第293話 決戦前夜

 ――アナタたち2人に、この世界を救ってほしい。


 こんなお決まりの文句と共に、俺とみなと、早2年。


 早めの夕食を済ませた俺たち7人は、焚き火を囲いながら最後の夜を粛々を過ごしていた。

 ……まあ、今はどうしてか始まった昔話に花を咲かせていた。


「……色々なことがありましたね」

「世界が滅ぶ……なんて言われても、最初は信じられなかったなあ。まあ、日に日に大きくなるアレを見せつけられちゃあ、信じる他に無いんだけどさ」


 その言葉に全員がそろって空を見上げた。

 肉眼でもはっきりとクレーターを視認できる程に巨大な月を望み、その後も女子3人を中心に俺たちの話は途切れることは無かった。


 きっと、今というこの時間を終わらせたくなかったのだろう。

 本来であれば、少しでも寝て英気を養うべきだが、誰もがこの場に留まり続けた。


「そういや、マイヤー工房で見たウェディングドレスってぇの? あれ、死ぬ前に1度着てみたいねぇ」

「ガラスケースに包まれた2着のドレスはすごい綺麗でしたね!」

「結婚式の時だけに着る一張羅なんでしょ? あれってやっぱりカナデの世界のものなの?」

「はい。そうだと思いますよ。ヴェールまで用意されていましたので……」


 レヴィと奏が楽しそうに談笑を続ける中、ぴくりとリコリスが肩を震わせた。

 頭の上の耳をヘタリと倒し、俺の隣で目を閉じて黙々と瞑想を続けるシグレを窺うように、仮面越しに視線を向けてくる。


「そういえば、リコさんとシグレさん。あの時、社長のルフサーヌさんにドレスについて話しかけられてたよね?」

「そうそう、あの時は前任の社長さんと知り合いだってだけで流されちゃったけど、結構親しげな様子で……もしかして、あのドレス。リコリスのだったりして?」


 奏とレヴィのとっさの発言に、今度は俺がびくりと動揺した。

 恐る恐ると俺も盗み見るようにリコリスへと顔を向ける。

 彼女は無骨な仮面を振るわせて、小さく首を振って答えた。


「……違うよ。あのドレスは私のものじゃない。もう、あのドレスは誰のものでもないんだ」

「……誰のものでもない? それって――」


 私のものじゃない――リコリスのその発言に思わずほっと安堵してしまう。

 けれど、これ以上の先を俺は聞きたくなかった。


「さ、最後だからさ! みんなには言いたいことがあるんだ!」


 その為、かっこ悪くも話題を遮るように俺は立ち上がって、その場にいる6人全員の注目を集めた。


「あ……ありがとう。俺たちをここまで連れてきてくれて……」


 そう言って頭を下げると、周囲にいた6人は呆気に取られた顔をする。

 そのうち数名がくすくすと笑いだした。


「らしくねぇな! キョウスケ! そんな弱腰で明日乗り切れると思ってるのかよ!」


 中でもシャフルはわざわざ俺の近くまで寄ってきて、背中を強く叩いてきた。

 この痛みが心地よく感じるのは、たった2年ほどの付き合いで出来た絆のおかげだろうか。

 20歳近く年上だと言うのに、シャフルはいつだって俺を1人の男として対等に扱ってくれた。


「俺がここにいる理由は、お前ら2人を元の世界に戻すためだって言っただろ! ありがとうなんてしみったれたもんは、その別れの時にでも取っておけよ。この馬鹿野郎!」

「シャフル……」


 シャフルの言う通りだ。今この場で言うもんじゃなかった。

 世界を救う……魔王を倒すことで晴れて俺と湊は元の世界に戻れる。

 その為に俺はこの異世界で今まで生きてきた。


 もちろん、今ではそんな個人的な願いの為だけじゃない。

 たとえ2年と短い期間であっても、この世界の人たちを救うために――俺たちや、ここにいるのは冒険者ギルド会員の猛者5人がいる。


 星雲の巫女レヴィ。

 剣天のシャフル。

 武神ベルゴール。

 氷傑のシグレ。

 赤獅子リコリス。


 そんな2つ名を持つ現地人である彼ら5人と、異世界から呼び寄こされた転移者である俺と奏は、冒険者ギルドの総本部のギルドマスター直々に今回の依頼を受けてこの場所にいる。


 ・魔王レーネ討伐。

 依頼難易度は最高の「白」段位。


 この2年の間に数多と受けてきた依頼とは違って、今回の依頼に金銭といった報酬ない。

 あるのはちっぽけな名誉と、この星に住まう全ての命だ。


(……いいや、違うな。俺らだけじゃない。ギルド会員関係なく、この星に生きる人類がこの依頼を受けているんだ)


 今この場には俺たち7人の他、世界中の屈強な猛者たちが集っている。

 今日の昼間だって数えきれないほどの犠牲を出しながら、彼らは俺たちを無傷で魔王のもとへと向かわせてくれるため、オアシスから現れた無数の【影】を相手に奮闘してくれた。


「大丈夫だ。キョウスケ。俺たちはあの魔王の【影】を何度も倒してきた。今回だってうまく――」

「……なあ」


 シャフルの激励を遮って、ベルゴールが口を開いた。


「こんなこと今さら言いたくはないのだが……俺は未だにあの魔王を封じる方法があるとは信じられない」


 ベルゴールが深いため息を吐いた後、苦い顔をしてレヴィが言う。


「なんでも今から千年近く前、当時世界中を恐怖に陥れたノイターンってバケモノを封じた魔法があるって話さ」

「だから、それはどうやって? ……本当に信じていいのか?」

「そりゃあ、本音を言えばあたしも気になるけど、そこはドナ四天長の話を信じるしかないだろ? ――なあ、同族であるシグレのあんちゃん?」


 と、続きをレヴィは今まで黙っていたシグレに吹っ掛けるも、彼はそれに対しての返答は一切しなかった。


「……すまない。席を外させてもらう」


 代わりに彼はそう言い残し、この場から立ち去っていった。


「……ごめんなさい。私も」


 続いてリコリスもシグレの後を追いかけてしまった。

 これにはレヴィとベルゴールはお互い顔を合わせて肩をすくめるしかない。


(シグレのやつ、最後まであんな調子だったな。少しは皆と仲良くなったと思ったのに……)


 そして、リコリスもあんな無愛想なシグレをいつも通り気遣ってばかりだ。


(今日が最後の夜だって言うのに……)


 リコリスの気がシグレに向かっていることは出会った当初から知っていた。

 それが恋とか愛とかそういうものじゃないとは思う。

 けれど恋愛事に奥手な俺だって、2人の間にはそれ以上の関係があることはわかって――そこへ、さっきまでシグレがいた場所にどっしりとレヴィが座ってきて、俺の脇を小突いてきた。


「いいのかい? あんたのお気に入り、シグレのあんちゃんに取られちゃうよ?」

「レヴィ! 変なこと言うなよ! べ、別にリコはそんなんじゃ……」

「嘘つけ。ばーか」


 レヴィは続けた。


「自分でも言ってただろ? 最後なんだからさ、自分の気持ちくらいはっきりしてきなよ?」

「……」


 俺は何も言い返せなかった。

 けれど、そこまで言われて何もしない訳にはいかない。


「……行ってくる」

「おう、いってらっしゃい」


 そう言い残して、俺も2人の後に続いた。

 4人の視線を背中に受けながら――。


「……で、あんたはどうするの? このまま黙って2人のこと見届けるの?」

「……いいんです。私のことなんて、キョウスケは――」





 2人を探すのに時間は差ほどかからなかった。


「……ありがとう。ルイ」

「ううん。こっちこそ最後まで付いてきてくれて、ありがとう」


 けれど2人の姿を見つけた途端、俺は来なければ良かったと思わずにはいられなかった。

 それも2人が抱き締め合っていたからだ。


「――後は任せるね。その…………レティ、おねえちゃん」

「リコちゃん、やっとその名前で呼んでくれたね。……わかってるわ。絶対あいつを取り戻してくるから、リコちゃんは安心してあっちで……待って、なさいっ!」


 仲睦ましい2人の抱擁を見て俺は嫌な汗が背中から流れる。


(やっぱり、2人はそういう仲で……けれど、シグレのやつ……なんだ、その話し方は?)


 シグレは妙なオカマ口調でリコリスと話しているのだ。


(元々口数は少ないやつだったが、そんな中でも俺や湊に話しかける時は普通だったのに……リコ!?)


 そこで、ふとリコリスが……シグレの腕の中にいる彼女が、盗み見ている俺へと顔を向けて――


「えっ!?」


 がくり――と、シグレの腕の中でリコリスの身体が崩れた。

 思わず声を上げてしまい、口をはっと両手で覆うもまったくと意味はない。


「……京助きょうすけ、そこにいるんだろ?」

「……あ、ああ」


 ばつの悪さを覚えながら渋々と俺は姿を見せた。

 そして、シグレの腕の中で力無く脱力するリコリスを見て……シグレはゆっくりと彼女の身をその場に横たわらせた。


「……出来れば、お前には見せたくなかったよ」

「シグレ、どういうことだよ? なあ、リコは……っ!?」


 と、俺の口はそこで途切れた。

 リコリスの身体から淡い蛍火がいくつも浮かび上がった為だ。

 光は勢いを増してリコリスの身体から溢れた。

 声をかける間もなく……最後にはリコリスだったものは消えてしまった。


「……なっ、なあっ!?」


 もうその場に残っているのは彼女が身につけていた衣服と、普段から素顔を隠している仮面だけだった。


 俺は膝をつき、消えた彼女の痕跡を探すように残った衣類に手を触れた。

 一体、どこに消えた? リコリスをどこへやった……俺は縋るようにシグレへと顔を向けると、彼は悲痛な面持ちをして、言った。


「……リコは、俺にその座を明け渡したことで……死んだ」

「死っ……!?」


 シグレはそう言うと、残った衣服を俺からブン取るように掴み上げ、普段から彼女が首からかけていた楕円形のペンダントだけを手にして他は投げ捨てた。

 その後、ペンダントを自分の首にかけ直して、


「リコ……今までこんな仮面を付けさせて、ごめんね……!」


 最後にシグレは地面に落ちていたリコの仮面を踏み割った。

 俺にはどういうことかまったくとわからなかった。

 けれど、仮面を踏み割ったことには何故か腹が立った。


「シグレぇぇぇっ!」


 俺はシグレの胸ぐらに掴みかかり……その反動でか、シグレが服の中に仕舞っている鎖に繋がった2つの指輪が外へと漏れた。

 それはシグレが普段から左手の薬指にはまっている指輪と同じデザインでもあった。

 その2つの指輪とリコリスのペンダントを目にしながら、俺はシグレを睨み付け……。


「嘘だって言えよ! リコは死んで――」

「もしかして……リコに告白しに来た?」

「……!?」


 俺は動揺により、口を閉ざした。

 その反応ははいと言っているようなものだった。

 シグレはその綺麗な顔を歪めて、自虐みたいに笑う。

 掴みかかっている状態で今さらだが、俺は苛立ちを抑えて尋ねることにした。


「……ずっと気になっていたことがある。シグレ……お前、もしかして転生者なのか?」


 この世界には俺と湊みたいな異世界から連れされた者たちとは別に、あっちの世界で死んで生まれ変わった人間がいることをこの2年間の旅の間に知った。

 そして、この2年間、シグレというその名前以上に、俺らの世界の話について呑み込みが早すぎるきらいがあった。

 このため、俺はシグレが転生者だと疑っていたのだが……。


「……半分正解」

「半分? どういう――」

「――最後に伝える。リコはさ。君のこと、気にしてたよ」

「なっ、リコが!?」

「うん。リコの素顔を見ても今の世界で怖がらずにいてくれたことが、リコはとても嬉しかったみたい」

「待ってくれよ……」


 何故、今になってそんな話をするんだ。


(リコリスの素顔だって、彼女の着替え中に出くわした時に偶然見ちゃっただけだし……怖がるどころか、思わず見蕩れてしまったくらいで……何故、あんな綺麗な顔をずっと隠しているのか、気になって……)


 明日は大事な決戦だっていうのに、どうしてこうなるんだ。


(最後だから? 俺が最後だからって言ったせいか?)


 俺はシグレから手を離し、その場に崩れるように膝をついた。

 でも、折れたわけじゃない。

 俯いたまま俺はシグレに訊ねた。


「……シグレ。俺はずっとあんたに感謝していた。訳も分からずこの世界に召喚されて直ぐ、魔物に襲われた俺と奏を助けてくれた。その後もずっとなんだかんだで面倒を見てくれて、俺たち2人をここまで連れてきてくれて……それでも今だけは、俺はあんたが憎くて仕方ない」

「……そうだよね」


 ずっと嫉妬していた。

 リコリスの特別だったお前に、俺はこの世界に来てからずっと嫉妬していた。


 この本心は絶対口にすることは無い。

 だからこそ、今だけはと付け足して紛らわす。

 俺は地面の土砂を握り締めて顔を上げた。

 

「……なあ、シグレ。俺、ずっと気になっていたことがあるんだ」

「それは?」

「……どうして、お前とリコは魔王を探し求めていたんだ? 出会った時からずっとお前たちは魔王レーネを探していたけど、その理由は絶対に教えてくれなかったよな?」

「聞かれなかったから……って言うのも、間違ってるか。そもそも、聞かれても答えなかったけどね」

「だろうよ。でも、最後なんだ。もう教えてくれてもいいだろ?」

「……うん。いいよ」


 シグレは頷いた後、俺の腕を掴み、無理やり立たせて皆のもとへと連れて行った。





「みなさん、今まで黙っていたことがあります」


 最初にニヤけ面でレヴィが出迎えてくれたけど、は彼女が話し出すよりも先に口を開いた。


「俺……いえ、ぼくの本当の名前はルイ・フルオリフィア」

「は? シグレのあんちゃん、何を言って……」

「ま、続けて言うと変に思われるけど、わたしはメレティミ・フルオリフィアね」


 そう言っては自身の身体の変化を解いた。

 銀髪を本来の青髪へ。

 肌の色を落とすのと同じく身体を女の物へ。

 黒の瞳を赤と青のオッドアイへ――本当のルイ・フルオリフィアとして皆の前に姿を見せた。


「そして、君たちが魔王レーネと呼ぶ……彼の妻だ」


 本来の姿を見せた途端、一瞬でこの場が殺気立つのがわかった。

 レヴィが、シャフレが、ベルゴールが、この2年間、ずっと共にしてきた仲間たちが、魔道具を手にして一斉にぼくらへと襲いかかってきたんだ。


「お、お前ら何して――……っ!?」


 背後にいた京助は目の色を変えて襲ってきた3人の尋常じゃない様子に驚いていた。

 けど、それもまた別の形で驚愕する。


「ぐっ……身体が……重……」

「な、何これぇ……きもち、わる……」

「あっがぁ……」 


 襲ってきた彼ら3人はその場で蹲り、悲痛な声を上げて苦しみだす。

 ぼくは振り返り、今の自分の姿を、彼らと同じ様に苦しみ身悶える京助に見せた。


「京助。これがぼくの本当の姿だよ」

「し、シグレ……なのか?」

「うん。で、さっきも言った通り、ぼくらは君たちの討伐目的である魔王の奥さんなんだ。後は言わずともわかるだろ? ぼくらが魔王を求めていた理由がさ」

「……ますます、わからねぇ……よ――」


 そう言って、京助は気を失った。

 同時に、他の人たちも同様に昏睡する――ただ、1人を残して。


「ま……待ちなさい、よ!」


 そう、その1人の少女が身体をふらつかせながら立ち上がって、声を上げた。


「……流石だね。ぼくの魔法に抵抗できるだけの腕前はずっと前から認めていたよ」

「良い、気にならないでよ!」


 は振り返ってその少女を見やった。

 奏だ。


「……体内の血液循環を操ったのね。あなたが姿を見せた時から、身体の中が変な感じがしたわ」

「うん。正解」


 神の寵児である3人は勿論、君たち2人は“親”の加護を受けていたこともあって、生半可な魔法には抵抗力を備えていたことを知っていた。


 だから、このやり方はあいつを思い出して嫌だったけど、は時間をかけて、彼らの体内へと自分の魔力を浸透させていたんだ。


 この日、この時のために、皆には気を失ってもらうために準備を仕掛けてきたけど……奏、彼女だけは予想通りうまくいかなかった。


「あなたが、魔王の関係者だってことは薄々と気が付いていた……でも、まさか奥さんだなんてね……! そんな姿を変えてまで、今まで私たちを騙してたの!?」


 姿を変えていた理由なんて今の3人の反応でわかってもらえたはずだけどね。

 もまた、シズクと同じく世界から嫌われているってだけだ。

 ただ、容姿を変えるだけで回避できる簡単な仕様だったけどね。

 ……ただし、それはぼくに限ってのことだ。

 この呪いのせいでリコはこの90年、ずっと顔を隠して生きなきゃいけなかったんだ。 


「……今さら言ったところで信じてもらえないよ」


 ぼくは首を振って、くすりと笑ってみせた。

 それを挑発と受け取ったのか、奏は憤り魔道具である杖を構える。

 先端のコアには淡い光が集中し始める。


「何が可笑しいっ!? 京助から離れて!」

「ごめん。君を笑った訳じゃないんだ。……この2年間ずっといっしょに居たけど、奏。君はレティに似てるなぁって思ってさ」

「レティ? 何訳のわかんないことを……つっ!」

「たくっ……先輩からの忠告よ。もっと自分に素直になった方が良い。わたしがそうであったように、意地を張っても何もいいことなんてないわ」

「お前に何がわかっ……好きで、意地を張ってるんじゃない!」


 そう言って、湊はルイに向かって先端に集中させた魔力を放出した。

 彼女の得意とする、光魔法……熱光線。

 けれど、その魔法がぼくらは貫通するどころか、届くことは無い。


「なっ! 魔法が掻き消された!?」


 この場一帯の水分は、ここで野営を行うことにしたその時からぼくによって支配されている。

 湊には見えないだろうが、今の間にが存在している。


 これにより熱光線は減退し、彼女の言う通り掻き消されたように見えたことだろう。

 これも唯一意識を保ち、向かって来るであろう湊が熱光線を得意とすることを事前に危惧していたからだ。

 出来れば、最初の攻撃で気を失って欲しかったけどね。

 驚愕する奏に向かって、ぼくはその場で跳躍――接近した彼女の肩に触れて強めの電撃を流し込んだ。


「あぎゃっ……ぐぅっ! まだまだぁ!」

「すごい、普通ならこれで伸びちゃうのに、やっぱり君はとても強いよ」

「まだ、まだ……私が、京助を、守るんだから……!」



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