192話 血の雨
「【重力魔法】ーー
俺は練り上げた魔力を重力魔法に変換して放った。
するとーー
『ぬあああああああ!?』
数名の魔人が突如、引き付けられるかのように空中に浮かび上がった。
うん。即席で作った大群殲滅魔法だが、なんとか上手くいったようだな。
『な、ナンだよコレ!?』
『…ぐぎっ』
『ぬおおお!』
1人また1人と発動させた魔法によって、次々と空中に引きつけられていく。
『い、いやだぁああ!』
『くそォォォ!』
発動させた魔法は順調で、数分も経たない内に3万人前後をあっと言う間に引き付けーー魔人共は空中で1つの球体と化していた。
『ぐ、ぐるじい』
『じ、じぬ』
『がああ!?』
「順調だな」
だが一部では、自身の一部を地面に打ち付け、引力にギリギリ耐える者たちがいた。
『こんな大規模な魔法長くは持たないハズだ!魔力が切れるまで耐えろぉぉ』
『ふんぬー』
『ごおおおお!』
うーん。魔法を弱めに発動させた影響だろうか?意外と耐えられる奴が多いな。
『ハハッ、見てみろ!渾身の魔法が効かなくて焦ってやがるぞ』
『ぐぎぎぎぎ!』
『はああああああ!』
それにしても、指示を出してるあのタコみたいな奴がリーダーか?残念ながら魔力が切れる事は一生無いぞ。
「よし、魔力をあと5倍程度注げば問題はないだろ」
『ご、5倍!?』
思わず壁上から呟いてしまったが、耳の良い魔人に聞かれたようだ。
『タ、タコ助さん。あと5倍強めると呟いてます!!』
『んな!?』
『ど、どうせ、ハッタリに決まってやがる!』
『そ、そうだぜ。そうに決まってる!』
リーダー格のタコは青ざめ、現実を信じたくないのか仲間の忠告に魔人共は嘘ハッタリだと決めつけた。
「じゃあな魔人共。
発動中の魔法に、更に5倍程度の魔力を注ぎ込むと引力が強化され、地面にしがみつき抵抗する者は誰一人として居なくなった。
既に押しつぶされ、肉の塊と化した仲間達の元へと向かう抵抗組。
『うわぁああああああ』
空中でジタバタと抵抗するも虚しくーー空中で仲間達の死骸と共に呆気なく押しつぶされていく。
『や、やめーー』
魔人共を無理矢理一カ所にまとめた俺は、外側でギリギリ生き残っている奴らにトドメを刺すべく、最後の一撃を放つ。狂歌達に現在地を示す意味も込めて、盛大に肉の塊を弾けさせた。
「
ブチャアアアアア
人体が破裂する嫌な音と共に、あちこちに魔人の死体が弾け飛び、空からは血の雨が降り注ぐのだった。
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