第2話 白衣の徘徊者
気分は良くない。そんな天気だが落ち着いている天気でもある。決して葵とは言えない白い空、ぼんやりとした気分になってくる。荒い息と共にいつもと同じでいつもと違うような住宅街に出会う。足の遅い2人や体が人の形をした亀により駱駝神が築き上げられている。心臓は非常食と習う。エメラルドグリーンの蛸が祭りを開いている。神に近づく儀式はどこの民族でもある。それは奇妙なものだ。詣でで札を納めに参る。そう言い残し傘は消えていった。目が見える。轟く森の中には反逆者達が蔓延っているのだろう。所長の判断で決められた束縛や愛情。
貝柱が唯一の救いなのである。壺や洗濯機が動くことはない。植物の一種であり、沈黙と化したこの街に要はもうない。0東京はただ美しかった。広々と広がる草むらを後目に朝焼け前の青黒い空に向かい歩き続ける。独特な雰囲気を醸し出す空にはもう何も無いのかもしれない。美しいと同時に落ち着き、また不安な気持ちを醸し出す。荒い息の白衣を着た徘徊者が追ってくる。口は裂け、目は充血し、歩き方は覚束無い。損ならせずともゆくならはしますなり。言葉は選ぶことを知らなかった。
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