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僕とレベッカは、シムカが用意したマンションの一室で寛いでいた。内装はかなり豪華で、部屋数もかなりある。

そのだだっ広いマンションの一室のひとつで僕とレベッカはトランプゲームのポーカーに興じていた。

「お前さ、ツーペアで勝負するか普通」と僕はドロップを宣言した後でこいつの手札を見て呆れる。

「ポーカーフェイスで有名な少年だけれど俺には少年の心理が手に取るようにわかるんだよ」くくっ。

「あー、もうお手上げ。お前には何をやっても勝てる気がしないよ」と言って僕は降参のポーズを取る。「そういえば明日は久し振りに仕事が入ってるんだよな。なんていったっけ、あの政治家?」

「片桐政治。かなりの大物らしいぜ。裏でかなり悪どいというか、際どいことをしているらしいな」レベッカはらしくもなく神妙な面持ちで言う。「本人は手を下してないが、奴の周辺で他者が何人も生命を落としてるらしいぜ」

「だけど、シムカからの話だと、立件することはかなり難しいらしいな。物的証拠がなにもない。だから、僕たちの出番ってわけなんだけど。それにしても、いつから僕らは司法機関の執行人になったんだか」僕は嘆息する。

「そう言うなよ、少年。俺たちはそういう世界で生きてるんだからよ。少年も今までの経験でよくわかってんじゃねーのかよ」レベッカはシニカルに笑う。「世界には死ななきゃなおらねー馬鹿がいるってよ」

まるで、悪を裁くヒーローごっこめいている。だがこれは、遊びではない。救済なんて言っているけれど、人が実際に死んでいる。いや、殺しているのだ。


僕は思う。

この先の未来に果たしてなにが待っているのかと。

死ななきゃなおらないのは、もしかしたら僕たちの方なのかもしれない、とも。




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