第18話
まさかこんなに上手くいくなんて!
これも私が可愛いからね!
あ、あと少しだけ島並先輩のおかげか……。
「先輩にも報告した方が良いかな?」
まぁ、連絡先の交換とかあの人のおかげだし、真木先輩の友達だし……一応報告しておこうかな?
「ま、明日会ったらで良っか!」
私はニヤニヤしながらスマホの画面を見る。
まさかあの学園の王子様とこんなに早くにお近づきになれるなんて!
これは付き合えるのも秒読みね!
「関係ないけど、明日は勝負下着を着ていこう!」
誰に見せるわけでもないが、気合を入れるため、私は一番気に入っている勝負下着をクローゼットの中から取り出す。
*
翌日、俺は学校行ったとたん、初白に捕まり屋上に連れていかれた。
「なんだよ急に……」
「先輩……可愛いって罪ですよね……」
「なんだ? いつもアホだが、なんかいつも以上にアホっぽいぞ、病院行くか?」
「喧嘩売ってますか? まぁ良いです、今日は可愛い蓮花ちゃんは広い心で許してあげます」
「脳外科で治るかな?」
「何科に行くか調べるのやめてもらえます?」
「いや、精神的な問題って場合も……」
「だから病気じゃないって言ってるでしょうが、社会的に抹殺しますよ」
「安心しろ、俺はもう社会的に抹殺された後だ」
今日の初白は何かおかしい。
浮かれているというか、なんというか……。
てか、こいつ俺の過去の話を聞いたんだよな?
それでこのテンションはどういうことだ?
「なぁ、お前聞いたのか?」
「何をです?」
「いや、だから俺のことについて……」
「え? 先輩が根暗でボッチな可哀想な人って話ですか?」
「あぁ、そうか……お前は俺をそんな風に思ってたのか……どうしよう、殺意が湧き出して止まらない、助けてくれ」
「なんですか? 中二病ってやつですか?」
「年下にマジで頭に来たのは初めてだよ」
このままでは一向に話は進まない。
俺は高弥と昨日何を話したのかを聞いてみることにした。
「で……昨日は何を話したんだ?」
「残念ながら、先輩の過去の恥ずかしい話は聞けませんでした」
「あっそ……で、その後は?」
「うふふ……今日、真木先輩と一緒に帰ることになりました……」
「ふぅーん……そうか」
やはり高弥は本気なのか?
女の子を放課後誘うなんて……。
今までの高弥からは想像が出来ない。
やはり高弥は……。
「おい、アホ」
「私の名前は蓮花なんですけど?」
「喜べ、アホ。俺はお前の恋に協力してやる」
「あの、私の声聞こえてます?」
「不服だが、高弥はお前に少なからず興味を持っている、それはお前も気が付いてるだろ? ドアホ」
「先輩、話の内容はすごく喜ばしいんですが、今私は先輩に思いっきりビンタをかましたいです」
「それはお互い様だ!」
「まぁ、それは真木先輩と付き合えた後に取っておくとして……」
「取っておくなよ……」
「で、結局のところ先輩は私に協力してくれるんですか?」
「あぁ、高弥にお前みたいなアホは不釣り合いだが、高弥が興味を持ってる女子だしな……高弥のためだ」
「そっかぁ~真木先輩が私を……ふへへ……」
「………高弥に考えなおせって言ってこようかな……」
俺の言葉にだらしのない笑みを浮かべる初白を見て俺は深いため息を吐く。
普通にしてれば十分美少女なんだがなぁ……。
「まぁ、そうと決まれば作戦会議だ」
「作戦会議? 何のですか?」
「放課後、一緒に帰るんだろ? その時に話題に困ったりしないようにあらかじめ話題を何個か考えていくんだよ、どうせお前、緊張して話題なんて考えられないだろ?」
「なるほど……一理ありますね」
「だろ? じゃあまず聞くが、お前は高弥と二人きりだった何を話す?」
「え? そ、そうですね……す、好きな食べ物とか、趣味とかですかね……」
「無難だが良い話題だな、どっちも会話を広げやすい」
「まぁ、私は先輩みたいにボッチじゃないから」
「お前は相変わらず俺を馬鹿にしてんな……」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます