第三部 よなか

垂れこめる夜半の闇

 

とおく彼方に融けて戻らない者のさだめ


疾うに失せた星 影に沈む部屋



それはいつかの別れのようだった



迫りくる果てを目前に


彼女は何度


いきする鼓動をたしかめ


摘まれる悪夢に苛まれたのだろう



愛してみせてよ、運命。


いまだ遺される悠久も知らずに


消えゆくひとつの長い幻想を


僕は見ていた




 

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