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僕とレベッカは、ジョリーンさんと別れてから、片桐がいたマンションの近くにある、一軒のカフェに来ていた。
「なあ、レベッカ。黒崎一族とは長い付き合いみたいだけどさ、お前に目をつけられて生き延びているっていうのがどうにも附に落ちないんだよな」僕は首を捻る。「黒崎ってのは、本当に人間なのか?」
「言ったろ。奴は人間を超越した存在、死神なんだよ。しかし、ナイフで刺せば、血が出るし、ピストルで心臓を撃てば、それだけで死ぬような存在さ」ただ、な、とレベッカは続ける。「俺ひとりじゃ奴を殺すことは出来ない」レベッカはらしくもなく弱気なことを言う。
「奴の殺意の量は半端ねーんだよ。その量は、俺の遥か上を軽々と飛び越えてしまうほどのな」
「だけど、神殺しならぬ、死神殺しをするって断言したのはお前だろ。あの発言はブラフなのかよ?」僕はレベッカを挑発するように言った。
「そこでだ、そこで初めて話はスタートラインに立つことができる」そこでレベッカは言を改めた。「昭和チルドレンの力を借りる。あの昭和を表に裏に動かしてきたあいつらがここで再登場ってわけだぜ」
昭和、チルドレン?
「シムカ機関最後の砦さ」
そう言って、レベッカは、ウインクした。
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