第104話 恐怖よりも怖いもの
滑る甲板に足を取られながらもあちらこちらへと魔法を放っていく。
火球をぶつけ、氷で凍らせて、雷を落とす。
やれることはなんでもやった。
僕が魔法を発動するたびに、学園にいる人たちの歓声がどっと沸く。
けれど、彼らの熱い声援とは裏腹に僕の心境は荒んでいく。
「くそっ、なんだって……はぁっ!」
こんな滑りやすい場所で戦わなければならないなんて思ってもみなかった。
「……早く行け。もっと早く!」
足場の悪い環境からか、思うように動けない自分の身体に次第に苛立ち、心に負担と不安を募らせていく。
「っつ……」
アサガさんが与えてくれた光の障壁があるとは言え、それが完璧でないことを行動中に聞かされた。何度まで砲撃を受けきることが出来るのか。それはアサガさんもわからないと言う。
大体、こんな場面で使うことを想定してないものだ。もともと生徒の魔法を外に漏らさないために学園に張られている防壁の応用でしかないのだから。
のろまな僕は結構な頻度で砲撃を受けている。
少しの時間で直るとはいえ、光の壁にヒビが入るたびに僕の心も同じ様にヒビが入る。光の壁に攻撃がぶつかるたびに、僕の心のヒビは直ることなく広がっていく。
……恐い。
自分が出来ることをやればいいなんて息巻いたくせに。増える心のヒビに怖気づいてしまう。
機銃は狙いを完全に僕に絞ったらしい。
あんなにもレティを攻撃させたくないと思っていたのに、いざ自分に矛先を向けられ続けていると、気が気でいられなくなる。
何度も何度も、僕へと放たれる砲撃はすっかり僕の心をすり減らした。
「くぅ……こっちに向けるな!」
もうやめて、とこちらを向いた機銃へと僕はかれこれ何度目になる火球を放った――けど。
――魔法は使用者の心の持ち方ひとつで姿を変える。
以前、師であるラゴンに言われたことを思いだす。
今、僕が出した火球は僕の心の弱さを映し出したみたいに弱々しいものだった。それも、平時の僕がいつも出していた火力の1割にも満たないもの。先ほどまで出していたものの3割ほどのものだ。機銃には傷すらつけられない。
「な、な……なん、で――……ひっ!」
弱々しい火力を見た時、僕の心がすっかり折れていることをようやく知った。
そして、知ったことで尚更、自身で心を追いつめる。
攻撃した機銃がこちらに銃口を向けた時……パニックを引き起こしてしまった。
「――やだ、やだよ! もう、やめて!」
物陰に隠れながら、慌てて銃にすがった。
狙いも無く恐怖を向けてきた相手に引き金を引く。荒れ狂う極寒の暴風が吐き出される。
「あ……ああっ!」
撃った姿勢が悪いのか元々悪い足場のせいか、僕は銃の威力に身体を掴まれその場で転げてしまう。おまけにすがっていた拳銃すら手放してしまい、あらぬ方向へと転がっていく。
我を忘れて拾おうと物陰から出た時、まるで狙っていたかのように無数の銃弾が僕へと降り注ぐ。
思わず目を見開いて、機銃の咆哮を真っ正面から浴びてしまった。
「……っ!」
衝撃音が耳を叩き、体を揺さぶる。
怪我はない。アサガさんの防壁が守ってくれたから。
でも、傷を受けた。
まじまじと見てしまった――目前に訪れていた死を、直接。
身体ではなく心を撃ち抜かれた気がした。
脚が震えた。腰はとっくに抜けている。しゃがみ込んだまま、足が上がらない。
もう動けない。
(無理だ……僕には無理だよ! 恐い、恐くて仕方ない!)
『シズクくん! 早く退避しろ! 防壁は何度も絶えれるものじゃない!』
『おい馬鹿野郎! 野花ちゃん! 何してんだ! 立て!』
アサガさんからの呼びかけが聞こえる。サイトウさんの叱咤が聞こえる。大勢の生徒の激励が僕に投げかけられる。だけど、僕には一切届かない。
目を閉じて頭を抱えて蹲る。パリン、パリンと割れるかのような音が聞こえた。
それでも僕はただ蹲って震えるだけ。
(ごめんごめん。みんな、ごめん。僕には、僕には出来ないよ……こんなの無理、無理だって助けて。誰か、怖いよ。恐――)
「シズク!」
突然、名を呼ばれ、頬に痛みが走る。ぴしゃり、と頬をはたかれた。
痛む頬に顔を上げるとそこには僕がいた。
髪を降ろし、ちりちりと火の粉をまき散らした僕――リコだ。人の姿になったリコがいた。
「シズク! だめ! 死んじゃう! 立って! 逃げて! 早く! 早く!」
「り、リコ……でも、僕……僕は……」
砲撃が向けられる先に僕とリコがいる。
リコを認識した時、僕の心が僅かに軽くなる。リコの恐怖は今の僕には無い。
なのに、心に余裕が出来たはずなのに、僕は未だに立ち上がれずにいた。
リコはいないのに、リコを引きずったままの駄目な僕が未だその場に蹲っていた。
「1人で抱え込まないで! リコも一緒にいること忘れないで!」
「リコ、でも、僕、僕っ、嫌だ! 怖いよ! 怖くて嫌、嫌だ――」
「見て! 空を! ほら!」
「いや――……っ!」
リコに言われて、リコに顔を掴まれ無理やり僕は空を見上げた。
空は先ほどから変わらず紫色に輝くカードと紙飛行機が攻防を繰り広げている――その奥だ。
鳥がいた。
彼女がいた。
レティがいた。
「レティ……」
僕が見ていることに気が付いたのか、鳥の顔が僕へと向いた気がした。
違うのはわかっている。鳥はそのまま真っ逆さまに滑空して戦艦へと落ちていく。
そして、目の前の僕を狙っていた機銃に穴が開いていく。鳥から放たれた閃光に撃ち抜かれたみたいだ。その後、鳥は即座に浮上してまた空へと昇っていく。
上昇しようとした時、きょろきょろと見渡している彼女の顔が見えた。
とても険しい顔をしている。何かを探している?
僕、だったら……いいのに。
(ああ……)
膝を立てて腰を上げた。
リコが僕を見上げ、僕はレティを見上げた。
「こんな近くにいるのに……僕とレティは、遠い……」
手を伸ばす。
昨日まで隣にいた彼女を求めてしまう。
届くはずなのに、今この場所では触ることが出来ない彼女をせがむように――。
「シズク!」
「え……わっ!」
レティへと手を伸ばし、気を取られていた時だ。
リコが僕を突き飛ばした。
胸を力強く押し込まれ、倒れた先で咳き込む。
何をするんだ、と喚きそうになったところで僕は目を見開いて、口を開けるしかない。
「……なんで……リコ……リコっ、リコっ!」
「……っ……シズク、大丈夫?」
僕が今までいた場所には横たわるリコの姿があった。
でも、その姿は数秒前とは変わっている――腰から下、半身が消えていた。
慌てて駆け寄ってリコの身体を抱き寄せた。
出血といったものは無い。代わりに失った胴から先は淡い火の粉がちりちりと舞っている。
「リコ! なんで、なんでこんな……!」
「……シズク、怪我はない?」
「ないよ! 無いから! やだよ! リコ! また、また僕はっ……!」
あっちの世界での最後の出来事を思い出す。そして、イルノートに貫かれたリコを重ねてしまう。
言葉に出来ず嗚咽の混じった震え声を上げてしまう。
(また、僕はやってしまったのか?)
リコは感情の乗らない表情で僕を見て口を開けた。
「大丈夫。痛くないから。早く逃げて」
「嘘だよ! だって、だって体が半分無いんだよ! 痛くないはずないじゃないか!」
でも、リコは普通の、ううん。能面みたいな感情の乗らない顔をして僕を見ている。
「痛くないよ。だって、リコの本当の身体はもう無いから――リコはもう死んでるから」
「……っ!」
リコは死んでいるから。
言われて頭を強く殴られたかのような錯覚に襲われる。
もうリコの身体は無い。彼女の身体は僕の怪我を直すために使われちゃったんだから。
「今のリコの身体はシズクの魔力で生み出された仮のもの。だから、大丈夫。痛くない」
「け、けどぉっ!」
「シズク……立って。早く逃げて。ここは危ない。行って」
「行ってって、リコを置いていけないよ! だからお願い! 早く僕の中に戻って!」
彼女は僕を見ながら首を振る。
「だめ。リコが戻ったらシズクまた怖いってなる。リコはいない方が良い。このまま行って。大丈夫。シズクが死なない限り、リコは死なない」
「死なないよっ! 僕は死なないから!」
「シズク、言ってること変。……ねえ、もうやめよ。戦わなくていい。リコ、シズクの辛い顔見たくない。感じたくない。向き合いたくない」
「やめれないよお! 戦わないとみんなが困るんだ!」
「だめ。これ以上、シズクが無理してるとこ見るの辛い」
「そんな、でも……!」
「いいよ。逃げようよ。……リコも一緒に怒られてあげるから」
そう言って、リコはやっと顔を崩す。小さくて、儚い、悲しい笑みを僕へと向けてくる。
虫の息みたいなリコの提案を否定したかった。でも、それ以上言葉が出ない。
……怖い。恐くて仕方ない。正直逃げたくて仕方なかったんだ。
「シズク、あっち……」
リコがゆっくりと腕を上げて指をさした。
それはまだ壊していない主砲でもない。僕らを狙う機銃でもない。空を飛ぶレティでもない。僕たちがいたアヤカでもない。
リコは何もない場所を指さした。
その先は。
(……海だ)
リコの指先は途方もなく彷徨う僕を救う光にも思えた。
魅力的な提案だった。
このまま海へと飛び込んで逃げることが出来たらどんなに楽だろうか。
この場所に立っていたくない。この船の上にいたくない。早く安全なところに逃げないと。
(それで、それで逃げて逃げて。僕は……)
――また誰かを失うの?
誰かが呟いた。
幻聴、確かにそう聞こえた。
誰が言ったのか。ううん、誰だって?
その言葉は誰のでもない、僕自身のものだった。
「……」
そして、その言葉を浴びた途端、恐怖に縛り付けられて暴れていた心が死んだみたいに止まる。冷たく凍ったみたいに。
……思えばそうだった。
「……リコ、戻って。外は危ないよ」
「でも戻ったらシズクまた怖いって」
「怖いよ……でも、だけどさ」
横たわるリコを抱きあげ、優しく包み込む。とても軽い。
壁の奥でさっきから何度も、何度も、僕たちを狙う機銃の声を聞きながらも、僅かに安らいだ心のままに告げる。
「ここでリコを放って逃げるなんて僕には出来ない。僕は嫌なんだよ……恐怖から逃げることよりも、そのせいで誰かを失うことの方がもっと怖くて嫌なんだ。もう、誰も失いたくない」
「シズク……」
僕の願いを聞きとげてくれたのか、リコの身体が粉塵と化して掻き消えた。とても綺麗な火の粉だった。
自分の中へとリコが戻るのを感じ、直ぐ僕は転がる様に走った。
遠くまで行ってしまった銃を拾って、また物陰に隠れて盛大に息を吐いた。銃身を額に当てて目を瞑る。
リコが戻ったことで、ズン――とまた深く暗い気持ちが込み上げてくる。
怖い。
今すぐにでも逃げたくて仕方ない。
だけど、そんな真似は出来ない。
それ以上に怖いことを僕は知っているから。
身の危険に及ぶ恐怖よりも、自分の大切な人を失った時の喪失感はこの場限りの恐怖なんかに比べられないほど怖いことは僕が1番よく知っているから。
――もう、失うのは嫌だ。
――もう、僕から何も奪わないでくれ。
「ぐっ……!」
舌を噛む。痛みで恐怖を抑え付ける。ぺっ、と血を吐いて物陰から飛び出した。
駄目だと思ってもまた機銃に向かって火球を放つ。
でも、先ほどよりは大きなものが出た。傷はつけられなかったけど、発射のタイミングだけはずらすことができた。
「行けっ……走れっ……止まるなっ……」
僕は走る。
走って、足を取られて転んで。直ぐに立ち上がってまた走る。
僕がやらないといけないんだから。
こんな状況で頭がおかしくなったのかもしれない。
気持ちが昂っていくのがわかった。ああ、こんな気持ちだったかもしれない。
僕がルイと一緒にギルドで魔物を狩っていた時の昂揚感。
あの時とはまるっきり状況も置かれている立場も違うけど。
『……リコも何かしないと』
「リコは怪我してるじゃないか!」
『怪我じゃない。身体が無くなっただけ。いける』
「嫌だよ! 魔法の身体だとしても、これ以上リコが傷つくところなんて見たくない!」
『だけどこのまま何もしないままでいたくない。お願い! リコもシズクのために戦わせて!』
「……」
彼女の強い意志が僕の心に流れ込んでくるのを感じた。
僕の中でリコが熱になる。熱く滾っては今にも外に飛び出そうとした。
熱い彼女の想いは痛いほど僕の想いに響きかける。
止められるものじゃない。同じ体にいるからこそリコの意志を閉じ込めておくことは出来ないと理解してしまう。
「……わかった。じゃあ、一緒にいこう!」
『ありがとう! リコも戦う!』
「うんっ、よろし――え!?」
彼女の強い意志が顕著になった、その時。
――それが引き金だったのかもしれない。
きっと、準備は整っていて、いつだって引き金を引ける状態だったんだ。
だけど、その引き金を引くことが出来なかったのは僕の心の弱さのせいだった。
白い少女が僕の中に置いていった熱、その力はいつでも発動できたのに、心の弱い僕は引けなかった。だから引いたのはリコだ。
「ぐっ……ぁがっ……くぅ! でも、まだぁ!」
全身にリコが外に出る時の感覚が襲いかかる――炎が僕の身体を包み込む。
勝手に身体から生み出された炎に包まれても、動じることは無い。
自身の身に何が起こったかも確認せず、僕は走り続けた。
深く甲板を蹴って1歩、前へ……変だ。
床のぬめりを気にすることなく踏ん張り、蹴り上げることだって出来た。
2歩目も、3歩目も同じく。
「あぁぁぁぁあああ!」
声を上げて前を向いた。その後に続く、4歩5歩。僕の身体はいつも通りに走っている。
身体が熱い。涼が欲しい。
上着を乱暴に破く。制服のブラウスだけを身体に引っ掛ける程度に薄着になったのに、それでも熱は逃げない。
だってその熱は、胸の奥から四散した熱は、僕の身体に纏わり付いていたんだから。
「シズク、行こう!」
「うん、一緒に行こう!」
熱になったリコを今――僕が纏っているのだから。
◎
頭の上にはリコの顔が乗っているのがわかる。
背中には彼女の両腕を催した大きな前足が生えていて、僕の足には彼女の足を催した大きな後ろ足で覆われている。
この足が滑る甲板でも気にせずに蹴ることが出来た理由だ。
――僕とリコは1つになっている。
僕もリコも自分が今の姿がどんなものか理解して、どのように動くのかもわかった。
そして、僕は手に持っていた銃をリコの腕の中に押し込んで内包し、開いた“両手”に別の魔法を生み出す。
でも、出した籠手は指先が土竜みたいに長く伸びた爪となっていた。
けれど、僕は驚かない。
リコの足は滑った甲板の上ですら立派に踏みとどまれる。先ほどみたいに足元に気を付けながらちょろちょろと急いでいた僕とは違う。
いつもと同じ、ううん、僕たちは甲板の上をいつも以上の速さで駆けまわった。
「はあぁぁぁっ!」
両手に生み出した“焔迎えの籠手”の指先は長く鋭利な爪と化していて、引きずるように周りを引っ掻いていった。
同時に、リコも自分の大きな両手で周りを殴っていく。鋼鉄の身体が木材のように啼いて凹んでいった。
背後で火の匂いを感じる取る。灯った火は次第に勢いを増して波となる。甲板はいつしか火の海だ。
何度も、何度も引っ掻いては殴って――そのあたりから僕とリコの意識は薄ぼやけてきた。
意識と身体が剥離したかのような気分だ。
「あはっあはははっ、あははははっ……」
笑いが込み上げてくる。
リコも気持ちよさそうに大きく遠吠えを上げた。喜んでいる。
何が可笑しいのかは僕も、リコもわからない。
「あはははっ、あはっ……ぇっぐ……ひっく……あはっ……っ……ぅっ……あは……!」
嗚咽が漏れ、涙が流れるの感じた。
リコも悲しそうに咆えた。高らかと咆えるもその隙間に悲しそうな音を混じらせる。
何で泣いているのかは僕も、リコもわからない。
機銃の動きは遅く、僕たちが走り去るころには砲を向ける前に破壊されるか、燃やされているかのどっちかだった。
時には運よく僕たちを狙う撃つことが出来たとしても、そこはアサガさんの札が僕たちを守ってくれる。その後は一瞬で距離を詰め、攻撃をしてきた機銃を叩いた。
船は僕たちによって炎上する。
甲板を1周でもした頃、この戦艦は海に浮かぶ大きな灯火となっていた。
「もう! 壊れろ!」
大きく跳躍して、アヤカ区へと狙いをつけている大砲をリコと僕で殴りつける。
あんなにも威圧的だった大きな砲身がひしゃげ、深い爪痕をつける。
爪痕からは火が生まれゆっくりと砲身に燃え広がっていく。
カードが慌てるかのように紫電を放って修復しようにも無意味だ。灯った火は対象が燃え尽きるまで消えることは無い。もうそれは直ることは無い。
最後に、まだ修復途中であった最初に壊した主砲を殴りつけてとどめを刺した。
4基の砲台を壊し燃やすころには、僕たちの行動は終わりを迎えていた。
でも、船は止まらない。
周りのカードはほとんど見当たらず、あるものは燃えている大砲を直そうと躍起になりながらも、直ぐに紙飛行機によって動きを封じられている。
それだというのに、船は未だに震えている。
まだ、中が生きているのだ。
僕たちは立ち止って未だ損傷の薄い艦橋へと歩み寄る。ブロックを乱雑に積み重ねたみたいに不格好な艦橋だ。
ここから新たなカードが出現していたのは、艤装を壊している間に気が付いていた。最後まで攻撃せずに残していた理由はもう覚えていなかった。
「ここだね」
「……みゅう」
僕は片手を前に差し伸べて、リコはそれに添えるみたいに両手を開いた。
手のひらの先に火球を生み出し、力を込める。
「――行け」
掛け声を上げる必要は無かった。でもそうした。
魔法に自分の意志が乗る様にと祈りを込めて。
少しだけ後ろに退きながら力を込め、勢いを付けながら火球を艦橋の装甲に叩き付ける。
壁に触れるのと同時に火球の中心から大量の熱量が僕の手の先から吐き出される。
いつもみたいな火炎放射とも違う。
純粋に直線状に流れを留めた赤い高熱の光だ。
僕の手の平から放たれた真っ赤な光線は、あっさりと艦橋を貫いた――。
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