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シムカ機関が創設されたのは、レベッカから聞いた話だと、昭和初期の頃だという。それ以前から日本という国は、悪魔払いや風水、竜脈といった伝承が広まっていたらしい。しかし、それが時代のなかで風化していった。それを嘆いたあの方がシムカを創設し、救世主を求めた。

その救世主というのが、レベッカであり、昭和チルドレンであるという話だ。

どちらも、魂に付随する人格が現世の人間に転生して、生き長らえているという話だ。

これを言ったら、レベッカは心外に思うかもしれないが、僕はそういう存在を、神と呼ぶのではないかと思った。


「平成生まれの少年にはわからないのも無理はねーとは思うけど、昭和という時代が日本の象徴なんだぜ」

「まあまあ、自分の生まれた年が日本の象徴だと思ってしまう側面があるにしろ、でも確かに、学校で習った限りの情報だと、昭和っていうのは、日本の一番の転換期だったってのは、なんとなくわかる気がするよ」と僕は思ったことを素直に言った。

「少年が話のわかる奴で助かるよ。これはおまけなんだけどよ、俺も昭和チルドレンも、もう生まれ変わることは出来ない。今回が最後だ」

「それって、どういう……?」突然のことに僕の言葉はしどろもどろになった。

「魂がこれ以上もたねーんだよ。精神が限界を迎えてるっていえば、わかりやすいかな。まあこれもひとつの魂の救済ってやつなのかね。まあ、妹君の身体を守ることは約束するぜ。そこは少年との約束だからな」必ずだ、とレベッカは僕の目を見て言った。

僕は、そこに一抹の寂しさを感じたことに苦笑した。

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