第5話 空から女神様!で、テンプレどうりの展開です

 祭壇の鏡の前で消えたエスティは、説明とコウ達を見届ける為に、コウ達が居る世界へと飛んだ。



 ◇◇◇



 モンスターがコウと千代に迫って来る。

 ただ、モンスター迄の距離がまだある為に、2人からはモンスターを確認できないでいた。

 


 「千代!ここから離れるぞ!」

 


 コウが自分の後ろにいる千代に叫ぶ。

 千代はコウの言葉に頷く。が、千代は自分の体を動かそうとするが、恐怖の為に体が震えて動かない。



 「コ、コウちゃん‥‥‥体‥‥‥動かないよ‥‥‥」

 「えっ⁈」



 千代は震えながら言葉を話す。

 振り向くコウは千代を見ると、涙目をしながら体を震わしていた。

 コウは千代の手を取ると、千代の手の震えがコウの手に伝わる。

 コウはその時、千代の恐怖が伝わって来た。自分もこんな訳の分からない場所にいきなり来て、得体の知れないモノが迫って来ている。そんな状況では怖くない方がおかしい。ましてや千代は女の子だ。自分以上に恐怖している。

 そんな千代を見たコウは、自分の腰を落とし、千代におぶされと言う。

 


 「いいのコウちゃん?」

 「ああ、早くしろ」

 「うん‥‥‥ありがとうコウちゃん」



 千代がコウにおぶさろうとした時、空から女性の悲鳴が聞こえて来た。

 


 「‥‥‥きゃああああああー!」



 その悲鳴にコウと千代は動くのを止めると、聞こえて来る空の方を向くと、



 「‥‥‥人?」

 「うん‥‥‥人だ‥‥‥て!おいおい、ここに落ちてこないかよ!」



 コウは腰を落としたままではすぐに動く事が出来なく、背を向けて落ちて来るエスティと、



 ヒューーーン!ドォーーーン!!!



 コウは落ちて来たエスティに「グゥッ!」と言って押し潰された。そんな事になっているとは知らず、エスティは自分があんな所から落ちたのに、なんともない事に、流石私的な表情をして、

 


 「‥‥‥アタタッー。現れる場所間違えちゃった、けどなんで‥‥‥アッ!私、飛行魔法使えたんだっけ〜、テヘッ///」



 エスティは恥ずかしそうに反省をした、かはしてないでしょうな、てな表情で笑う。

 そんな姿を見た千代は、今まで恐怖ですくんでいたが、いつの間にか恐怖がすっ飛んでいて、目を点にしてエスティを見つめる。



 「‥‥‥貴女は誰ですか?」

 「私?私はエスティ、女神エスティね♡」

 「エスティ?女神様?」

 「ええ、そうよ。‥‥‥あれ?貴女1人?確かもう1人いた様な〜?」



 エスティが不思議がりながら千代に質問すると、千代はエスティの下敷きになっているコウに指を刺す。



 「‥‥‥ぐぬぬぬっ‥‥‥お、おい、早くどけって‥」

 「あっ!そんなとこにいたのね。ごめんなさい」

 「い、いから早くどけ‥‥‥重いんだから」



 コウが苦しそうに言うと、エスティは眉毛をピクリと動かすと、まるで女神が微笑むかの様に(まあ、一応女神なんですけど)、



 「誰が重いのかしら、誰が‥ニコリ」

 「お前だ、お・ま・え‥‥‥でえぇぇ!」



 エスティ微笑みながら、額には怒りマークを出すと、コウの頬を両手で引っ張る。

 コウもエスティに体の上に乗られた状態で頬を引っ張られては、たまったものでもなく、さっき千代に乗られて、同じ事を言って怒られた事を思い出すと、



 「か、かぐい(悪い)きやごはあし(今のはなし)あえががぐがあ(俺が悪かった)」



 コウが謝ると、エスティはコウの顔から手を離し、またニコリとするとコウの上からどき、いかにも偉そうな態度で腕を組んで、二人の前で仁王立ちをした。

 そんな姿を見た千代は、



 「あ、あの〜う、本当に女神様?」

 「ニコリ、ええそうよ。私は女神エスティ」

 「本当に?」

 「ええ、現に空から落ち‥‥‥降りて来たでしょう」



 コウと千代は互いに顔を見るて、今度はエスティの方を見る。そしてコウが不機嫌そうな顔で、



 「あれは降りて来たではなく、落ちて来たの間違い‥‥‥いででで」

 「あら?このお口かしら?今の言葉をだしたのわ?」

 


 エスティ、またコウの頬を引っ張る。たまらずコウはすぐさま謝ると、千代は、



 「‥‥‥それで、なんでまた女神様が私達の前に?」

 「えっ?あっ!そうそう。実は‥‥‥」



 エスティが言いかけた時、目の前の木がバキバキと折れ、そこからは出て来たのは、モンスターだった。

 



 


 

 

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