第2話 部屋の外、魔法の存在
皺くちゃの爺さんは僕やもう1人の赤ん坊の世話係のようだ。
爺さんは僕らの体を拭いてくれたり、下の世話をしてくれたり、1日2回の食事を与えてくれたりした。
やはり言葉はわからなかったが、じいさんは自分を指さして「ラ・ゴ・ン」と僕にも聞き取れるように発音をしてくれた。
ラゴン。爺さんの名前だろう。
どうやら言葉を覚えさせようとしているようで、ラゴンは僕やもう1人の赤ん坊に辛抱強く話しかけては面倒を見てくれた。
また、ラゴンは僕たちを名前で呼び出した。
僕はシズク。もう片方の赤ん坊はルイ。
ある疑問が浮かんだ。
シズクという発音についてだ。
偶然そういう発音の名前が前々からこの世界に存在しているのだろうか。それと同時にシズクとルイという名前の組み合わせにも作為的なものを感じてしまった。
雫と涙(もしくは泪)とか、なんだか狙ってつけられたような気がする。
……偶然だろう。偶然だと、思うけど、こんな偶然あるのだろうか。
ラゴンはことあるごとに僕たちの名前を呼びながら甲斐甲斐しく育ててくれた。
◎
時間は流れ、1年が経過した……らしい。
この1年、ラゴンの他にも僕らの世話を焼いてくれる人たちもいて、何人かの女性と線の細い一人の美男子がラゴンのいない時なんかに面倒を見てくれたりもした。
唯一の異性であった銀髪の褐色肌の男性のことは目立つ容姿をしていたことでよおく覚えている。
銀髪の彼は一見、女性かと見違えるほどの端正な顔立ちをしていた。
髪と同じ色をした細く整った眉。涼しげな切れ長の目。その下の赤い瞳。すっと通った鼻筋。その端正な顔立ちは周囲の女性陣が霞むほどで、男の傷心していた僕ですら見蕩れそうになるほどの美人さんだった。
また、とびっきりの美人さんであったこと以上に彼の耳の先が尖っていることが気になった。
彼はもう1人の赤子であるルイの世話をラゴンから押し付けられているようで、その綺麗な顔を歪ませて四苦八苦している様子も見られた。
こうしてこの1年、ラゴンを筆頭に彼、彼女らの懸命な育児のおかげで僕はこちらの言語を習得していった。
他にやることもなかったし(というか、できなかったし)やれることと言えば言葉を覚えるだけだったことも大きい。
ただ1つ言うと、身体を動かせない僕は言葉を覚える以外にやっていたことがある。
……生前の僕の人生の最後を受け入れることだった。
時間が経つごとに、次第に見る感覚は空いてもあの日のことはフラッシュバックのように鮮明に悪夢となって僕に見せつけてくる。
これは多分この新しい身体での一生に付きまとってくる問題だと思う。
でも、その夢は悪夢であって、それでいて僕に1つのことを教えてくれたんだ。
それはたった数秒でも、彼女が僕を生き長らえさせてくれたことだ。
あの時、どんなことを考えていたかも知らない僕を彼女は笑って助けてくれたことだ。
そのことに気が付くのに長い時間が必要で、それから自分自身を見つめ直すのに数か月。そして、さらに数か月かけて僕が出した答えがこれだ。
――数秒でも生き長らえさせてくれた彼女のために僕は1秒でも長く生きてやる。
そう決意し月日は流れ、話は進む。
◎
身体の方も成長し、僕とルイはベビーベッドよろしく、上蓋の外れた檻の中で過ごすようになった。
ルイの方も同じようで、つたないながらに話せるようになっていた。
そして、やっと自分を取り戻した頃にルイが女の子だということを知った。
青色の髪で赤く大きな瞳が愛らしい。
(そりゃ……最初はその髪の色や目の色にぎょっとしたけどね)
髪や目の色以上に特徴的なのがあの銀髪褐色肌の美人さんと同じく上向きにつんと尖がった耳だ。
エルフっぽい。いや、漫画の中に出てくるエルフそのものだ。
きっと将来は美人になるだろうな、なんて思いながらもやっぱり今はまだ赤ん坊。
ハイハイを覚えて、柵の中を動き回るやんちゃさんだったり、人のことは言えないけど夜泣きが酷くて、たまにライオン男……ウォーバンが現れてラゴンを怒鳴りつけたりする。
ちなみに僕は以前と同じように黒髪だった。
鏡といったものは見たことがないので自分の顔がどうなっているのかはさっぱりわからない。
触ってみる限り変わったところはない気がするけど、以前とは違うと思う。
赤子だからっていうのもあるけど、この身体は生前の自分のものじゃないってわかるんだ。
あと、少し前くらいからたまにだけど、3人の子供たちをラゴンが連れてきてくれるようになった。
1人は3人の中で一番年上のベニーと言う女の子だ。
ウェーブのかかった金髪でそばかすを浮かべた年長の女の子だ。僕たちを見て笑みを浮かべる顔が年相応のかわいさを見せる。
この子は別に至って普通の女の子だ。
次は、ベニーよりも背が低い2足歩行するトカゲ男、ハック。
体は青色の鱗で覆われていて、後頭部に2本の黒い角が生えている。
しっぽもあるようで、僕たちを見て興奮でもしたのか床をびしびしと叩きつけ、口から長い舌がしゅるしゅると伸びる。
最後に、一番年下っぽい女の子のテトリアだ。
恥ずかしがり屋なのか彼女はいつもベニーの背に隠れ、こちらを伺っている大人しい子だ。ただ、最初は寝癖か癖っ毛かと思ったが、よおく見ると茶色の毛に覆われた耳がへた、と倒れている。
犬か猫のような耳を持った獣人だった。
3人は最初おっかなびっくりと腫物を扱うかのように僕たちに接してきた。
彼らはこの部屋に気軽に来れる立場ではないらしく、数日に1回あるかないかという頻度だけど、ラゴンのお供として顔を出してくれた。
赤ん坊が珍しくて構ってくれたんだと思うけど、余裕が出来てからの僕は暇で仕方なかったし、言葉を覚えるにあたって彼らの好意にはとても感謝している。
そうして、今の自分を受け入れるようになってから2年目を迎えた。
がりがりの僕らでも活発的に動き回れる程度には育った。そして、言葉の方も僕はこの世界の人と同じくらい話せるようになったと自負している。
ルイのほうはまだおぼつかない会話だったけどね。
「すごいな……シズク。まだ2歳だというのに、私の言葉をきちんと理解して受け答えが出来ているのか」
「まぁね」
ラゴンは柵にしがみ付いて立つ僕の成長っぷりを見て感心していた。
やることと言えば言葉を覚えることだけしなかったのでその成果だと思う。
ちなみにルイはお昼寝中だ。
ルイはラゴンのことが大のお気に入りで、起きている間はラゴンラゴンと彼の名前を呼ぶ。それを喜んでラゴンはルイに構ってしまうのだ。
だから、今が好機と僕はある疑問をラゴンにぶつけることにした。
「ねえ、ラゴン」
「どうした?」
「どうして僕たちは外に出れないの」
するとラゴンは困って顔をして、皺くちゃの頬を掻いた。
「それは、今のお前たちは外に出ちゃいけないからさ」
「どうして、どうして出ちゃいけないのさ?」
「……それは今はまだ、お前たちが×××だからさ」
「え……×××? なんて言ったの? ……それって、どういう意味……?」
「……はは。今はわからなくていいさ……まあ、こんなこと言われてもわからないよな」
なんて、ラゴンは複雑な表情を残し、僕から背を向けて部屋から出て行った。
×××。
その単語の意味をその時の僕は知らなかった。ただ、もしも、前の世界の言葉で言われたのであれば僕は頭に疑問符を浮かべた後、すぐさま絶望していたことだろう。
奴隷。
僕たちがいるこの場所は売られるのを待つ奴隷たちの売買所であって、僕らは商品であったのだから。
◎
また月日は流れた。
この世界の1年がどれだけの日数かは知らないけど、僕らは3歳になったらしい。
その間に知ったのだが、ルイは僕よりも数か月ほど年上さんらしい。
僕らは柵付の台から小部屋の中を自由に動き回れるようになったが、そこだけでは満足できなくなっていた。
それを見通してかは知らないけど、僕ら2人に部屋が用意されることになり、また僕らの世界が多少なりとも広がったんだ。
◎
その日、僕らは突然部屋を出ることを許された。
よくもまあ3年近くあの小さい部屋で過ごしたものだと思う。
部屋を出たのは初日でのウォーバンによって持ち上げられた時だけくらいだろう。あとはラゴンや子供たちが現れるときにしか見えなかった扉の薄暗い通路の景色だけしか知らない。
今、僕はその扉の先を歩いている。外の廊下は僕らの部屋以外にもいくつもの扉があった。
ラゴンが隣の部屋なのは知っていたが、そこからやや離れた場所にベニーたちの部屋があることを教えてくれた。
それから、通路の突当りの扉を開けて結構な大きさを持つ広間に出た。
中にはすでに先客がいて、見知ってる顔もいるが大半が初めて見る大人たちだ。
今まで僕の知る大人といえばお世話をしてくれた女性陣を除き、僕らの育ての親であるラゴンと、いつも怒鳴ってる印象しかないライオン男のウォーバン。そして、あの銀髪の美人さんくらいだった。
僕たちの世話を焼いてくれた女性陣は見当たらないが……こんなにもいたんだな。
「今度から正式に売りに出されることになったシズクとルイだ。まだ幼いがみんなよろしくやってくれ」
そう、僕らは広間の中心でラゴンによって紹介された。
その言葉にぎょっとしてラゴンの顔を見たが、彼は僕の顔を一瞥するなり直ぐに視線を逸らされた。仕方なく僕も視線を元に戻す。
広間はきれいとは言い難い色あせた絨毯が敷かれ、4人掛けのテーブルが3つあった。
僕らが入ってきた扉と向かい合うよう正面に両開きの大きな2枚扉がある。鉄製の2枚扉はのぞき穴みたいな格子窓がそれぞれ一つずつ付いていた。
初めて見る大人たちにルイは怯えてかラゴンの背にずっと隠れていた。僕はというと堂々としたものでこちらをちらちらと窺っている住民たちをぐるりと見渡してみた。
まずは人間であろう男女が8人。
どの人も若く、一番上でも30代に手が届くか、といったところだろう。立っている者もいれば、備え付けられている椅子やテーブルにもたれている者もいた。
子供のような背丈だけど顔にふさふさと毛の生やした小人が2名。2人とも、僕らを気にするでもなく部屋の隅っこで並んで座ってあれやこれやと談話をしていた。
他に――僕らの面倒を見てくれた褐色銀髪の彼は壁にもたれかかっていて、こちらを一瞥するなり興味がないと言わんばかりに目を閉じた。
ついでに、あえて刺激しないよう視線を送っていなかったウォーバンも地べたに胡坐をかいていて、僕たちをぎろりと睨みつけては知らん顔と足を崩してこちらに背を向けるようにして横になった。
最後に、顔見知りである3人の子供たちは僕らに駆け寄ってきてくれた。3人が来てくれたおかげか、ルイはようやく安心したようだ。
僕らとラゴンを含め15人がこの広間にいることになる。
それでも、この部屋は広くまだスペースに余裕があった。
ラゴンは壁を背にして地べたに腰を掛けた。僕もラゴンと並んで座り、ルイと他の3人ははしゃいでいる様を見ていた。ラゴンはそれから時間が来るまで一度として僕に話し掛けてくれることも見てくれることはなかった。
幾らかすると、のぞき穴のある鉄製の重苦しい扉が開き、外から3人の男が姿を見せた。明らかにここの住民とは毛色が違う人たちだった。3人の姿を見て、周りの住民たちは一斉に黙る。
1人は血色のいい頬に清潔な服を着込んだ中年のおじさんだった。良いものでも食べているんだろうか、肥えた恰幅のいい体系をしていた。
後に続く2人は長身で体格もよく、軽装の鎧を身に着け、手には短めの槍を携えていている。
「ラゴン」
「……はい、ご主人様」
そう呼ばれたラゴンは億劫そうに腰を上げて、ご主人様と呼んだと男の元へと歩を進めた。そして、ゆっくりと彼の目の前で跪く。
「ラゴン、お前に世話を任せた子らの様子を見たい」
「わかりました。シズク、ルイ。こちらへ」
呼ばれて僕もすぐに立ち、困り顔のルイの手を引いてご主人様とやらの元へと向かう。
「…………」
「…………」
ご主人様は僕らの顔をじろじろと眺める。
ルイは僕の背に隠れたが、ご主人様は気にせず観察を続けた。
「いいじゃないか……どちらも、最高の器量だ。まだ幼いが、成長したらこれは高く売れるぞ!!」
「そうですか。それは何よりです」
「ラゴン、これからも2人の面倒を任せる」
「かしこまりました」
どうやら、好印象を持たれたようだ。
僕は美形らしい。悪い気はしないがいまいちぱっとしない。
未だに僕の顔は生前の顔が貼りついているようなものだ。今の僕の顔はどういうものかはまだ見たことがない。
◎
上機嫌になったご主人様は僕らに部屋を与えてくれた。
畳四畳ほどの粗末な藁の上に黄ばんで汚れた布切れがかかっている程度の寝具があるだけ部屋だ。全然構わない。
あの檻部屋からしたらものすごい進歩……だが、環境は以前とあまり変わらず衛生面はよろしくない。
いや、よろしくないどころじゃない。
悪化してる!
「うっ……シズク。ここへんなにおいがする……」
「……だね。流石にこれは我慢できないよ」
僕とルイは顔をしかめて鼻をつまむ。
今まで過ごした場所が埃臭かったのに対して、用意された部屋は人の体臭が満ちていた。
あまりにも臭くて2人してげーげー言う。
換気出来ればいいんだけど、ここも同じく窓がなく、そういう排気口みたいのは見当たらない。人が住む場所としては最悪だ。
……もう数年もこの生活を続けているが、日の光を浴びたことがない。
これって育児的にはどうなんだろう。
前に聞いた話だがラゴン曰く、この奴隷市場は他の場所よりも格段に衛生面は整っているらしい。ところによっては僕たちに与えられたこの部屋にすし詰め状態で5、6人押し込まれたりすると聞く。病気も蔓延してたりするそうだ。
そういえば、僕らが過ごした部屋はやっぱり物置部屋だったということを知った。それと同じころ、奴隷という意味も理解してちょっと凹んだりもした。
とりあえず、臭いをどうにかしたくてラゴンの元へと訪ねることにした。僕らの部屋は広間側の方で、ラゴンの部屋からほんの少し遠くになってしまった。
僕が扉をノックして、ルイが声をかける。中からどうぞ、と声が上がってから僕らは部屋に入った。
ラゴンの部屋は僕らの部屋とは違っていろんなものがあった。
古びた机には青色と黒色の透明な石がごろごろと積まれていて、いくつかは床に散乱していた。
棚にはよくわからないが鉄くずや輪っかがちらほらと置いてある。
床には茶色の布みたいなものが散乱していて、その茶色の布には文字……とか図形が描描かれていて、たぶんこれが紙替わりなんだろうと考えた。
今更だけど、この国の生活水準や文明レベルがどのくらいなのかとても気になったが、今は置いておくことにする。
で、部屋主はというと奥にある寝具に横になっていた。寝ているのかと思ったけど、僕たちへと顔を向け、先ほどの素っ気なさが嘘みたいに小さくはにかみながら起き上がった。
「部屋が臭くたまんないんだ。どうにかしたいんだけど何かいい手はない?」
「くさいの。げーげーする」
「臭い……? ああ、あそこの部屋は巨漢のジグがいた場所だったな。あいつは体臭が酷くてな。そのために1人部屋だったようなものだ。ははは」
体臭が酷いって笑い話じゃ……いや、笑い話だ。
「その巨漢のジグってどうなったの?」
「ああ、買われたよ。どこかの国のやつにな。戦争で人手が足りないとかな。あんな体臭が酷い男なんて誰も欲しがりやしないから、ご主人様的には万々歳だったらしい」
「そうなんだ。ところで、シグって強かったの?」
「いいや、見かけ倒しのデクノボーさ。大きいだけで何の役にも立ちやしない。まあ、あの体臭を武器にするなら……」
……まあいい。
戦争なんて物騒な言葉を耳にしたけど、シグが売られたおかげで僕らは部屋がもらえたってことだ。
「そうだな。部屋の掃除か。わかった。手伝ってやろう」
「ほんと、ラゴン? 助かるよ」
ラゴンは笑って頷きすぐさま部屋の外に出たので慌てて2人で彼の後ろについていった。
そして、扉を開けて直ぐに僕らと同じ反応をラゴンは見せて、くぐもった悲鳴を上げた。
「確かにひどいな。ああ、ジグの臭いだ。あいつは部屋の前を通るだけで匂う。これでも掃除したんだがなあ……あの時のことを思えば、まだましになった方だろうな」
どれだけひどい匂いだったんだジグ。
これが残り香ってことは、本人を前にしたら僕らは倒れてしまうんじゃないだろうか。
「まずは換気をせんとな」
「でも、どうやって?」
「実は壁の隙間は外と繋がっているんだ。そこから中の臭いを追い出してやればいい。まあ、見てろって」
そういうとラゴンは両手を前に突き出した。
何をしているんだろう、と僕とルイは不思議に思いながらも待つ。
「よし、では、いくぞ」
この声がきっかけみたいに、ラゴンが手をかざした位置らしき場所から僕たちの身体に何かが触れて抜けていった。
これは、風だ。
「え、え、え? なにかがルイをさわった!」
ルイは周りをきょろきょろと見渡し、自分の身体に触れた風に驚き戸惑っている。
初めての自然現象と言ってもいいんじゃないか。
ルイは混乱して僕にしがみ付いた。
そして、僕は別の意味驚愕していた。
「ははは、ルイ。それは風だ。布なんかで扇ぐと出るだろ」
「かぜ……かぜ、すごいね!」
「何もすごくはないさ」
そう口にしても、ラゴンは誇らしげだ。
「風はそこらじゅうで吹く。今はまだ出れないが、外では常に吹いてるものだ。お前たちがここから出たら、いつでも感じられるさ」
にやにやと皺を深めて笑みを浮かべ、ルイも不可思議な現象にきゃっきゃと笑った。
何も知らなければ僕もルイと同じように喜んでいたのかもしれない。でも、僕にとって風とは自然によってもたらされるものであり、人力で起こせるものだとも知っている。
けれど、今ラゴンはただ手を構えて力を込めただけだ。
つまりラゴンがどうやって風を起こしたかのかって、それは僕の元いた世界では空想の物語によく登場する設定の1つであるものしか頭に浮かばなかった。
……ライオン男やトカゲ男にケモ耳娘のいる世界だというのに僕はラゴンの口から真実を聞きたかった。
「……ラゴン。それはどうやったの? いったい何が起こったの?」
「ん、シズク。これはな――」
そうして、意味深に笑うラゴンが呟いた答えは、
「――魔法だ」
僕が思い描いた答えと一致した。
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