164話 涙

 読者の皆様へ:最近忙しくて更新出来ませんでした。申し訳ないです。あと、実妹って需要ありますか?コメント下さい。


 ★☆★☆


「おにぃ、一緒に寝よう?」


「・・・・」


 き、聞き間違いか?いま一緒に寝ようって言ったのか!?


 その衝撃的な言葉に、俺は硬直せざるを得なかった。


 それになんだその恰好は。いつもそんなイヤらしい格好で寝ているのか!?


 子供だったらいざ知らず、もう女子高生だ。ほぼ大人と言っても過言では無いだろう。それに、狂歌達と同じくらいの立派な物まであるのだ。


 そんな妹と一緒に寝るだと!?


 無理だ。気まずすぎて眠れない!


 どうやって断れば良いんだ。それに、なんでこんなに滅茶苦茶甘えてくるんだ?


 疑問に思いながらも、俺は思考を加速させて頭の中でどうするべきか考えているとー


「中に入るね、おにぃ」


 雫がそそくさと中へ入ってきてしまった。


「えへへ。早く寝よう?」


 そして、嬉しそうにベッドに腰掛けてくる。すかさず右手で隣に座るよう促してきた。


「な、なぁ。雫?」


「なに?おにぃ」


 クソッ!先手を取られた。


 多分無意識なのだろうが、俺が断りずらい雰囲気に持ってきたぞ。


「.....流石に一緒に寝るのは......マズくないか?」


「え?」


 まさか断られるとは思っていなかったのか、雫は目を見開き驚いた様子を見せた。


「もう大人なんだし.....それに.....母さん達にバレたらマズいだろ?」


 雫の顔から笑顔が消えていくのが分かる。


「だから.....寝るのはちょっと.....な?」


 返事が返ってこない。それに雫がさっきから静かだ。


 俯いているせいで顔もよく見えない。


 どうしたものかと、頭を掻きながらその場で悩んでいるとー


「分かった....」


 諦めがついたかのように。寂しそうな声で返事が返ってきた。


「ごめんね、おにぃ....」


「!?」


 顔を見上げると、雫が涙を流していた。


「迷惑だよね.....ごめんね.....」


 抱きかかえていた枕が涙で濡れていく。


「部屋に戻るね....」


「お、おい!?なんで泣いているんだ」


 妹を泣かせたという事実に、俺は内心パニックとなっていた。


 どどどどどどうして一緒に寝るのを断っただけで、泣いているんだ!?


 俺、悪いコト1つもしてないよな!?


 一体どういう事だ!


 立ち上がり、出て行こうとする雫を、俺はすかさず止める事にした。


「離してよ....」


「教えてくれ。どうして泣いてるんだ」


 両腕を掴み、俺は雫をじっと見つめる。


「恥ずかしいから見ないで.....離してよ....おにぃ」


 すると、泣くのを我慢していたのか雫はまた涙を流してしまった。


「ひぐっ....うぅ....」


 すかさず雫を抱きしめ、俺は背中を撫でる事にした。




 ★☆★☆


 数分後。


「全部、おにぃのせいだよ」


 ようやく落ち着いたのか、雫は泣いた理由をポツポツと語り始めるのだった。

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