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創世の塔。
それは、地球に人間が生まれ落ちたときから、あったらしい。
有名なところでは、アトランティス大陸やムー大陸、俗にいう失われた大陸、文明が現れ喪失したのにも創世の塔が関与していたという。
その塔が現れたということは、僕が生きているこの時代が喪失することを意味している。
黒崎。死神と言われる存在は、人間の生命を奪うという定説を凌駕する圧倒的な力を秘めているのだ。
それを止められるのは、シムカ機関やメシア、そしてレベッカというカード。そこに表も裏もないのだ。
いや、黒崎という概念をレベッカから聞かされたものとしては、そのどれも決定打にはなりえない。それでもやらなくてはいけない。目を逸らすことも逃げることも今の僕には、できようはずがないのだ。関わってしまったから、知ってしまったから。世界の表も裏も。だから、やらなくては。
「少年、これでも悪いと思ってるんだぜ」レベッカは、目を伏せながら言う。「世界の命運に少年を関わらせてしまったってことをよ。だけど、これが最後だ。勝つにせよ、負けるにせよ、これが最後の闘いだ」
僕は、右手に持ったロンギヌスの槍を強く握りしめた。
レベッカと初めて会った日が、つい昨日のように感じる。あのときから、運命の歯車が回りはじめていたんだ。
レベッカの隣にいるのが僕でよかった。
嘘偽りなくそう思う。
そう、僕は、レベッカのことがありすと同じくらいに好きなのだ。
口が悪いところも、いつも不遜な態度なところも、そして誰よりも優しいところも、そんなレベッカが僕は大好きなんだ。
僕たち三人に、恐れも迷いも、後悔もなかった。
ムーくんは言う。
「行きましょう、世界の果てに」
僕とレベッカは、その言葉に頷いた。
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