今日
死ぬ理由が要らなくなった、は語弊があるかもしれない。私がそう感じたのは、朝起きてカーテンを開けた時だった。
寝室の窓越しでも眩しい太陽と、澄みきった青空。心が洗われるようで、すごく感動して。
幸せで、死にたくなった。
幸せな時のまま、死んでしまいたかった。
でも、まだ痛くも苦しくもない死に方が見つからないから、私は死ぬのをやめた。
死ぬ理由が要らないのでは無くて、死ぬ理由がすぐに生まれるようになった、が正しいのだろう。
着替えて、歯磨きをして、朝食を食べて。
いつも通り学校に行き、いつも通り学校が終わる。死にたい思考を止めないままに、友達と話しながら帰っている時、またあれが見えた。
どこまでも広がり、雲一つない、あんまりにも綺麗な青空。
あんな風に私の心が純粋だったら、もっと「生きたい」と思うのだろうか?
分からないな。
やっぱり私は死にたいままだった。
青空に飛び込みたいと思ったのは、それから数日後のことだった。
友達との帰り道、たまたま空を見上げて、私はそう思った。飛び込めるはずはないし、空は海ではないけれど。それでも飛び込みたいって言葉が浮かんだのは、私が水泳をやっていたからかもしれない。
気持ち良さそうな「青色」に視界が滲んだ。
青空に飛び込みたい 月見兎 @scorpi
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