第2章あらすじ・登場人物
第2章「惨劇」あらすじ・登場人物紹介
第2章あらすじ・登場人物
~あらすじ~
大陸の北、北部州北西県北西郷。通称「
そこは王国の北の果て。
ここより北に街は無い。ここより北に、場所は無い。
その郷で、一つの問題が起きていた。
建国以来180年、一度も閉じたことのない門が閉まっている。
解決策を見いだせない郷の役人たち。
郷主相談役として深泉郷に赴任してきた晨鏡は提案する。郷主大権。
非常事態に際して城主に全権を委ねる。その大権を行使できないか。
戸惑う郷主。しかし、何かしらの解決策を見出さなければ、状況は変わらない。
門が閉じているのがこの郷だけだとしたら―
晨鏡、
馬上の人となる3人。
馬の扱いはどうなのか。その会話の中で、晨鏡が言う。
「出身か。どこなんだろうな。おれは『王の種』だからな」
途中立ち寄った深泉郷南東支城でも門が閉ざされている。
しかし、南東支城では支城長の
午前中のうちに二度にわたり守備隊が城内に入ろうとしたが、いずれも音信が途絶えたという。
城壁から落ちて1人の守備隊員が命を落とした、とも。
その守備隊員は絶命寸前に言ったという。「化け物だ」と。
夕方に始まった突入作戦に参加する晨鏡と南信。
6メートルの城壁を梯子で登り、命綱を巻き付けて城内に入る。
100人が城壁に登る予定だったが、未知の高さに脱落者が相次ぐ。
結局城壁に登れたのは30人。
高所に慣れている消防隊員が城壁内に降りる役割を担う。
命綱を巻き付け、城内に降りる。
その途中、彼らの一人が城壁にこびりついた血の跡を見る。
ぞくり。
4人目が降りたとき、彼らの背中に冷気が走った。
「なんだ、あれは!!??」
遠目には小太りの、丸みを帯びた人のような物体が、鉄の鎧を身にまとっている。
なんだ、あれは。あんなものは知らない。
目があるべきはずの場所は空洞になっている。鎧の中にあるのは漆黒の闇。
身の丈は軽く7尺(2.1メートル)を超え、横幅も4尺(1.2メートル)を超える。
大きい。しかも速い。
鉄の怪物がおそるべき速さと圧倒的な力で城内に入ろうとした者たちを次々になぎ倒していく。
戦闘とは呼べない一方的な殺戮。
晨鏡は叫ぶ。
「やめろ!やめてくれ!もうたくさんだ!おれたちの負けだ!」
その叫びは、なぜか怪物に届いた。
涙が頬を伝う。
止めることはできない。
生きている証を。
晨鏡たちは、ひたすらに泣いた。
果たして、その怪物の正体は―――
~登場人物紹介~
25歳。州の役人登用試験である
20歳。晨鏡を恩人と慕う深泉郷の役人。郷試合格。高いところが苦手だが、晨鏡と共に深泉郷南東支城で城内突入作戦に参加。左肩を負傷するが生き延びる。
36歳。落ち着いた印象の役人。県試合格。深泉郷総務課課長。南信を評価している様子。晨鏡、南信と共に県城への使者を任される。
53歳。深泉郷
45歳。深泉郷土木課課長。県試合格。巨漢。髭と声の大きさが自慢で、大声での威圧が得意技。郷試出身者を馬鹿にしているが、反面、権威に弱く、州試合格者に逆らえない。
38歳。深泉郷司法課課長。県試合格。目立たないが、事務処理能力に優れる。
54歳。定年間近だが腕っぷしには自信がある。支城の閉門に際して郷の指示を待たずに突入作戦を敢行する。
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