り注いだのは空からだった。


「ここだよ!」


 咄嗟に上を見上げると、太陽の光の眩しさに思わず目を覆う。

 そこに微かに見えたのは、青空の下を舞うクレオのバラットのシルエットだった。


「クラフトマシンが、空を……」

「飛んでる……」


 街外れに避難していた人々は、遠くからその光景を驚きの表情で見つめる。

 本来クラフトマシンは、陸地で使う重機のようなものである。まさかそれが戦いの中で空を飛ぼうなどと、ここにいる誰もが想像すらしていなかったのだ。


「無事に戻ってきなよ、クレオ」


 空を飛ぶバラットの姿に驚愕する人々の中に紛れて、ミシェルは呟く。

 街を守るよりもまずクレオが無事に帰ってきてくれる事。それが彼にとって、一番の願いだった。


「鬱陶しいんだよッ!!」

「ぐぅっ……!」


 空に向けて無造作に放たれた砲弾を、空中で横に急加速し避けるバラット。

 加速の瞬間背中には小さな爆発が起こり、直後に空のカートリッジが排出される。


 さらに前に、後ろに、右に、左にと爆発と急加速を繰り返しながら攻撃を避け続け、空からマシンガンを浴びせていく。


 改造はされていてもあくまで重機に過ぎないクラフトマシンのバラット14がここまでの空中機動をできるのは、背中に取り付けられた装置「炸裂式スラスター」によるもの。

 これは最大12個のカートリッジを装填し、内部の爆薬を爆発させる事で瞬間的に推進力を得るものである。


「っ……まだまだァッ!!」


 現状クラフトマシンのサイズのジェットエンジンが開発されていないこの世界においては希少な推進装置ではあるが継続的な噴射ができない故に扱いは難しい。

 さらには急加速を繰り返す事によりコクピットの中は高速で掻き回されるような状態となってパイロットへの負担も非常に大きいピーキーな装備だ。


 先程まではある程度余裕を見せていたクレオも、これを使い始めてからは一気に疲労を隠しきれなくなってくる。


「何、しまった!?」


 だが空中からのトップアタックは効果覿面てきめん。増加装甲のない上面からの攻撃はフレイボの装甲を貫き、確実にダメージを与えていた。


「もう一息!」


 弾が切れたマシンガンのマガジンを交換し、さらに追い討ちをかける。

 火炎放射器、ロケット砲、機関砲。各部の武器を撃ち抜き攻撃力を奪うとバラットはマシンガンを捨て、ブロードソードを右手に構えて振り上げた。


「これでトドメぇぇぇぇぇぇっ!!」


 一閃。

 機体の重さと落下の速度を加えた必殺の斬撃がフレイボの装甲に食い込み、割り砕く。

 そして白銀の刃が動力部まで達した時、フレイボは亀裂から発火しながら倒れ、そのままぴくりとも動かなくなった。


「消火急げ! もたもたするな!」


 すぐさま消防団が駆けつけ、機体を消火しコクピットから気絶したガンドを救出する。

 その様子を見ながらクレオはほっと一息つき、シートに思いきりもたれかかった。


「よーし、勝った!」


「それじゃ帰るか」。そう言って機体を動かしガレージに戻ろうとしたその時、異変は起きた。


「うそっ!?」


 突然バラットの四肢の関節が火花を散らし、煙が上がり始めたのだ。当然そんな状態では操縦しようとしてもうんともすんとも言わない。

 

「そりゃないでしょ……」


 クレオは予想外の不幸に肩を落としため息をつき、結局諦めてレッカーを待つ事にしたのだった。






「自称ベテラン冒険者でも、あいつの前じゃ雑魚同然か」


 街の人々が後処理に追われる中、無精髭の男は宿の建物の三階から双眼鏡でその様子を見ていた。


「嬉しいぜ、クレオ」


 復讐心に燃えるガンドに改造されたフレイボ6を与えたのはこの男である。

 しかしガンドが敗れた事は特に気にする素振りはなく、むしろクレオの勝利に喜んでいるように見える。


「やはりお前こそが、この俺様のワイフに相応しい」


 そして男は、そう言うとコクピットから出てくるクレオの姿をしっかりと写真に収めるのだった。

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