第103話

 前まで弓島は俺の動きについてすらこれていなかったのに……。

 なんでこんな短期間で動きについて来れるようになる?


「おいおい、本当に本気か? なんだか拳が止まって見えたぜ!」


「うっ!」


「平斗!」


 弓島は俺の拳を掴んだまま、俺の腹部に向かって拳をぶつける。

 俺は突然のことで油断し、その場に膝をつく。


「おまえ……一体何をした…」


「何ってなんだよ? 俺は別に何もしてないぜ〜」


「この前まで俺に手も足も出なかったお前が、なんでこんな短期間にここまで力をつけられた!」


「それを敵に言うと思うか? 言わねぇだろ!!」


「ぐっ!」


 俺はそのまま投げ飛ばされ、地面に倒れる。

 なんでだ、なんでこいつがここまでの力をつけている?


「ははは! 驚いてるなぁ〜そりゃあそうか……どんな気分だ? 雑魚だとい思ってたやつがめちゃくちゃ強くなってたらよぉ!」


「うぐっ……」


 弓島はそう言いながら、俺に近づき俺を蹴飛ばす。

 なんなんだ、こいつ力も強くなってないか?


「おい、代わるか?」


「引っ込んでろ、大丈夫だ」


「おいおい、無理しない方が良いんじゃないのかっ!!」


「ぐっ!」


 弓島は話をしながら、俺を殴ってくる。

 俺はガードしながら弓島のこの急成長は何が影響しているのかを探る。

 俺が弓島と交戦している間に、高弥は悟と大島の側に行き介抱していた。


「おい、お前らまさかまたあの子達に手を出そうとなんてしてねぇよな……」


 悟は確か最近は彼女と下校していたはずだ。

 まさかと思うが、またこの前みたいに囲って何かをしようとしているんだったら、こんな奴に構っている暇はない。

 幸い今は俺に力を見せつけられてご満悦な様子だし、簡単にポロッと話すかもしれない。


「へへへ、実はなぁ……俺は高校で岡崎のグループを抜けたあと、とある人に良くしてもらってなぁ……その人が現役の女子高生のポルノビデオを撮影したいって言っててなぁ……今頃どうなってるぐばぼべっ!!」


 俺はそう得意げに話弓島の顔面に拳をぶつけ、弓島を殴り飛ばす。


「それ以上はもう良い、さっさとどこに連れて行ったかを言え」


「そ、そんな……俺の方がお前よりも……」


「俺よりも……なんだ? 行ってみろ」


 俺はそう言いながら殴り飛ばされた弓島に近づき、胸ぐらを掴んで弓島に尋ねる。


「お、お前よりも強くなったはずなのになんで!!」


「そりゃあ……お前が俺よりもまだまだ弱いってことだよ……さぁ、さっさと言え」


「うぐっ……だ、誰がいうか!」


「そうか……なら選べ、半殺しになるか……話すかだ」


「ひぃ!! ま、待て! 話す! 話すから!!」


 俺が女の子達の場所を訪ねながら弓島を威圧すると、弓島はあっさり居場所を吐いた。


「こ、この家にデカイ倉庫があって、女はそこに!」


「高弥、岡崎、ここを頼むぞ」


「わかった、平斗は早くそっちに!」


「悪いが俺もいくぜ」


「はぁ? なんでお前もついて来るんだよ?」


 俺が外の倉庫に向かおうとすると、岡崎が後ろからついてきた。


「なんでお前が」


「いや、弓島の言ってた世話になった人ってのが気になってな……」


「心当たりでもあるのか?」


「まぁな……その人だったら最悪だ」


 岡崎と俺は話をしながら、外にある大きな倉庫まで走った。

 倉庫は大きかった、倉庫は2階建てになっており、中からは複数の人の気配を感じた。

 俺は倉庫につくなり倉庫のドアを思い切り開け放った。


「おい!」


 中に入るとそこは広い部屋のようだった。

 中には不自然に置かれたソファーとベッドが置いてあり、照明3つがベッドとソファーを照らしていた。

 そのベットの上に今まさに服を脱がされそうになっている初白と悟の彼女の香奈がいた。

 周りには六人の男がおり、一人はカメラを回していた。

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