第50話
*
「はぁ~疲れたぁ~」
「初白さん、ボーリング上手なんだね」
「スコア180って……無駄な特技を持ってるのな」
「無駄は余計ですよ! 島並先輩なんてスコア100もいって無かったくせに!」
「良いんだよ、楽しめればそれで」
「でも、100いって無かったのは平斗だけだったね」
「おい、お前ら……そんなに俺をいじめて楽しいか?」
正直この二人に負けたもはかなり悔しい。
強がってこんな事を言っているが、まさか初白にまで負けるなんて……。
てか、なんであんな上手いんだよ!
おかしいだろ!
これがリア充と非リア充の差か?
「さて、そろそろ時間も時間だし、解散にしようか」
「そうですね」
「おう、明日も学校だしな」
高弥の言葉に俺も初白も同意し、皆で駅まで向かった。
「高弥、初白を送って行ってやってくれ、俺の家は反対方向だから」
「あぁ、分かったよ、じゃあまた明日学校で」
「おう、アh……初白もじゃあな」
「今アホって言いかけました?」
「いや、そんな事は無いぞ」
「じゃあ私の目を見て行って下さいよ!」
「へいへい、じゃあな初白」
「まったく……ば……先輩もお気を付けて」
「おい、今ばって何を言いかけた?」
「……何も」
「おい! ばってなんだ! バカか! それとも馬鹿野郎か!」
「平斗落ち着いて、どっとも意味一緒だから」
帰り間際にワーワー騒いだ後、俺は初白達と別れ、自宅に帰って行った。
まったく、あいつと一緒だと疲れる……。
俺はそんな事を思いながら、自宅までの道を歩く。
まぁでも……たまにはこんなのも良いかもしれない。
そんな事を考えながら、俺は自宅に帰って行った。
*
「初白さん、今日はごめんね、途中からの参加になっちゃって」
「い、いえ……途中からでも来てくれてうれしかったです……」
「平斗から怒られちゃったよ、何やてたんだぁーって……当たり前だよね」
「よ、用事なら仕方ないですよ」
私は島並先輩と真木先輩と遊びに行った帰り道、真木先輩に家まで送って貰って帰っている途中だった。
優しい先輩は私の荷物を持ってくれて、ニコニコしながら私と話しながら、家までの道を歩いてくれる。
流石真木先輩、イケメン過ぎる!
でも……やっぱり緊張してしまうのは、この人がイケメン過ぎるからだろうか?
島並先輩とだとまったく緊張しないんだけどな……。
「そう言えば……初白さんに少し聞きたい事があるんだけど……」
「え? な、なんですか?」
も、もしかして……私に彼氏は居るのか聞きたいのかな?
安心して下さい先輩!
私はフリーです!!
「最近、クラスではどう?」
まぁ、予想はしてたけど……全然違う質問だった……。
「さ、最近ですか? なんでそんな事を?」
「いや……少しね……いじめられたりとかしてない?」
なんでそんな事を聞くのだろうか?
もしかして……先輩気がついてる?
だったら、正直に話した方が良いかな?
でも……迷惑を掛けるかもしれないし……。
「あ……えっと……べ、別に変わった事はありませんよ?」
「……そっか、なら良かった」
私は先輩に嘘をついた。
でも、先輩に迷惑や心配は掛けたくない。
それにこの問題もきっと時間が解決してくれる!
そうだ……私には真木先輩が居る……。
*
「じゃあ、僕はこれで」
「はい、送ってくれてありがとうございました!」
「ばいばい」
僕は初白さんを家に送り届け、自分の家に向かって歩き始める。
歩きながら僕は平斗に電話掛け始めた。
「もしもし? 平斗?」
『んあ……誰?』
「平斗……昼寝してただろ?」
『ふあ~あ、いや少し疲れてな……それでどうだった?』
「うん、多分初白さん、クラスで何かあったみたい」
『やっぱりか……』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます