第三話 コン=ロリーという男

 脈ありか脈ありかなら脈なしだろう。

普通に人ならそう思うかもしれない。だが僕は違う。

こんなことで挫けはしない。まだまだチャンスはある。

これからのアプローチしだいさ。

 あの後、僕は図書館にいって

彼女を落とすための作戦をざっと30は作り上げた。

自分で言うのも何だが素晴らしい出来だ。

特に作戦番号7番、グイグイ迫って彼氏づら大作戦は

名案すぎる。番号も僕の出席番号と同じ7。幸運な数字セブン。イイ数字だ。


 気分良く帰り道を歩いていた僕はふと、おかしな人影を見た。

建物の壁に身をひっそりとよせ誰かのことを見ているようだ。

服装は顔から下は変じゃないが上がおかしい。

なんだよ。サングラスにマスクって。

自分、不審者やってます!趣味はストーカーです!って名乗ってるようなもんだぞ。

恐らく自警団がやってくるのも時間のうちだぞ。

 僕は後ろからその不審者兼友達に声をかける。

「おい、なにをしてるんだ。この変態。自警団につきだしてやろうか?」

発言に驚いたのか物凄い速度でこちらにを見てきたが相手が僕だとわかると

そいつは安堵のため息をついた。

「おークルトじゃねえか、おどかすなよなー。いまいいところなんだがら。」

・・・こいつ1ミリもやってることに罪悪感感じてないな。

「僕としては本当に突き出したいところなんだけどね。ラヴポイント目当てに。

それで、なにしてるのさ。コン・ロリー」

「へへっやっぱお前も気になるかー同士だもんな。いやーおれはいい友達をもったぜ。」

そういうとコン=ロリーはにかっと笑って僕の肩をたたいた。

どうしよう。今すぐ友達やめたいんだが。




 コン・ロリーから聞いた話によると

バイトから帰った後、適当に町をぶらついていると自分好みの可愛いロリッ子が

いたから軽くストーキングしてたらしい。

本当にろくでもないな。そんなことしてるから一年で退学処分受けたんだぞ。

まあ、そこは大して問題じゃない。大事なのはそのロリッ子だ。

 コン・ロリーの視線の先には確かに美少女というしかない可憐な銀髪のロリがいた。うん、あの子だね。僕が今落とそうと画作してる子だね。

 コン・ロリーの方を見る。コンは僕の目線に気付き不思議そうにこちらを見返した。


「んーどうしたよ相棒、おれになんかついてるか?」

 

 僕の未来予想図ではあの子は僕の将来のお嫁さんだ。

つまりこいつはぼくの愛しい奥さんのストーカーということになる。

・・・悪い虫は今のうちに排除しなきゃな。


「お、おい。め、目がこわいぞクルト!あと無言でおれの首根っこをつかんで

運ばないでくれええ!おれ知っているぞ、そっちの方角自警団があるほうだろ!?

やめろぉやめてくれぇ!またバイト先首になっちまうよぉぉ!」


 コンがみっともなく泣きわめく。お前には羞恥心という物はないのか。

その変態性と引き換えになくしてしまったのか。

なんとなくばつが悪くなり、一旦は首を持つのをやめる。


 コンはめそめそと泣きながら言い訳を始めた。


「ううー、ひぐっ。お、おれだってよ単にやましい気持ちだけであの銀髪ロリッ子ちゃんを見てたわけじゃないんだぜ。なんか様子変だったからよー気になったんだよ。そわそわしているっていうか落ち着きがないっていうか

誰かを待ってるみたいなんだけどよー、なんか見た感じが逢い引きっていうか

いけないことしにいく前みたいだからさー気になったんだよ。

もしそうなら今日のおかずにしたらめっちゃ興奮するからさ-。」

 一瞬、見た目がやばいだけで動機は案外まともかと思ったが

やはりろくでもなかった。うん。やっぱりこいつ突き出そう。酌量の余地なし。

アホ変態を引きずるのを再開しようとしたが僕の行動先読みしてか

引きずられないように足にしがみついてきた。


「そんなやめてくれよー、クルトだって興味はあるだろー。」


「ないかあるかでいったら勿論あるが僕はこういったリスクをとるのは嫌いなんだ。やるからにはノーリスクハイリターンだよ。つまり僕と君は違う。

僕は変態じゃない、君は変態。QEDだよ。ほらっ!足を放せ!

みっともないぞ!大人しくしろ!」


 足をブンブンと振って放そうとするが全く離れない。往生際の悪いやつめ。


「やめてくれよぉぉぉ。あ、クルト!誰か近づいたぞ!

見た感じなんか金持ちぽいぞ!?これおれの予想当たったんじゃないか!?」


「んな馬鹿なことあるか。彼女にそんなことするメリットなんてないし

もしばれたら・・・・」


 コンがあまりにも五月蝿いので足を振りながら彼女の方を見やると

確かに恰幅のいい金持ちそうなおじ様と話している。

それどころか一緒にある方角に向けて歩き出したではないか。

しかもその方角は・・・。


「おーあの方角は歓楽街、遊郭とかもあるほうだぞー。やっぱりあの銀髪ロリ

いけないことするんじゃないかー。なぁクルトもそう思うよなー?」


 僕はあまりに衝撃に口をあんぐりとあけこの馬鹿が摑まっている方の足を振るのを止めてしまっていた。

僕が狙ってた子、もしかしてヤリマンビッチウーマンですか?










































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