第279話 ワタシがワタシである為に
スイはその顔で、誰とでも仲良くしたいとほざく偽善者だった。
(とぼけた笑顔の裏側で、どれだけ気持ち悪いことを考えているのやら?)
どんなに聞こえの良いことを口にしたところで、性格の悪さはその目付きの悪さがありありと物語っている。
前世の記憶があるなんて妄言を騙る、気の抜けるトロそうなしゃべり方もいちいち癇に障った。
(どうせ、あんたも王妃という地位を求めて王に寄り添ったくせに……)
最初は歯牙にもかけなかったのだが、どうやら彼女は私よりも頭が働いたらしい。
スイという女は誰にでも愛想を振りまき、その目を惹く容姿も相まって、瞬く間に皆から好かれた。このため、日は浅くとも彼女は直ぐに私以上にこの国の人たちに受け入れられた。
私の悪評が目立ってきたのもこの頃で、私と彼女を比較する陰口を耳にするようなってきた。
どうやら周りの地盤を固めて私を陥れる腹積もりらしい。
今の第二王妃という肩書は彼女にとって面白くないのだろう。
たとえどんなに周りから認められても、私が居る限りスイはいつだって2番目……いずれこの地位を脅かすのは目に見えていた。
(このままではまずい……)
焦燥に駆られ、城の中で味方を作ろうと動き出すも……今さらとばかりに全くと手遅れだった。
城の者たちは誰も私の言葉なんて聞こうとしなかった。
時にはベルフェオルゴンにそれとなく私も異世界の人間であることを打ち明けてみた。だが、彼がスイから聞かされた話と私の語る前世の話に若干の食い違いがあり、一方的に話を打ち切られてしまったこともある。
どういうことだ? もしかして、生きていた世界が違うのだろうか?
(……そうか。どこかで私が前世の記憶を所持していることを知って、先手を打ってデタラメな世界観を皆に植え付けたんだ。きっとそうに違いない……)
説得しようとする前にベルフェオルゴンは私から去っていったため、結局嘘つき女の烙印を押されただけだった。
急激にラヴィナイでの私の居場所はなくなっていった。
大恋愛をしていると思っていた城下町の男たちもあっさりと手のひらを返して私から去っていった。
贔屓にしていた飲食店や服飾店も、上からの命令で王妃である私の入店を拒むようになった。
(なんで、なんで、なんでなんでなんでなんで)
私はまた追い詰められていた。
そして、追い詰められた先はまたも自分の部屋だった。
長年引き籠った自室よりも、押し付けられたあの狭いアパートよりも、大きな寝室だけが唯一私が居られる場所だった。
◎
――たくっ、相変わらずだな。せっかく生まれ変わらせてやったっていうのに、なんてざまだ。
辟易し始めていたある日のことだ。
まるで助け舟とばかりにあの時の、棘のある女の声がまたも私の頭の中へと流れ込んできた。
私は驚きながら大きなベッドの上で跳ね起り、すぐさま辺りを見渡してその女へと呼びかけた。
どこにいるの? 私を助けて!
幸せに、幸せになりたいの――そう今度は疑うことなく幻聴の持ち主へと呼びかけていると……急に外気とは違った寒気に肩をぶるりと震わせる。
激しい悪寒は震える私の身体を握り締めるように包み込む。次第に声すら上げられないほどの強力な金縛りが襲ってきた。
「……あっ……あ……あぁっ……!」
上手く呂律は回らなくとも必死に声を振り絞った。
理由は私が歓喜していたからだ。
いつの間には部屋の中心に見知らぬ女が、うんざりと顔を歪ませて突っ立っていのだ。
「役立たずで気持ち悪い女。生まれ変わってもひん曲がった性根は治らなかったみたいだな?」
「……ぅあっ……うぅっ……うっ……」
彼女は真黒な風貌をしていた。
肌は外の雪のように真っ白なのに、それ以外は全部黒。
床まで届くような長い髪は夜の海のようで飲み込まれそうだ。身に纏っているゆったりとした法衣も強く照らされて出来た影よりも深い漆黒に染められている。
灯りをつけずにいた薄暗いこの部屋の中で、特に彼女の持つその黒色は周囲の光を吸い込むかのように、より濃く存在を主張していた。
その黒……瞳孔の確認できない黒真珠みたいな2つの瞳は、あの女みたいな冷視を私へと向けてくる。
「……ぁっ……ぁぁっ……」
光の灯らない双眸に射抜かれた私は激しい悪寒と極度の緊張に苛まれ、横たわったベッドの上で異常なほどの痙攣を起こした。
誰か、と助けを呼ぼうにも声は枯れたかのように出ない。呼吸すらままならない。
それでも、私の目は彼女の目と重なり合ったまま剥がれることはなかった。
だって、彼女はあまりにも神秘的だったから。
この世の不吉を集めた悪魔のような印象を懐くのに、彼女はそれでも……美しかったから。
きっと、この人は神様か何かだ。
どんなに身体が拒絶反応を起こそうとも、私はこの目が潰されるまでは彼女から目を離すことはやめなかったと思う。
それだけ私は彼女を畏れてなお、魅了されていた。
黒い女は動けないまま蹲っている私に近寄ると、私の髪を乱暴に掴み上げた。それでも私の目は釘を打ち付けられている。
そして、まるであの時の再現とばかりにため息を混じらせながらそっと耳元で囁いた。
「なあ、そんなどうしようもなく最低なお前にオレがもう1度チャンスをやるよ」
そう、悪魔のように笑って……黒い女は私にあることを教えてくれた。
そこで、ようやく私の目は瞬きを覚えた――。
(……この城の地下にそんなものが?)
そのチャンスをつかむ方法とやらは黒い女が口頭で説明せずとも、私の額に手をかざしただけで流れるように頭の中に入ってきた。
地下に封印されている化け物とやらの魔力を代用して魔石を精製する。
その後、今の自分の意志を生み出した魔石に込めて、3度目の私として生まれ変わる、ということだ。
「じゃあ、よろしくな。期待してるよ」
期待している。それだけの言葉で私は振い上がった。
そして――気が付けば私はなんとか魔石を生み出すことに成功した。
◎
まるで時間を飛び越えたかのように私は自分が作り出した魔石を抱き抱え、その地下室で王とその臣下たちに囲まれながら倒れていた。
そこまでの過程を私は記憶しているが、本当に一瞬のことのように感じた。
結界であろう透明な球体を軽く突っつけば、それはあっさりとひび割れ、空いた隙間から紫色をした魔力が決壊したダムのようにいっきに溢れだした。
その大量の魔力を浴びながら魔石精製を開始し、私は自分の身など気にせずに魔石を生み出した。
魔石を精製した後、暫く気を失っていたらしく、目を覚ますと……と、今の取り囲まれた状況へ戻る。
これが危篤と呼ばれる状態か。
他人事のように思いながら、残り僅かな余命の中でもまったくと不安を感じることはなかった。
むしろすぐにでも息絶えて、自分が作り出した新しい命に宿りたいとさえ望んでいた。
朦朧とする意識の中、駆けつけてきた家臣の1人に封印を解除したことを問い詰められたので、私は偽ることなく素直にそうだと答えた。
そして、真っ白な髪になった夫、ラクリュマ王へと最後のお願いをした。
この子はあなたの娘。この魔石を大事を育ててほしい……と。
1度たりとも夫婦としての行いなどしていないのに、馬鹿げた話だなと思いながら彼には自分たちの子供だと魔石を託した。
彼は勿論、いつも通り嫌がることなく誰の願いだって聞きとげてくれた。
(ああ、これで思い残すことはない……)
私は魔石を形ばかりの夫に託すると、直ぐに息を引き取った。
(これも全部自分のため。新しい私の魂が入る器のため……)
私は……意識が消える最後の時まで、誰よりも幸せになるため――。
◎
――な~んて、ティアを生み出した女の浅ましい残留思念は今もこの身体に宿ってるんだ。
馬鹿な女。
周りの環境のせいにしてばかりで、いつまでも被害者ぶってさ。
自分から変わらなきゃ何にも始まらないって言うのね。
人付き合いが苦手云々よりも、そんなねちっこい性格だから誰もあんたと関わりたくなかったんだと思うよ。そこで容姿がどうこう言いだしたら目も当てられないわ。
あんたなんて引き籠る前から地味が服を着て歩いてるような影の薄い女じゃん。
別にクラスで浮いてないし、それどころか無色透明でいるのかもわからないようなやつに見えたけど?
ここはむしろ、透明なあんたをわざわざ見つけて、相手にしてくれてた暇な女たちに感謝してもよかったんじゃないの。
ま、ワタシなら絶対にこの馬鹿女なんかは相手にしないけどね。
こんな自分の得にもならないやつに関わるなんて時間の無駄だ。
(まあ、そんな
それも彼女は何も知らなかったことかな。
その与えられたチャンスとして示された魔石精製も、オレっ娘プレイヤー……黒い女に、誰よりも特別な存在としてこの世界に生まれることをワタシが願ったことで作らされたということを。
(そう、彼女はワタシの今の身体を作るために騙されて、喜んで命を捧げたの!)
きっと幸せだったと思うなあ。幸せになるために死を選んで、幸せになるって疑うことなく死んでいったんだ。
きっとこれが彼女にとっての最高の幸せに違いないよね!
これにて、めでたしめでたし。
(ふふっ、なんてね……本当に、馬鹿な女。身の程知らず。浮かれて羽目を外し過ぎた愚か者)
いっそのこと最初から最後まで村娘のままでいたらこんな惨めな死に方をしないで済んだっていうのにね?
ま、この馬鹿女がいなかったらワタシがティアとして生まれることは無かった訳だけどさ。
……ワタシはそんな安っぽい幸せはごめんかな。
忌々しい彼女の記憶が受け継がれていることだけが欠点だけど、この身体は大勢の国民を犠牲にして作られただけあってとても素晴らしいんだ。
昔のワタシも最高に可愛かったけど、このティアの身体は以前と同じ愛らしさを兼ね備えてなおそれ以上だ。
身体中のどこを探してもホクロの1つもなければ無駄な体毛も一切ない。
大小様々な怪我を負っても完治してしまえば傷痕なんて全くと残らないでツルツルのまま。
どんなに偏食をしても変な肉がつくことは一向に無かったし、魔人族という長寿の人外に生まれたことで老いとはほぼ無縁!
さらに、ノイターンの力を得てからは“永遠”に生き続けることも可能となった。
欲を言えば、あと3年は成長してから時間を止めることが出来たらもっとよかったけど、こればかりは仕方ないと涙を呑んでいる。
力を得たあの日に行動を起こしていなかったら、ワタシの身体はノイターンの封印に使われて消えていただろうしね。
時間の停止を代償にしつつ、おかげで実の父親と呼んでもいいノイターンの魔力は私の身体にしっかりと馴染んでくれている。
最初はあまりの膨大な量にコントロールを失いかけたことが度々あったが、それもシズクくんを受け取りに行く直前までには大方の制御は出来るようになっていた。
よく使う魔力の腕も今となっては自分の手足のように1本1本自由自在に操ることもできる。
「……レティア様ぁ~どうしたんですかぁ? ぼーっとしちゃって、考え事ー?」
「……ううん。なんでもなーい! ちょっとだけ昔のこと思い出してただけだよ! それで、ヒューくんは何か用があってきたんじゃないのかなー?」
「あ! そうだ。ほうこくしまーす! もうそろそろゲイルホリーペの人たちが到着する時間ですよー」
「はーい、了解りょうかーい! じゃあいいところで切り上げようかなぁ……そだ。今日来るお客様のおもてなしの準備は出来てる?」
「あ、ごめんなさーい! すっかり忘れちゃってました。てへっ、今すぐコックさんたちに伝えてきまーす!」
「……」
自分でそういう風に作った癖して、舌を出してぶりっ子みたいに謝るこの子にイラっとする……この子も煩わしくなってきた。
(だめだめだめ。みんな全然だめ。全く役に立たない)
この2日、地下に置いてきたシズクくん不在の穴を、残った近衛のうち比較的マシな青髪のフルオールくんに埋めてもらったけど、彼は嬉しそうに後ろに着いてくるだけで邪魔にしかならない。
魔力制御もシズクくんよりも遥かに劣ってるから、言われるまで暖気してくれないし丁度いい温度を保ってくれない。
(シズクくんならワタシが言う前にやってくれるのに……ワタシよりも先に気付いてくれるのに……)
ノイターンの力で孵化させてあげたっていうのに、誰1人としてワタシの望む水準に行かないってどういうことなんだろう。
(そんな出来損ない達よりも今は……シズクくん……大丈夫かなぁ……)
はぁ……と思わず、ため息を吐いた。
地下での魔力の継承は直ぐに終わると思っていたのに、かれこれ2日が経っちゃったよ。
もしかして、失敗しちゃったかな……とワタシは直ぐに首を振って嫌な考えを追い出した。
「レティア様、どうかされましたか?」
「……あ、ううん。なんでもないよー」
「そうですか。それなら結構」
何が結構なんだろう。
いつもならシズクくんの定位置であるそこに代理で立ち続けるフルオールくんがワタシの心配をして声を掛けてきたが、これもなんだか煩わしい。
シズクくんならもっと前に気遣ってくれるし、時には空気を読んで黙々とワタシを見守ってくれるんだ。
「ねえ、ちょっと1人で作業したくなったから、外に出て行ってもらえる?」
「……はっ」
シズクくんとならこんなこと一切なかったのに、うっとおしくなってきたのでフルオールくんを部屋の外へと移動してもらった。
そして、彼の姿が部屋のドアから消えた途端、ワタシは向かい合っていた書類ごと机の上に突っ伏した。
(やっぱり、シズクくんだ……ワタシにはシズクくんが必要なんだ……)
そのまま、ころころと今まで握っていたペンを指先で弄びながらシズクくんのことを考えてしまう。
(ワタシはね、ずっと探してたんだ……)
ノイターンの力を奪い取ってからのこの数年、自分と平等な関係を築ける相手を。ワタシの支配から逃れてなお、ワタシを愛してくれる相手をずっと求めていた。
(それがキミ、シズクくん……)
でも、最初は候補の1人でしかなかったんだ。
(……けれど、やっぱりっていうかね。この10年、キミ以外の候補者は結局見つからなかったんだ……)
別に最初から自分と対等な相手を探していたわけじゃない。
ワタシ1人がこの世界を自由にすることが出来るって優越感はとても最高だった。
けれど、ワタシは飽きやすい。
自分で仕出かしたとしても、次第にワタシ1人だけが特別で、ラヴィナイ近郊しか自由にできない足枷があってもまったくと障害もないこの世界を変えたいと思った。
別に今かけている魔法を解けばいいって話じゃないの。
ワタシはやっぱり誰からも好かれたいし、この世界中の人間がワタシを愛する状況はとても手放し難いんだ。
だけど、そんな世界でもワタシと上下関係もない状態でなんでも言い合える……こんな下僕だらけの世界で唯一対等になれる存在を、いつしかワタシは欲した。
その候補者の1人として選ばれたのがシズクくんだ。
(だからこそ、彼にはワタシと対等になってもらうために、この城の地下に封印されていたノイターンの力を与えることにしたっていうのに……)
でも、その力を受け入れられなかった場合は、逆にその化け物の餌食になって取り込まれちゃう。
この2日、反応がないってことは、つまりそういう状態になってしまっているんじゃないか……けど、それを自分の目で確認するのが嫌で、ワタシはずっと待ち続けた。
(いいや、大丈夫! このワタシに黙って魔力を奪い取っていたシズクくんにはノイターンの力を手にするには十分な資格がある!)
もう彼の身体の大半はワタシを通してノイターンの力に馴染んでいるはずだ。
(でも、もしもキミが失敗したとしたら……)
……そしたら、ワタシは再び代わりのキミを探し始めよう。
また何年でも、何十年でも時間をかけて、ワタシはワタシの新たな特別を探していくことになるだろう。
けど、やっぱりワタシはキミが力を得てほしいって思う。
あのお父様を含め、数百人がかりでやっとこさ取り押さえたという化け物の力を、シズクくんが手に掴んでほしいと思う!
(会いたいなぁ……シズクくんに会いたいなぁ……)
お父様から譲り受けた大きな机に頬杖を突き、ワタシはまたため息を吐いていつまでもいないシズクくんのことを考えてしまう。
いつだってシズクくんはワタシのすぐそばにいてくれて、いつだって気を利かせてくれた。
彼はワタシのことをいつだって第一に考えてくれていた。
今まで付き合った男たちはワタシがちょっと他の人と仲良くしただけで直ぐに怒り出す人ばかりだった。
ワタシはひとりだけじゃなくて沢山の人と仲良くなりたいのにね。
ただ、シズクくんは他の人たち仲良くしても何も言わない。ワタシは迎え入れてくれる。ワタシがしたいことを全て肯定してくれる。まるでお父様のような人だ。
けど、あんな人の皮を被った機械のような男とは違って、しっかりとシズクくんは感情を晒してくれる。
シズクくんの悲しそうな反応を見る度、ワタシも悪いことしちゃったなぁと反省するけど、やっぱり人から愛されることはやめられない。
ワタシは多くの人から愛されたい。
特別なたった1人では物足りない。
ありとあらゆる性別を超えた、多くの人からいつまでも愛され続けたい。
その気持ちは今も変わらないまま――けれど、今のワタシは彼1人へと気持ちが揺れ動いている。
昔から変わってないはずのワタシが、今はシズクくんただ1人を思ってため息を漏らしている。
恋しくてたまらないよぉ、と。早くシズクくんに会いたいよぉ、と。
「つい赤ちゃんつくろなんて言っちゃったけど……きっと、本心かもね」
あの時は思わず口走ってしまったけど、自分の子供を作ろうなんて気は全然ない。
いつかはそんなことを思う時が来るかもしれない。けど、それはきっとまだまだ先の話……なんだけど、今もしもこの場にシズクくんが現れたら、いつもの時間なんて気にせずこのまま彼に抱き付いて甘えちゃいそうだ。
まあ、ワタシもシズクくんも魔石生まれだからこういうことをしてもきっと子供は出来ないだろう。
これからもワタシは気に入った人とは身体を重ねたい。
ただ、今に限ってはシズクくんと激しく求め合いたい。
いつもはワタシが気持ちよくなったらさっさと切り上げてたけど、今度はシズクくんがたぁっぷり気持ちよくなるまで好きにさせてあげようかな。
(……でも、シズクくんは魔力が欲しいだけかもしれないから、ワタシが気持ちよくなった途端自分から切り上げちゃうかもね?)
……なんてくすりと笑う。
「作るなら男の子かなぁ……」
ただ、魔石生まれだとしてもワタシはもう子供の精製方法は知っている。
魔族は子供が出来難いって話は生身の人たちだけの話だ。
ワタシたちはそんな枠組みから外れた選ばれた存在で、しかもノイターンの膨大な魔力を持ったワタシは殆どノーリスクで子供を授かる……いや、魔石を精製することが出来る。
(女の子だと自分の娘でも嫉妬しちゃいそうだけどね……)
あー、けど、どっちの性別でもシズクくんとの子供ってだけで、今のワタシは心から受け入れちゃいそうだ。
「うぅ~! シズクくぅん! 早く帰ってきてぇ~!」
きっと彼は大丈夫。
身悶えながらシズクくんが1秒でも早く帰ってきてくれることを、今はただ心から願ってばかりだ。
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