スマートなマイク

「英語の発音ちょっと良くなってるじゃん」


わかがにやにやしながら言う


高校の時から変わらないむかつく顔


でもなぜか憎めない顔


てか、僕の嫌味はスルーされた。


「だろ?相変わらずLとRの音は難しいけど」


僕も自分で言った嫌味を流した


「エミリー日本語話せるし英語の先生なんだぜ

だから教えてくれるよ」


「まじで!」


日本語を話せる英語の先生の外国人...!


ここは英語を勉強するのに最適な環境


「マイクはネイティブだしな」


「まじで!?」


家のオーナー夫婦が

先生と英語のネイティブスピーカー


わかの彼女はもわかよりも英語がうまいらしい


なんて、なんて、贅沢な環境なのだ...


感謝、感激のシャワーを浴びながら

わかが乗ってきた車の元に戻る


すると


背の高い丸刈りの男性マイクと思われる男性と

エミリーと思われる背の低いボブの髪型をした女性が


車から降りてきた


「Hi Nice to meet you」(はじめましてよろしくね)


「Hi nice to meet you too Emily and Mike」

(エミリーとマイク、こちらこそよろしくお願いします。)


それぞれ2人の顔を見て、初めましての合図をした


「you are bring many stuff 」(荷物たくさん持ってるね)


僕の荷物の総重量は7kgだからそんなことはない


けど


「cuz I am backpacker」(バックパッカーだからね)


なんて返すと、僕の荷物を手に取り


「so I became backpacker too?」

(これで僕もバックパッカーになれた?)


そういって、トランクに荷物を載せてくれた


他の荷物も全部


あの7kgの荷物を軽々しくトランクに乗せている


なんてスマートなの


このスマートさは惚れる


そして1つ、気づいてしまった


僕はここで英語以外にも学ぶことがある


今後、僕がモテるために...!


あのスマートをゲットしなければならない


これは権利なんかじゃない義務だ


僕はマイクの弟子になるって勝手に決めた。


そのためなら英語が伸びなくたってかまわない


そのためなら英語なんて忘れても構わない...!

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