第50話



「はぁ~疲れたぁ~」


「初白さん、ボーリング上手なんだね」


「スコア180って……無駄な特技を持ってるのな」


「無駄は余計ですよ! 島並先輩なんてスコア100もいって無かったくせに!」


「良いんだよ、楽しめればそれで」


「でも、100いって無かったのは平斗だけだったね」


「おい、お前ら……そんなに俺をいじめて楽しいか?」


 正直この二人に負けたもはかなり悔しい。

 強がってこんな事を言っているが、まさか初白にまで負けるなんて……。

 てか、なんであんな上手いんだよ!

 おかしいだろ!

 これがリア充と非リア充の差か?


「さて、そろそろ時間も時間だし、解散にしようか」


「そうですね」


「おう、明日も学校だしな」


 高弥の言葉に俺も初白も同意し、皆で駅まで向かった。


「高弥、初白を送って行ってやってくれ、俺の家は反対方向だから」


「あぁ、分かったよ、じゃあまた明日学校で」


「おう、アh……初白もじゃあな」


「今アホって言いかけました?」


「いや、そんな事は無いぞ」


「じゃあ私の目を見て行って下さいよ!」


「へいへい、じゃあな初白」


「まったく……ば……先輩もお気を付けて」


「おい、今ばって何を言いかけた?」


「……何も」


「おい! ばってなんだ! バカか! それとも馬鹿野郎か!」


「平斗落ち着いて、どっとも意味一緒だから」


 帰り間際にワーワー騒いだ後、俺は初白達と別れ、自宅に帰って行った。

 まったく、あいつと一緒だと疲れる……。

 俺はそんな事を思いながら、自宅までの道を歩く。

 まぁでも……たまにはこんなのも良いかもしれない。

 そんな事を考えながら、俺は自宅に帰って行った。





「初白さん、今日はごめんね、途中からの参加になっちゃって」


「い、いえ……途中からでも来てくれてうれしかったです……」


「平斗から怒られちゃったよ、何やてたんだぁーって……当たり前だよね」


「よ、用事なら仕方ないですよ」


 私は島並先輩と真木先輩と遊びに行った帰り道、真木先輩に家まで送って貰って帰っている途中だった。

 優しい先輩は私の荷物を持ってくれて、ニコニコしながら私と話しながら、家までの道を歩いてくれる。

 流石真木先輩、イケメン過ぎる!

 でも……やっぱり緊張してしまうのは、この人がイケメン過ぎるからだろうか?

 島並先輩とだとまったく緊張しないんだけどな……。


「そう言えば……初白さんに少し聞きたい事があるんだけど……」


「え? な、なんですか?」


 も、もしかして……私に彼氏は居るのか聞きたいのかな?

 安心して下さい先輩!

 私はフリーです!!


「最近、クラスではどう?」


 まぁ、予想はしてたけど……全然違う質問だった……。

 

「さ、最近ですか? なんでそんな事を?」


「いや……少しね……いじめられたりとかしてない?」


 なんでそんな事を聞くのだろうか?

 もしかして……先輩気がついてる?

 だったら、正直に話した方が良いかな?

 でも……迷惑を掛けるかもしれないし……。

「あ……えっと……べ、別に変わった事はありませんよ?」


「……そっか、なら良かった」


 私は先輩に嘘をついた。

 でも、先輩に迷惑や心配は掛けたくない。

 それにこの問題もきっと時間が解決してくれる!

 そうだ……私には真木先輩が居る……。




 

「じゃあ、僕はこれで」


「はい、送ってくれてありがとうございました!」


「ばいばい」


 僕は初白さんを家に送り届け、自分の家に向かって歩き始める。

 歩きながら僕は平斗に電話掛け始めた。


「もしもし? 平斗?」


『んあ……誰?』


「平斗……昼寝してただろ?」


『ふあ~あ、いや少し疲れてな……それでどうだった?』


「うん、多分初白さん、クラスで何かあったみたい」


『やっぱりか……』

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