85話 告白

 英玲奈エレナ視点


「一人ボッチにしないで....マスター....」


 私は、マスターが吸い込まれた地点で一人帰りを待っていた。


 もう、あの日から3日が経過している。


 特にすることが無かった私は、ずっとマスターの帰りを待っていた。


 ひょっとしたらマスターが帰ってくるかもしれない。


 マスターなら何とかするかもしれないと、そう希望を持って。


 だからずっとここにいた。



 たまに来る【覇気-命削】の代償が来るけれど、私は耐えた。


 マスターの払った代償の方が大きかったから。



 孤独による寂しさで心が折れそうになるけど、私は耐えた。


 マスターの方がずっと寂しい思いをしていたから。



 でも、あれからもう3日が経過している。



「ますたー...ひぐっ...ますたー.....どこなの.....」


 私は久しぶりの孤独と



「ひとり..ボッチは....ひぐっ....いやだよぉ.....」


 マスターの帰ってこない事実に



「寂しいよぉぉぉ......ひぐっ......」


 私は心が折れそうになって



「ますたー...うえぇぇぇん.....」


 その場で泣いてしまった。



 しばらくその場で泣いていると


 空間に亀裂が入った。どんどんヒビが入り、侵食していく。


 私は何もしていない。魔力で空間なんか捻じ曲げていない。


(一体どういうことなの?)


 唖然とし、その場の光景を見ていると



「もしかして.....」


 気が付いた



「マスターが帰ってきた?」


 その事実に。



 どんどん亀裂が入ってくる。


 音を立てながら空間が割れると、そこには


「こんな所にいたとはな。」


 人間の姿をしたマスターがいた。


「悪かった。一人ボッチにして。」


 そして私を見つけるなり、急に抱きついてきた。


「もう離さない。お前大事な仲間だってことに気付いたからな。」


「マスター///」


 私はマスターの温もりで包み込まれ、告白された。


「それと。待たせて悪かった。」


 強く抱きしめられた後、耳元でそう告げられる。


「おかえり。もう離さないでねマスター///」


 嬉しくなった私は強く抱きしめ返した後、


 涙を浮かべ、告白の返事をしたのだった。

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