バリバリなスター

車に乗って、新しい新居に向かう


「今日、ミケーラいないけど家にいる?」


わかの彼女に挨拶をしたかったけど

今日、挨拶できないのかなと思っていた


「いやもう帰ってるんじゃね。

バリスタの学校行ってたからこれなかったんだよね」


「バリスター?バリバリなスターになる学校?」


「え、バリスタしらねーの?」


わかにバリスタという言葉を教わった


海外にきて、古典のテストの点数が2点だった

あの〇そ頭の悪いわかから日本語を勉強するなんて


驚きでいっぱい


本当に海外は何が起こるかわからないって


こういうことだと思った


バリスタとは

ざっくり説明するとコーヒーを淹れる人

ミケーラはその人になるために学校で勉強しているらしい


さらに


New Zealandはコーヒーがおいしいし

バリスタの学校通うのも安いから


興味のある人は通って資格を手にする


らしい


コーヒーに角砂糖4つ入れなきゃ飲めない僕には

関係のない資格の話でまさにそんな話は死角だった


あとションという台湾人が一緒にみたいだけど


わかはその人のことは「いいやつだぜ」しか言わない


他の人に比べて情報が少ないし、全然話そうとしない


「いいやつだぜ」とは「良い」のか

こいつの話は「もういい」のいいなのか


疑問を残したまま車は距離を稼ぎ

これから僕が住む新しい家についた。


まず、家の外装を見て感動した。


ふつーの一軒家だ。


僕の知っている一軒家は

putaruru(プタルル)のあの

雑草が僕と同じくらいまで伸びた


茂みの中にあるあの一軒家


壁が黒ずみ、ドブネズミがいて

天井に穴が開いてるあの廃墟


右目から涙が出た


いや、まだ感動するには早い


廃墟の時も外装を見て感動した



内装を見てこれはないぞ。


そんな風に思ったことを思い出した


気を抜いてはいけない


期待は感情の借金


裏切られたときはヤクザの取り立てみたいに

荒いやり方で請求してくるから


膨らんだ期待を萎ませた


さぁ、Christchurchの新しい家よ


天井に穴が開いてるくらいじゃ驚かないぜ



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