87話 鍵となる能力

@nonomuさん レビュー有り難う御座います。嬉しすぎて一話分書いてしまいした(笑) ちゃんとハッピーエンドに持っていくので安心してください。ここに宣言します。



 ★☆★☆


「マスター♡」


『狭間の空間』から抜け出す事に成功した。


 まさか、出た先にエレナがいるとは思わなかったが。


「マスター♡マスター♡」


 泣いている姿と、異空間で孤独に死んでいくと思っていたせいで


 気持ちが高ぶって、思わずエレナを抱きしめてしまった。


 そのままの勢いで、『もう離さない』と言ってしまったが・・・


「好き好き。大好き。」


 どうしてこうなった?


 。実際そのように捉えられてもおかしくはない


 現に抱きしめ返され、『もう離さないでね』と言われてしまった。


 これはもう、告白成立と言う事だ。


「大好き大好き。」


 さっきからエレナが物凄く甘えてくる。赤髪の、それも巨乳の美女にだ。


 甘えられて嬉しくない男性はいないだろう。


『嬉しいのか』それとも『嬉しくないか』と問われれば、勿論嬉しい。


 だけど、今更告白じゃなかったなんて言えない。


 言ったら多分殺される。いや、絶対殺される。そんな予感がするのだ。


 だからもう諦めた。もう際、新しい嫁が出来た。そう思う事にしよう。


「なぁ。エレナ聞いてくれ。」


「なに?マスタ~」


 後ろから抱き着き、返事をするエレナ。うむ柔らかいな。


「仲間の蘇生が失敗した。魂が既に消滅しているせいでな。」


「え?」


 驚愕の表情を浮かべるエレナ。今までの目的が、全てパーになった事に対して驚いているのだろう。


「だから、**に行こうと思うんだ。」


「え?**に?でも、どうやって.....」


 今度は疑問の表情を浮かべるエレナ。流石に無理だと思われているのだろう。


 仮に出来たとしても、膨大な魔力が必要だ。


 さっき試してみたが、発動すらしなかった。


「大丈夫だ。【魔力貯蔵】があれば何とかなる。」


「それが....あったとしても....どれだけの時間が.....」


 だから、この能力に賭けることにした。


 今の俺には時間が残されていないからな。もって最大でも3日が限界だろう。


 魂にヒビが入りすぎて、もう


 これならば、必要分の魔力が確実に貯まるだろう。


 エレナは未だに困惑をした表情だ。きっと貯めている内に、代償で死ぬと思っているのだろう。


「奪うんだよ。魔界ここの魔力全てをな!」


 天を指さし、宣言した。


「え.....」


 この日、エレナは初めて絶句した表情を見せるのだった。

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