Magia VII
純粋な魔法使いではない私の魔力は、
何で話しちゃったんだろう。ぎくしゃくした関係を消して、気持ちよく離れようと思っただけなのに。
期限つきという制約だけが確かなこの存在に、ただでさえ胸のあたりがすごく痛いのに。これ以上好きになってしまったらもう、悲しさが増すだけなのに。
なら葉太とちょっとでも一緒にいられるだけで幸せなんだから、それで十分に満足しようと思っていたのに。
恋は魔法ではなくて、呪力だわ。
手のひらを開いて見つめる。白くて、細い指の先に薄紅色の爪。人間の女の子の身体。
さっき、一番いい笑顔になれていたかな。
一つ、二つ、花びらが落ちれば、この身体ももう完全ではいられない。このままどこで嵐に吹かれてもいい。葉太が見ていないところなら。
大気が孕む緊張が伝わる。身体全体が予感に身構えている。嵐が近い——嵐?
いえ……違うわ、それだけじゃない。
行き交う風の囁きに混じって、空気中に禍々しい気を感じた。
咄嗟に
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