第226話 まさかの彼らと出くわす日
ぱち、と音を立てて火の粉が小さく舞う。ゆらりと燃える炎の中へ僕は新たな薪をくべた。
手にはレティお手製のマグカップに湯気を立てるコーヒーだ。
深く焙煎した――実は焦がし過ぎて失敗した渋みの強いコーヒーを楽しむという寝る前のちょっとしたひと時に、僕は分厚い毛布を被って1人焚き火をじっと見つめる。
つい先ほどまで僕は洗い物に追われていた。フライパンにこびり付いたコゲに悪戦苦闘。なんとか綺麗に削ぎ落としやっと一息だ。
ちなみに今晩の食事当番はレティだった。
当初は危なっかしい手付きにハラハラしながら近くで作業を見ていたけど、最近は座って見守れるくらいにはレティの腕も上達もした。味の方も僕やルイと同じ料理を作ってるはずなのに毎回違って楽しいんだ。
「ふぅ……今日もお疲れ様でした」
リコは夕食が終わると直ぐに見張りに行くとここから去ってしまったし、僕が後片付けをしてる間に2人には先に汗を流してって――おや、どうやら戻ってきたみたいだ。
「シズクおまたせー」
「うう、さむさむっ」
「2人ともおかえり。コーヒーあるけどいる?」
髪をタオルで拭きながらほっと湯立った2人が姿を見せた。
いる、と頷く2人が自分のカップを出している間に足元に置いておいたポットに細かく砕いたコーヒー豆と温水を入れて、火球を生み出しては火力を調整しながら温める。
ポットの中が沸騰し出したらコーヒーの微粉がなるべく入らないよう2人のカップへと注ぐ。おまけとレティの分だけお砂糖を2杯、使ったおさじもそのまま入れる。
「ん……ありがと」
「シズクありがとう!」
「熱いから気を付けてね」
カップを持った2人が僕の両隣に座ったので自分が使っていた毛布を広げて肩へとかけた。
ルイはくすぐったそうに微笑を浮かべてコーヒーを口にして、レティは気恥ずかしそうにそっぽを向きながらカップの中のおさじを回し――そして2人同時に僕の肩へと頭を預けてくる。息ぴったりだ。
湯上りの2人からは火の熱とは違った暖かさが伝わってくる。同時に、生まれがどうあれ2人は姉妹なのに全く違うにおいが鼻孔へと届く。
レティは夕方と夜との境界に感じるにおい。
ルイはすっと雨が降った時のにおい。
……しゅんと寂しくなるようなにおいだったり、ほっと安堵するようなにおい。
優しい石鹸の香りとは別に感じる彼女たちのにおいだ。
そういえば、もうずっと昔にルイが僕の体臭について何か言っていたっけ。
あの頃からもう10年くらい経ってしまったけど、じゃあ今の僕はどんなにおいがしてるんだろうか――。
「……シズクからにおう?」
「ん、確かに…………汗かしら? まあ、昼間のアレで汗だくのままでしょ。火の番変わるからあんたも早く汗流してきなさいよ」
「――…………はい。そうしてきます」
なんだいなんだい。汗くさいってひどいや。
良い気分だったところを軽くぶち壊された気分だよ。
「拗ねないでよ。ぼくは別に嫌いってわけじゃないからね?」
「わたしも嫌いじゃないわ。……けど早く行ってきなさい」
「嫌いじゃないけど別に好きってわけでもないんでしょ!」
いや、これで好きだって言われても反応に困る……って、これも前に思ったことだし!
もういいよ、と言いたいことは残っていたコーヒーと共に飲み込んで2人の間から立ち上がる。
すると2人は事前に打ち合わせていたみたいに僕がいた隙間を埋め、毛布も2人で引き寄せて丸まった。はあ、本当に息ぴったりだよ。
「さっさと行く! ほらほら!」
「いってらっしゃーい」
してやったりとばかりにほくそ笑む2人を尻目に苦笑いを残しつつ、収納ボックスからタオルを取りだして行ってきますと肩越しに手を振った。
「まったく……どこであんないたずらを覚えたんだか……ふあっ、寒いっ!」
野営から少し離れた岩陰へ向かい、そそくさと服を脱ぎ、ぞくりと背筋を震わせる空気に身震いを起こす。
急いで裸の自分へと水魔法で生み出した温水を被って今日1日の汚れを落とした。
流したお湯はそのまま地面に吸わせるような真似はせず、水の硬化魔法のようにかけたお湯を首から下へ、身体に纏わせて擦るように身体を撫でる。
「はぁ……あったかぁ……」
こんな水が希少な場所でふんだんに使えるのは魔法が扱える僕らの特権だ。
出来れば湯船に浸かってゆっくり足を延ばして休まりたいと思うけど、流石にそれは贅沢か。
「……魔法が無きゃ僕らはこんな楽しく旅なんて出来やしなかった」
指1つ振るだけでぽっと火は起こせる。移動中の馬車の中は空調を利かせて暑さを和らげられる。薪だってルイの木魔法で生み出した樹木を風や水魔法で乾燥させて作ったりもできる。
今の僕らは本当に魔法が無ければ生きていけない。
時折襲ってくる魔物の大半が苦もせず倒せるのだって全ては魔法のおかげだ。
「……運がよかったんだ」
括っていた髪を解きながら思わず呟く。この言葉を吐くのは何度目だろう。
「本当ならもっと大変で……いや、いいんだ! 別に運が良いとかそう言うんじゃない!」
気が引けている僕を頭から温水を被って消し去った。
やっと肩ほどまで伸びてきた髪を振り回して湯を散らす。
嬉しいやら悲しいやら、複雑な気分になりながらも再び長くなった髪にお湯と指を通してさっと流した。
十分に身体も温まってきたところで、一張羅である普段服も洗うことにした。服に染み込んだ汗も流しておかないと後で何を言われるかわからない。
「……水洗いになるんだけどね」
実は洗剤の類を買い忘れてしまっていた。多少の控えはあるが、それはルイとレティに優先して使ってもらっているので、僕は身体も服も水洗い。
手で揉み込み、そそいでばっと水気を切る。
風魔法で作った熱風の渦の中へと放り込んで瞬間乾燥だ。
「次は絶対忘れないようにしないとね……」
湯を浴び服を洗っているこの間、僕はお湯を身体に纏わせてるだけの全裸もいいとこだった。
たとえ月や星の光が注がれた闇夜であっても、ただっぴろい荒野で誰にも見られてはいないとしても、やっぱりまっ裸は恥かしく感じるものだ――ん、誰っ!?
「……っ……わ、リコかぁ」
物音が聞こえて反射的に指輪に手を添えながら顔を向ける。
魔物かと思ってほぼ全裸のまま身構えたけど……そこには夜に紛れたライオンの姿になったリコがいた。
「もぉう、リコぉ……びっくりしたなあ! おーい!」
「……」
覗き見ないでよーと手を振ったんだけど、リコはさっと姿を消してしまう。
反応の1つくらい見せてもいいのに。
そう思いながらも、リコは今見回りの最中だ。余計なことをして緊張を削いじゃいけないか。
人気のない荒野だとしてもどこに魔物がいるかはわかりやしない。
けど、こんな場所でも安心して眠れるのはリコが毎晩こうやって見張りをしてくれているおかげだ。
今だって僕を魔物だと思って近づいてきたのかもしれない。
でも……。
「……なんだろう」
ちらっと見えたリコに僕は違和感を覚えた。
しかし、今の僕は首を傾げる程度で済まし、その違和感はあっさりと消えた。
「うぅ……寒い……」
身体に纏わらせていたお湯も時間が経てば徐々に熱は下がっていく。ぬるま湯となったお湯を身体から剥がし、岩の上に無造作に置いておいたタオルで手早く身体を拭く。
直ぐに乾いたばかりの服を着こんで2人のもとへとそそくさと戻った。
「あ、おかえりー」
「どう? さっぱりした?」
「おかげさまでね」
おかえりと今度こそ歓迎される形で迎え入れられたけど、ぴったりと肩を寄せ合って毛布に包まったルイとレティはまったくと動こうとはしない。
僕の座る場所を作ってくれる気配はまったくとない。
僕の居場所なんて元からなかったように……。
また意地悪そうに笑う2人に唇を突き出し、焚き火を間に彼女たちの前へと腰を落とす。
今度は声を上げてくすくすと笑いだす……もう、いいよ!
ふん、と首を背けてへそを曲げてるフリをして、近くに転がっていた薪を焚き火へと放り上げた。
「も――仕方ないわねぇ」
「うんうん、仕方ないねぇ」
と、2人は毛布を羽織ったまま、僕の両隣にどすんと座り直してくれる。
そして、2人して毛布と一緒にぎゅっと両側から抱きしめてくれた。
「どう? シズクあたたかい?」
「当然よね。わたしたちに温められてんだから」
「……うん。ふふっ、ありがとう」
ここまでされたらフリであっても拗ね続ける意味もない。
小さく息を吐いてから毛布の下で2人の手を握り、2人の体温に身を任せた。
◎
ゆらりふらり――3人横に並び、焚き火を前にしてささやかな時間を楽しむ。
町への移動中は変わり映えしない日々になることが多い。そのため話題も今晩の夕食についてなんてこれまた変わり映えしない話題ばかりだ。
だけど、1日無事にレティとルイ、大切な2人と過ごせたことを実感できるこのささやかな時間は僕にとって大切で愛おしい時間だ。
ただ今日は昼間の件もあってその大切な時間はいつもより賑やかなものになった。
昼間に助けたあの人たちは渡り歩きの旅芸人らしい。
2頭の馬車で牽くほどの大きな馬車の中はそういった芸に必要な小道具や、亜人族を含む多くの団員が乗っていて――団員たちから感謝されながらもそう紹介された。
ジャグリングやナイフ投げ、綱渡りといった曲芸だけではなく、演劇も行うらしい。彼らは芸人でありながら劇団員でもあると言うことだ。
もし機会があれば見てみたいなぁと思うが、もう会うことはないかも……とお互いに言わずともまた会えることを願いながら別れた。
「きっと機会はあるよ。だってぼくたちが旅に出れるのはこれが最後って訳じゃないんだからさ」
「そうね。いつかユッグジールの里に来てもらえるかもしれないでしょ」
「あ、そっか。里に来てもらえばいいのか。あの人たちに伝えておけばよかったかなぁ……」
ついでに
僕やルイのペンダントに使われている銀っぽいけど、魔力を通した時の感触が全くと違うらしい。
「金にしたら色合いは白銀色だし……ん、まさかプラチナ?」
「プラチナはわたしでも練成できないわね……」
「え、プラチナって何? 珍しいの?」
もしもプラチナだったら高く売れるんじゃないか……って、僕らはこの世界での鉱石の価値なんてまったくと知らない。
売るかどうかは僕が好きに決めてもいいと言われた。
(もしもの為のへそくりに……いや、そもそも売れるかどうかもわからないか)
あまり期待はせずに懐に戻した。
そして最後に、僕らをうーんと悩ませたのは旅芸人である彼らから聞いたとある話だった。
「ねえ、お昼の人たちの話信じられる?」
「……不思議なオアシスのこと?」
「このあたりを動き回っているんだっけ?」
彷徨うオアシス。徘徊するオアシス。うろつくオアシス。
他にも生きた、幻の、迷子……等々、色々な呼び方があるそうだけど、その旅芸人たちは最初に上げた“彷徨うオアシス”と言って教えてくれた。
テイルペア大陸にはまるで意思を持つように移動するオアシスがあるそうだ。
そこに彼らは立ち寄り、小休憩を取って出発した矢先に踊り岩に追いかけ回されたと聞く。
最初はまったくと信じられなかったけど、日中の茹った頭とは違って平常に戻った今ならば魔法があるこの世界ならあっても不思議じゃないかなって思う。
「もしかしたら岩や水みたいにオアシス自体がひとつの魔物なのかもしれないね」
島だと思っていたら実は巨大な亀の甲羅の上でした、なんて物語だってあるしね。
そんなことを言ったらレティが小さく笑って――。
「……待って」
今までの空気から一転した冷たい声をルイが上げた。
笑っていたルイの顔がひしりと緊張に強張らせ、僕らは黙って同じように緩みを解いて口を閉じる――音が聞こえた。
ぱちぱちと焚き火から火の粉が舞う中、砂利が転がるような足音が聞こえる。
僕とルイは同時に音の出所へと顔を向け、遅れてレティがそれに続いた。
――魔物か。
暗闇へと睨みを利かし腰を浮かせていつで動けるようにする。
剣は近くに無いから、ゆっくりと指輪へと手を伸ばし、いつだってナイフも銃も出せるように身構える……けど、それは杞憂だったと僕は直ぐに腰を落とし、
「……なんだ……リコか――」
暗闇から姿を見せたのはさっきと同じくライオンの姿をしたリコだ。
……と、ほっと胸を撫でようとした――その時。
「――待ってシズク!」
「……っ!?」
ルイの制止に僕は言葉を失くした。
緊張を解いてからの不意打ちじみたものを食らった気分だった。
真っ白な体毛の上に赤いたてがみを立派に生やして、どこからどこを見てもリコだと思っていたもの――それは彼女じゃなかった。
「な、なに……」
目の前にいるそれは頭の中に思い描くリコよりもやや大きく感じ、角ばった身体つきをしている。
リコとは違ってその顔つきは険しく見える――冗談を言える状況じゃないことはわかるけど、言わせてもらえば動物の顔の違いなんてわからない。
最近のリコはずっと女の子の姿だったこともある。さらにリコがライオンの姿になるのは見回りに行く時くらいだった。
それでも、わかる。
長年一緒だったリコだからこそ、今姿を見せたここにいるライオンがリコとは別人……別獅子の顔をしていることはわかる。
そして、もう1つわかった。
僕らの前に姿を見せたこれが、本当の……。
「こ、これ……リコちゃんの……」
「う、うん……」
「野性のクレストライオンだ……」
クレストライオン。
腕に覚えがある冒険者でも出会えば死を覚悟して立ち向かわなければならない程の凶悪な魔物。
僕らが元々いた世界のライオンのよりも強靭な肉体を持ち、その表面に覆うのは刃物や魔法を通さない特殊な体毛。一振りでどんなものであろうと切り裂くツメ。大きく鋭い顎に噛みつかれようものならば簡単に肉を削ぎ落される。
全ては聞いた話であり、以前のリコの戦いっぷりを直接僕やルイは自分の目で見てきた。
さらに以前のリコよりも大きく成熟した身体は僕ら3人を乗せた重い馬車を牽いてくれる愛馬のマロとどっこいどっこいの大きさだ。
「……これは、拙いんじゃないの……」
「拙いも何も……うん」
「……レティが良く言うヤバイってやつかな?」
更にクレストライオンはその1頭だけではなく、闇夜の中から音もなくぞろぞろと姿を見せてきた。
目に見えるだけでも10は越えている。
彼らは唸り声1つ上げることなく、粛々と野営をしている僕らを囲っていた。
以前も何度か魔物たちに囲まれる経験はあった。
1番最初はグリー森のウルフから始まり、スライムや集団が当たり前の昆虫類とか。ルイも相当無茶した時期があって四つ手ゴブリンと呼ばれる魔物も倒したと聞く。
けれど、これはそんな雑魚とは比べられるものじゃない。
元々クレストライオンはテイルペア大陸に生息しているとは聞いていた。
けど、彼らはもっと人の入らない大陸の奥地に潜んでいて、遭遇すること自体が稀だって話を聞いていて……いや、クレストライオンに遭遇するなんて考えは全くと頭から抜け落ちていた。
彼らであったリコが近くにいたことも危機感を薄めていたのだと思う。
「2人とも……いい?」
「え、ええ……」
「……うん」
ざらりと肌を突くような空気を感じ取る。僕は毛布の上から2人を庇うように手を広げる。
妙な行動を起こそうものならば一斉に躍りかかってきても不思議じゃない。
それなのにクレストライオンたちはまったくと、威嚇の様な唸り声も上げずに淡々と僕たちを見据えていた。
まるで作り物の石像みたいに、身動ぎ1つも見せない。
「し、シズク……」
いつもとは違ってレティが珍しくか細く不安げな声を上げて僕を見た。
「……」
ルイは何も言わず、ただ赤い目には決意とも取れる感情を乗せて僕を見つめた。
僕もルイと同じ目をしてルイを見て、心配しないでとレティとは真逆の顔をしてレティを見る。
最後に、覚悟を決めた胸の中で、1つ願いを込めた。
僕の願いは1つだけだった。
2人の無事。これに尽きる。
例え自分の身を犠牲にしてでもルイとレティだけでも生き延びてもらう――僕が囮になっている間に2人は逃げてほしいくらいだった。
リコがここにいないことに戦力不足を感じる。
もしもリコがいてくれたら昼間の様に纏って、多少は無茶も出来ただろう。
しかし、いないものは仕方ない……いや。まさか?
(もしかしてリコは先にやられ……いや、もしもリコがやられていた場合僕の中に戻るはず……いや、戻るのか?)
トーキョー湾に出てきた戦艦の上での話だ。
あの時は身体の半身を失ってもただ寝そべるだけで僕の中に戻ることはなかった。
(……いや、あれは僕を鼓舞しようと留まり続けたのかもしれないけど……くっ、やられたら戻るなんてどうして思い込んでいたんだ)
……さらに距離が離れた状態でリコが倒れた場合はどうなるのかも僕は知らない。じゃあ、リコはまだ無事かと言えばどうかわからない。
どちらにせよ、何とでもして今はこの場を切り抜けるしかな――…………ん?
「……なっ……どういうことよ?」
僕らを囲っていたクレストライオンの、最初に姿を見せた1頭がこちらに背を向けてゆっくりとした歩幅で歩きだした。
そして、数歩ほど歩いてからこちらを向き、意味ありげにこくんと頷く。
「……ついてこいってことかな?」
「……ぼくたちを襲わないの?」
未だに僕らを囲っている他のクレストライオンたちは微動だにせずこちらを見つめ続けている。
無数の目に監視されながら僕たち3人も目を合わせ、渋々と頷くしかない。
人とは違う感情の乗らない不気味な視線に囲まれている中、僕らが取れる行動なんて彼らに従うだけだった。
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