166話 成功する研究者

 読者の皆様へ:今回は短めです。



 ★☆★☆


 実験室にて。


「くははははは!」


 狂ったように、その場で笑い声をあげる研究者がいた。


「処分する気で投薬したのだがな!」


「.....うぅ....ひっく.....」


 ジョン博士は、実験体を見下ろす。


「まさか成功するとは!!」


 そこには、涙で顔をずぶ濡れにしているミカエルがいた。


 実験による痛みなのか、立ち上がれずにいる。


 薬に適合出来たのか、背中から純白の翼が生え、髪が金髪から青髪へと変化していた。


「偽善者であるお前にピッタリの姿じゃないか!まさかこんな所で役立つとは!」


 実験の度に、ミカエルによって邪魔されていたジョン博士の溜飲が下がる。


「おい、医務室へ連れて行け!ついでに麻酔で眠らせておくんだ」


「ハッ!」


「了解しました!」


 ジョン博士の指示で、軍人によって医務室に運び出されるミカエル。


「ふ...ぐふふふふ....」


 ジョン博士は誰も居なくなった実験室で、不気味な声を漏らした。


「薬の配分量がようやく分かったぞ。7:3で良かったんだ。あとは本人の適正次第....この薬をなんと命名するか.....」


 顎に手を当て、博士はその場で投与した薬の名前を考える。


「『改良型魔人薬』とでも呼ぶべきか?んー、シンプルだな。だがそれでいいか!早速次の実験体を用意せねば........あっ....」


 適当に薬の名前を決める博士。早速次の実験を開始しようとした所で気付いた。


「そう言えば、ミカエル以外全滅してたんだった!本部に報告して、もっと実験体を送って貰うよう申請せねば!!」


 そういうと、ジョン博士は実験室を後にするのだった。

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