第2話 友との出会い
「うっ!」
俺は、人生の中でも大きな危機に陥っていた。
俺の名前はユウ=シマザキ。代々侍の家系を継いでいたからこんな名前なんだとか。
この世界では珍しい名前なのだ。
そんな俺は今、アルテイラ学院のクラス分け試験に臨んでいる。
この試験はとても重要なのだ。
この試験によって決められたクラスによって受けられる授業内容も違い、将来出世できるかどうかも大方決まってしまうからだ。
--しかしーー
手応えゼロ。まったく歯が立たなかった。
(とりあえず、今日は帰るか)
俺は帰ろうとしていたがその時……
「おい、ちょっとこっちにこいよ」
「いや、やめて、だ、誰かっ」
目の前で女の子がさらわれた。
誰もこのことに気づいていない。
本当は助けに行くべきなのであろうが、大体ろくな目に合わないと相場が決まっている。
しかし俺の足は動いていた。
「じゃあ早くやってもらおうか、お前のその能力で」
「だから、何度も言っているけどまだ使えないの、教わってないから」
「ならもう用無しだな、あと、お前を逃がして厄介ごとに巻き込まれても嫌だからなぁ、ここでーー殺るかーー」
「いっ、いや、まって、だっ、だれか、誰か助けて!」
俺は頭で考えるより先に身体が動いていた。
「おい、何してるんだよ」
「あぁ、お前誰だよ」
「早くその子を離せ!」
「おいおい、人の話は聞くもんだぜ。だが、お前もただで返すわけにはいかねぇなぁ。だから、おまえもここで死んでくれ」
そう言うと誘拐犯は俺に向かって飛びかかってきた……
ーー魔力を使ってーー
(やばい、俺もまだ使えない、やられる)
「シュッ」
目の前で誘拐犯は倒れていた。
(でも、一体誰が)
目の前にいたのは制服を着た男子生徒と鎧を着た女子学生?であった。
「大丈夫か、そこの君」
「えぇ、俺は大丈夫ですけどそこにいる女の子が…」
「私は、大丈夫です。それより助けていただきありがとうございました」
「いや、当然のことだから礼には及ばないよ。とりあえずどこか落ちつける場所に行って離そうか」
ーー近くの公園に着いたーー
「とりあえず自己紹介がまだだったね、俺の名前はシャウト=ウェイン。今年からアルテイラ学院に入学する1年生なんだ。そしてこっちにいるのがメナ。俺の相棒パートナーだ」
俺は気になったがまずは自己紹介をすることにした。
「俺はコウ=シマザキ。俺も同じアルテイラ学院の1年だ。これからよろしく頼む」
「私はエミ=ルイーズ。私も同じ、同級生だね。これからよろしくね」
「呼び方はシャウトとエミでいいか?聞きたいことがあるんだが」
「いいぜ。何が聞きたいん…あっ、もうこんな時間か。実は俺もう帰らないとなんだ。だから明日、学院で話そうよ」
「あぁ、わかった」
「じゃあ今日はこれで解散だね。コウ、シャウトまた明日。今日は本当にありがとう」
「おう、また明日学院でな」
「あぁ、また明日」
俺の気になっていることは
なぜ同じ1年生でもうすでに魔力が使えるのか。相棒パートナーを持っているのか。
そして、恐らく誘拐事件が増えた原因は……
(あっ!明日ってクラス発表じゃん。やだなぁ)
泡沫の生成相棒(ジェナレイトパートナー)と夢の果て 玖万里空 @Lucina
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