僕vs7kg 決着

後、5人チェックを終えると僕の番だ。


もう、やるっきゃない。


後、3人で自分の番が来る頃にはもう腹を括った。


そして、目の前の人の確認が終わり


僕の番が来た。


「can I check your ticket?」(チケットありますか?)


ジェットムーンの男性スタッフが僕の顔を見ると

同時に目線を左にずらした。


その目線の先には僕のパンパンになってるリュックが見える。


いけない...!


僕の第6感が危険を悟った。


彼の目線のゴール、僕のリュックを

彼の見ている視線の先から消し去るように


僕は彼の目線と合わせて体を右に少し傾けた


彼の目線が手元のチケット確認する機械に移る


そして...


「have a good flight」(よいたびを)


戦いの火蓋は彼の視線で切って落され

その勝負を戦略的勝利で終わらせた


おっしゃー!


側から見たら目線が動いてるだけ

体を少し右に動かしただけだろう。


しかし、目線を動かすタイミングや

体を傾けるこの絶妙なタイミングの戦いの勝利を


掴むことはその辺のバックパッカーじゃ難しいだろう。


僕は掴んだ勝利を握り締め

機内までのウイングロードを歩いた


太ももまで、流れた汗は乾き

残ったそれは爽やかな快感を与える


おっしゃー!!!!!!

機内の肘掛に右手を置いて小さくガッツポーズをした。


これが全バックパッカーが求めた夢!!!


僕は、7kg(荷物制限)の先にある夢(搭乗ゲート)


その夢の先にある勝利のイスに腰掛けている。


後は飛行機がクライストチャーチに

連れて行ってくれるだけ


僕は優雅時間が過ぎるのを待った


飛行機よりも浮ついた気持ちで僕は

わかの待つChristchurch(クライストチャーチ)国際空港に無事に着いた

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