86話 依存者

 もう離さないでねマスター。


 自分から言ったんだよ?『もう離さない』って。


 それに私寂しかったんだよ?


 私マスターがいないと生きていけない身体になっちゃったんだよ?


 他に好きな人がいたって私は構わないの。だって私はマスターさえいればいいから。


 そばに居てくれさえすれば!だからね。もしも、青龍戦後の時みたいに。


 マスターが私を捨てる真似をしようものなら、マスターを殺して、私も死ぬからね!


 大好きマスター。これから先、死ぬまでずっと一緒だよ?


 ううん!死ぬときも一緒だよ!


 愛してるマスター。



 ★☆★☆


 エレナと抱き合っている時、シンジは知らなかった。


 この時、強く抱きしめ返されていた時の”エレナの表情”が、笑顔から狂気の笑顔に変化し、浮かべていたということを。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る