さよならエマ

パーティから数日が経った


僕がまだ真剣に未来を見据えてる中であっても

エマがこのバックパッカーを出る日が来た。


愛の巣(2人部屋)だったエマと僕の部屋は

マリアーノとベンによって裂かれてしまったけど


2人部屋(愛の巣)じゃ作れない思い出を作った。


一緒に思い出を作ったエマが卒業


ワーホリは出会いと別れの連続

そしてお別れする者は異国の地に住む者

お別れが後生の別れとなる可能性が高い


そんなことを思うと心がぎゅっと締め付けられる


「I spend good time with you guys 」

(あなた達といい時間を過ごしたわ)


「I spend good time with you too 」

(僕もエマといい時間を過ごしたよ)


エマの旅立ちの日に立ち会えたのは僕だけ


ベンもマリアーノも

新しい畑での仕事に就いていた


「I will miss you」(さみしくなるよ)


僕はマリアーノから覚えた言葉を使った


「yeah but we can meet up again」

(そうね、でもまた会えるよ)


お別れする者は異国の地に住む者

お別れが後生の別れとなる可能性が高い


それなのにもかかわらずエマが

「また会える」という


その言葉を聞いて純粋な好奇心で聞いた


「why you can say like that?」

(なんでそんな風に言えるの?)


「because we are alive under a sky of a million stars」

(だって、同じ星の下で生きてるからね)


そうだ。確かに、確かにそうだ


「you are right(エマの言うとおりだ)」


マリアーノからさみしいという言葉を

エマからはさみしくなくなることを教えてもらった


心が軽くなった僕は最後にエマとお別れのハグをして


車に乗り込んだエマを目に焼き付け

その車が見えなくなるまで手を振った。


「because we are alive under a sky of a million stars」

(だって、同じ星の下で生きてるからね)


エマから教えてもらったその言葉を忘れない


エマは巣立ってビックイベントを終えた


それでも今日という日はあと12時間もある


「何をしようかな」


そんな一人事、吐いても秋風に連れ去られる


「困ったな」


エマとのお別れに夢中で完全に忘れてた。

いっそこんな現実の中にいることを忘れていたい


仕事ない...働けない...


「I can give you job is waiting for job right now」

(今私があげられる仕事は仕事を待つ仕事)


そんなわけわからない仕事をオーナーロブからもらった

そんなの仕事と呼ばないし、時間だけがいたずらにすぎる行為


時間だけが過ぎるよ。と思っていたら

思っていた通りエマと別れてからもう1週間も時間が経った


「what should I do...?」(どうしよう...?)



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