第19話
本当にこんな奴に協力しても良いのだろうか?
「てか、ボッチの先輩からそんなアドバイスもらってもねぇ~」
「あぁん? お前そろそろぶちのめすぞ」
「きゃー、コワーイ」
「………」
あぁ、もうムカつくな……なんで俺がこいつの恋を協力しなくちゃいけないんだ……。
まぁ、唯一の友人のためだ、ここは我慢しよう。
「まぁ、確かにリア充のお前には無用な心配だったか。話題は自分で探せ」
「じゃあ、最近真木先輩がハマってるマンガとかドラマとか教えてくださいよぉ~、そこから話題を広げます」
「は? あいつはドラマはあんまり見ないし、マンガもそんなに読まないぞ」
「えぇ~、じゃあ真木先輩って普段は何してるんですか?」
「あぁ……あいつは結構小説が好きでな、小説の話なら食いつくと思うが……」
「えぇ~私文字だけの本って嫌いですぅ―」
「子供かお前は……」
全く、あぁ言えばこういうやつだな……。
ん?
てか、よく考えてみれば……。
「てか、俺に聞いた質問をまんま高弥にすれば良いんじゃないか?」
「え? どういう意味ですか?」
「だから、普段は何してるかって質問」
「あぁ! なるほど! それなら私が無理に話す必要ないですしね! 真木先輩が勝手にいろいろ教えてくれるわけですね!」
「勝手にではないがな……まぁ、そういう感じだ」
「じゃあ、それでいきましょう! 先輩! サポートヨロです!」
「あん? サポート?」
いきなり何を言ってんだこのドアホは……。
「はい! もちろん、後ろからついてきてサポートしてくれるんですよね? 協力するって言いましたし!」
「それは知らん、勝手に行ってこい」
「協力するって言ったじゃないですか!」
「知るか! 俺はさっさと一人で帰る」
「えぇ~どうせ家に帰っても一人で暇じゃないですかぁ~?」
「おい、勝手に俺を暇人認定するな」
「でも、暇じゃないですかぁ~?」
「もういい、わかった。お前に日本語は通じないようだな、日本語を学んで出直すか母国に帰れ」
「シバきますよ?」
結局俺は放課後、初白と高弥の後ろをついていくことになってしまった。
なんで俺がそんな面倒なことを……。
てか、俺がわざわざそんなことをしなくても、こいつがボロさえ出さなければ、大丈夫な気もするが……高弥のあんな様子見たことないし……。
そんなことを考えながら、俺が屋上を後にすると、今度は昨日の柄の悪い一年生に再び絡まれてしまった。
「おい、昨日はよくもコケにしてくれたな!」
「いや、コケにしたつもりはないんだが……」
「うるせぇ!! お前の良くない噂はいろいろ聞いてんだぞ!」
「あっそ……だからなんだ?」
「お前! やっぱり初白さんに何かしてるんじゃないのか! 初白さんにいくら言ってもお前の噂を信じないんだぞ!!」
「え? あいつが?」
やっぱり、あいつ……俺の噂の事は友達とかかから聞いてのか……。
それでもあいつが俺に協力を求めてくるのはなんでだ?
そんなにあいつは高弥と付き合いたいのだろうか?
てか、俺のあのいろいろな噂をしってて俺に普通に接してくるなんて……変わってるな……あいつ……。
「別に何も言ってねーよ、てかお前らは俺に何をしてほしいんだよ?」
「初白さんにもう近づくなよ!」
「俺が近づいてるわけじゃないんだけど……」
「お前のせいで初白さん、最近女子から裏で陰口言われてんだぞ!」
「え? 最近なの?」
「そうだ!」
「前からだと思ってた……」
「どういう意味だよ!」
いや、あいつあの性格で陰で何も言われてないのはおかしいだろ?
先輩にあれだけ舐めた口聞いてる奴が、陰口言われないわけがないと思っていたが……。
てか、俺のせいであいつ陰口言われてんのか……。
「はぁ……お前らクラスメイトなら俺に近づくなって直接言ってやれよ。俺がなんて言ってもあいつは俺にまとわりついてくんだよ」
「俺らが言っても聞かないから言ってんだよ!!」
俺は柄の悪い一年生、大島だったかな確か?
大島にそう言い、自分の教室に戻っていく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます