36話 ついに

 ★☆★☆


 狂歌とデートが終わり家に帰った。


 ホテルでの狂歌の狂気。やはり狂歌はヤンデレが少し入ってるようだ。


(ゲームとかで見るほど重度じゃなくて良かった。)


 心からそう思ってしまった。


 ちなみに今日のデートは美香とサラに内緒だ。


 家に帰った時にいつもよりちゃんとした格好だったのと、狂歌の幸せそうな雰囲気ですぐにバレたが。


 嫉妬した2人に今度デートをしてと約束されてしまった。


(あと1本魔人薬残ってるけど、もうこれ以上仲間は増やせそうにないな。ただでさえ3人との生活に苦労しているのに、更に1人追加したら確実に死んでしまう。)


『もうこれ以上仲間は増やさない』と心に決めたシンジであった。




 ★☆★☆


 朝起きてニュースを見ると沖縄に強力な魔物が現れたようだ。


 沖縄に突然、竜の魔物が現れて成す術もなくヒーロー達がやられてしまった。


 そのまま海を移動し九州で暴れている。多くのヒーローと民間人が犠牲になっているようだ。


「おい。討伐に向かうぞ。」


「ええ。分かってるわ。」


「了解。」


「いつでも行けますよ。兄さん。」


 みんなでそう決めると同時


 プルルルル


 電話が来た。見るとヒーロー協会からだ。


「も、もしもし。黒騎士様でしょうか?ひ、ヒーロー協会のものです。急いで東京支部に向かっては頂けないでしょうか?現場までヘリで送ります。」


「了解。」


 どうやらヘリで送ってくれるようだ。


 全員で加速し、東京支部に向かう。


 道中で『頑張れ。』や『頼むぞ。黒騎士。』と応援を頂いた。


『猫又かわいい。』

『いやいや火狐一択だろ?』

『いや、安定の赤槍だな。』


 会話している男子高校生がいた。


 女性3人組に侮蔑の目で見られていた。地味に3人が殺気を飛ばしていたのか、会話していた男子達はすぐに寒気がしてその場を離れてしまったが。


(ドンマイ。)


 飛行しているとあっという間に東京支部についてしまった。


 中に入ると神崎兄妹に屋上まで案内された。


 そこには、滅茶苦茶でかいヘリがあっていつでも出られるように待機してあった。


 神崎兄妹に『頼むぞ。』と見送られた後、40分で九州についた。




 ★☆★☆


 上空から暴れている竜を発見することが出来た。


 真上まで移動してもらい俺たち4人は上空から飛び降りた。


 上空何メートルか知らないが確実に100m以上あるのは確実だ。


 流石に肝が据わった。


 地上に落下する直前に魔法で衝撃を殺して着地する。


 目の前には3メートルほどある、二足歩行をする隻眼竜がいた。


 赤い鱗に、爬虫類のような、赤い縦長の目だ。


「む?貴様ら魔物か?それに幹部級とはな。」


 目の前で破壊活動をしていた竜が立ち止まる。


 半壊しているビル。燃えてる一軒家。


 そこら中にあるヒーローと民間人の死体。


 地獄絵図であった。


「我は四天王の1人『憤怒のダルファー』だ。貴様ら名乗るがよい。」


 そう言って自己紹介を促してきた。


(『憤怒』だと?まずいな。先代がいた時からの幹部は手ごわいぞ。)


 そう思ったが自己紹介をすることにした。


「どうも四天王さんよ。『人間界代表のシンジ』だ。よろしくな。」


 そう自己紹介すると、突如考え始める隻眼竜。


「貴様魔物であろう!なぜ人間の味方をする。それにその姿まるで人間みたいではないか!」


 突如怒り出す隻眼竜。


「それにさっきから気になってはいたが、なぜ貴様からは『強欲』と『捕食王』の匂いがするのだ!」


(なぜ、分かった?いや、元仲間だったからこそ気付けたのか?)


 内心で考えていると


「答えろ半端物!」


 と怒鳴られてしまった。


「さーて何故なんだろうな。知りたかったら倒してから聞くんだな。」


 そうして俺たち4人は変身しダルファーと戦うことになるのであった。

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