5. 約束
(まっていて。)
待っていた
誰を?
それは多分 だれでもなくって
もっと曖昧なもの
(待ってた)
何を?
「
あなたが幸せに微笑む日を
「私たちも合わせて、五つ」
きみが、まぶしく笑う日を。
ゆう、と呼ぶ声がする
ひとみに遺る宝石の色を
俺は憶えている
「私、あなたにただいまをいう為に生まれ変わって来たのよ」
そんな非現実 得意気な様子で
俺たちが決めたせっかくの内証も明かしてしまう
難しいことはいろいろどうでもよくなって
相変わらずだねって 苦笑できることがとても
幸せだった
「おかえり、切菜」
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