第10話 愛のための謀だったのに

 横須賀海軍病院は軍関係者のための施設であったが、その病院に収まりきらないほどの負傷兵がなだれ込んでいた。

どこの軍系列の病院も手一杯という状況が語るのは戦況悪化そのものだ。

あれから数週間後に訪ねてみたが、あまりの忙しさに燈子をつかまえることさえままならない毎日だ。

「高野さんは?」

 燈子の上司をつかまえてきくが、やんわりと忙しいから後にしてほしいと断られる。

 燈子にはまだ赤紙が届いてはいない。

 あまりに優秀だからとか、海軍のお偉いさんたちが止めているのだとか散々噂されていたが、尾上も同じだろうが俺も日々冷や冷やしていた。

 この戦況で国外に派遣などされ、敵の手にでも落ちてみろ、女の燈子がたどる道はそれこそ目も当てられない。死ぬより辛い目にあわされかねない。

「川村中尉!」

 生成りの風合いの看護婦の制服を身にまとい、階段上から燈子が駆け下りてくる。

 俺は目をぱちくりするしかできない。燈子の袖口や裾は真っ赤だ。

「それ、どうしたんですか?」

「あ、すみません。急いできたもので。」

 燈子はさっと両手を後ろへ隠すようにして笑った。

 前髪が汗でびっしょりで額に張り付いている。表情には疲れがありありとにじみ出ており、少し窶れてしまっていた。

「今、ちょっと大変だったもので。」

「それで、ちょっと?」

「いつものことですよ。 多少ですが暴れられてしまって。」

「あなたが押さえつけるのですか?」

「はい、私が押さえつけます。 あなたも、尾上さんも大暴れされたのでおさえつけましたよ? 記憶がないでしょう? 薬を塗るにも、包帯をかえるにも大変だったんだから。」

 燈子は袖口からのぞくほとんどあるかもわからない程度の力こぶをわざとみせて笑う。

 相変わらず華奢な腕なのに、たまにすごく力があるように見えるのが不思議だ。

「全く持って記憶がないです。 申し訳ない。」

「男性は痛みに弱いから仕方がないのでお気になさらず!」

 悲しいほどに燈子に元気よく言いきられてしまい、男としての所在のなさを感じながらも、苦笑いするしかなかった。

「暴れた奴が部下なら粛清しますよ。」

「次回からよろしくお願いします。」

 燈子は嬉しそうに笑って、丁寧にお辞儀をして、俺はそれに対してわざとらしく敬礼してみせる。

 何もかもが厳しい時代だけど、こうしたふんわりと温かい時間は大切にしたい。

 階上からはうめき声や金属音が響いている中、場違いな会話をはじめることにする。

 時は金なり。

 この時代にあって時間は金以上のものがある。

「で、お詫びのお出かけの件ですが行かれるそうです。」

 燈子の頬が喜びに一気に上気する。

「もっぱら明後日までに何も起こらなければ、という条件付きですが。」

 俺は有頂天になりかけている燈子を落ち着かせるために意地悪な物言いをする。

 目の前でこんなに喜ばれてしまうのは、いささか男として腹が立つからだ。

「わかりました。私も予定通りにお休みになりますようにとお祈りしておきます。」

 意地悪なんてまったく通用しない燈子の笑顔に肩を落とす。

 お祈りされてしまっては、どうあっても整えてやりたくなる。

 実は、このお約束を当の尾上は知らない。何を隠そう、俺と小泉の謀だからだ。

「では、日時は以前お伝えしたとおり。 それと、あまり無理をなさらないでくださいよ。ひどくお疲れのようですから。」

 俺の何気なく言ったこの言葉に何故か燈子はびくりと肩をすくませた。

 後になって思えば、この頃から燈子は気づいていたのかもしれなかった。

 燈子が目をそらす。ただそれだけの仕草だったのに、何故か不安が広がった。

「燈子さん?」

 俺が顔を覗き込むようにしてみると、すぐに何でもないとふいっと顔をそむけられてしまった。

「今日はこれで終わりですから、大丈夫。 ゆっくりしますから。 では、また。」

 その時はこの違和感ある燈子の雰囲気をそれほどまでに深く考えてはいなかった。

 燈子は軽く会釈をして、再度、階段を駆け上がっていく。

「血まみれでも、あんたは何でそんなにきれいに見えるんだろうな。」

 俺は燈子の姿が見えなくなるまで見送り、踵を返して病院施設を出る。

 俺は『オヤジ』こと里見大佐はあまり気に食わないが、こんな世の中だからこそ愛を知っておくべきだという点には同感だ。

「尾上馨、男になりやがれ!」

 俺は天に祈るように空を見上げた。

 お人好しは後々苦しいぞと曇り一つない空に笑われた気がした。




 ※


 尾上に無許可のお詫びの旅は横浜へ出かける手筈だったのだが、直前でその計画は大幅に変更せざるを得なくなってしまった。

 よりにもよって寺脇少将が正面から尾上を訪ねてやってきてしまったのだ。

 俺の謀を露ほども知らない尾上は当然のごとくそれを迎え撃ってしまったわけで、時機を逸して言い出せなくなってしまった俺と小泉は部下に手紙をもたせて、こっそりと燈子のもとへ急がせていた。

 気もそぞろになりながら4時間遅れで何とか尾上を連れ出すことには成功した。

 寒空の下、ぽとりぽとりと雨のしずくがおちはじめ、わけのわかっていない尾上を車に押し込んで待ち合わせの場所にむかった。

 しかし、そこで待っていたのは急転直下、悪夢だった。

「何で……。」

 俺も小泉も目の前で起きていることが理解できず、呆然とするしかなかった。

 傘をさして待っていたのは、燈子ではなく、あの寺脇登紀子だったのだ。

一般女子の反発を食らいそうな薄いピンク色の仕立ての良いワンピースが風にゆれる。

 さらには、その場に先刻別れたはずの寺脇少将までいる始末だ。

「説明しろ。」

 尾上の静かな怒りはごもっともなのだが、如何せん、俺たち自身も何が起きているのかが把握できていない。

 手短に、事の成り行きを耳打ちすると、尾上は盛大なため息を漏らした。

「で、いるはずのものはどこへやられた?」

 尾上の言葉に俺たちはようやくはっと息をのんだ。

 手紙を途中でインターセプトした奴がいるとしたら、燈子にこの予定変更は伝わっていない。

当然、燈子はこの雨の中、待ちぼうけをくらったことになる。

「探します!」

 俺が駆け出そうとした瞬間、尾上が俺の腕をつかみ引き戻した。

「……あちらはどうにもご存知らしい。 聞く方が早そうだ。」

 尾上は眉間に深いしわを刻んだまま、ぐっと前方を見据えた。こんな猛禽類のようなきつい目をした尾上を一度も見たことがなかった。

「教えてもらえませんか? 『何』をどうしましたか?」

 登紀子と少将、どちらにむけて発した言葉かがわからなかったが、尾上の声のトーンは著しく低く、そばにいる俺達ですらぞっとするような響きだった。

 威嚇を通り過ぎているような怒りの先にある感情があふれ出している響きだ。

「お話をしましたよ。 高野燈子さん自身のお見合いのお話しも含めて。」

 額に一気に汗が噴き出した。

 燈子を強制的に誰かのもとへ嫁がせて消そうというのか。

そして、それを燈子自身に悟れと圧力をかけたに違いないと思った。

 登紀子が悪魔に思えて、口の中が一気に乾燥して、普段ならするはずもない咳までが飛び出してくる。

「ほう? あれだけ要らんことをするなとお願いしたのに。」

 尾上は胸の前でゆっくりと腕を組んだ。そして、最大級の不愉快を表情にのせた。

「我々には交渉が必要だと思わないか?」

 寺脇少将が余裕のある微笑みのまま、歩み寄ってくる。

「交渉をというのなら、まずは品位を見せてくださいますか?」

「それは貴様の返答次第というわけだがね。」

 寺脇は品よくはやした髭をゆっくりとなでた。

 これが芝居小屋の舞台であったのならば、まさに悪役そのものの完璧な寺脇の所作だ。

それに対峙している尾上は小ばかにしたように笑い飛ばす。

「寺脇少将、俺は先日、お話した通りの返答しかもてません。」

「尾上、賢くなれと言ってみようか?」

 寺脇は静かな物言いをするが、明らかに圧迫をかけてくる。

「お前を見込んでいる。 だから、基地以外であうためにこうして出向いてきた。」

「随分と用意周到なことで?」

 尾上の纏う雰囲気が一気に氷のように冷たいものに変わる。

「尾上、自力でかけあがるにはもうお前は頭打ちだ。 今橋中将の傍にいること自体がお前の海軍での立ち位置をわける。 そうだろう?」

「おとといきやがれか。 なるほど、本当に名言だな。」

 尾上は鼻で笑ったあと、色が変わるほどに唇をかんだ。

 寺脇と登紀子はその様子に小首をかしげる。

「頭打ち上等です。 今更出世してうまい話などありますか? せいぜい山のように積み重なっていく責任を背負うだけでしょうが! 責任をひたすらに押し付けられる席を与えられるためのご褒美がこの程度の女では割に合わない。 交渉以前の問題だ。」

 ちらりと登紀子に目をやり、尾上は寺脇の前であるにもかかわらず、ちゃんちゃらおかしいわと言葉を吐き捨てた。

「なんですって!」

 登紀子の切れ長の目がみるみる吊り上がり、般若の形相だ。

 必死に何かを言いかけた登紀子は、その言葉を尾上にあっさりと奪われた。

「俺にも趣向というものがある。 ただ若いから良いというもんでもない。」

 尾上がわざとらしく、登紀子に近づき、手袋をはいたままの手で頬に触れた。

 驚くほどに品の良い笑顔のまま、尾上は冷たく言い放った。

「地位で人間は決まらんよ、お嬢さん。 今の貴方を欲しがる男なんて、せいぜい貴方と同程度かそれ以下の人間だろうよ。 たった一人で挑みに来ず、まるで虎の威を借る狐だな。 そんな面白みもない女なんぞ、要らんと言うている。 それこそ、『おとといきやがれ』だな。」

 尾上は吐き捨てるように言うと、もう用はないと登紀子から目をそらした。

 その不遜な態度に拍車がかかり、尾上はもう寺脇少将を見るや否やそれは見事なほどに包み隠すこともなくおおっぴらに怒りの表情をあらわにした。

「傑物と言われようとも中身はすっからかんの海軍軍人だったとは笑い種だな。 誇り高い海軍軍人が民間人を巻き込み、派閥戦争をしようなんざ、己の器が小さいですと吹聴しまわってるみたいなもんだ。」

 尾上はとうとうと温度のない声で続ける。

これはもう、心底、切れている証だ。

 尾上の心のどこを探しても上官に対する配慮など微塵もないことだろう。

 その言葉は不敬罪として処分されてもおかしくない域に達する。

「糞くらえだって言ってんだ!」

 尾上はある意味で完全に振り切っていた。

俺と小泉はあまりの尾上の怒りの前に、子犬よろしくただ立ち尽くすしかなかった。

「尾上、わきまえろ。」

 温和な寺脇の表情が大きくゆがんだ。

般若の面にあと一歩と言う形相だ。

 だが、尾上は全くひこうとはしない。

「わきまえる? 俺はこれまで上とはいくらでもやりあってきましたよ。 どうせ、俺の身辺調査なんて完了しておられることでしょう? 『尾上環』の名前を必要とするならさらにお断りです。」

「ほう、言うじゃないか。」

「偉くならんとやりたいこともできんことはよくわかってますよ。 でも、嫁の実家の力がなければ出世できないというならば、俺はそんな面白みもない出世などいらん。 それに、そもそも俺は貴方の言葉を吟味する嗜好はない。」

 階級のヒエラルキーを無視した物言いだろうがもう尾上はおかまいなしだ。

「尾上、もう一度聞くぞ? こちらにつけ。」

「断る! 前線に出される方が本望だ。」

「後悔するぞ?」

 寺脇は笑うことのない目をして尾上をじっとみつめた。

これが最後だぞと言うような脅しのニュアンスがしっかりと込められている。

 わずかに沈黙が訪れ、雨の音が耳に届き始めた。

 だが、尾上は迷いのない声で沈黙を切り裂いた。

「俺は今橋中将の命しか受けない。」

 寺脇少将は面白くないというように嘆息した。

 まだ未練があるように尾上の肩に手を伸ばそうとしたが、尾上は寸手で嫌がるように身を引いた。

「海鷲は飼い主を自分で選ぶんですよ。 これで正々堂々、別の道と理解していただいて結構です。」

「何と言おうががんじがらめにしてでもおさえる。 覚えておけ。」

「すぐにでも忘れてやりますよ。」

「尾上、お前はお前が思う以上に使い道が多いんだ。 覚悟せい。」

「貴方程度の男じゃ、俺を扱いきれるとは思いませんがね。 高野燈子に手を出したら、俺はご存知のように品行方正とは程遠いですから何をしでかすかわからんですよ?」

 わざとらしくこぶしを握り締め、ニヤリと笑って見せる尾上。

しかしながら、目が全く笑っていない。

寺脇は青いなというようにほうと息を一つ漏らした。

「高野燈子には何もしていない。 ただ、身分をわきまえろと伝えただけだ。 彼女は賢いな、尾上。 状況把握はなかなかに俊敏にできていたぞ? 今日はここまでだ。 行け。」

これ以上、尾上に臍を曲げられるとかなわんと寺脇は解放することにしたようだった。

「言われんでもそうします。」

 不敬の極み、敬礼をすることもなく、軽く会釈をしただけで尾上は走り出す。

 まったくあの人はどこまで不遜なんだと俺と小泉は息をのむ。

そして、完全に出遅れてしまった俺たちに、一連の全とばっちりがふりそそぐ。

「貴様らの大将は上官に対する態度が悪すぎる。」

 俺たちは申し訳ありませんと尾上にかわり最敬礼する。

本当はこんな奴に敬礼などしたくなかったが、階級のヒエラルキーをぶっ潰すには俺たちの階級は弱すぎた。

「貴様らの俺に対する敵意と殺気はなかなかのものだった。 さすがに尾上の忠実な部下というべきか。 だが、情報伝達手段を搾取され、主人を危険にさらすのはいただけないな。」

 俺は口をへの字に結ぶしかない。

口惜しいことに、すべてがおっしゃる通りだ。

 寺脇は横須賀鎮守府の重鎮なのだ、どんな情報網を持って、行動するのかまで細心の注意を払うべきだった。

「申し訳ありません。」

 俺は不服ながらも頭を下げるしかない。

足元に目をやると大粒の雨のしずくが次から次へと落ちてきては跳ね返っている。

こんな最中にもふと燈子が泣いている気がして、俺は注意力散漫になっていた。

「しかし、面白いものを見られたからよしとする。 あの尾上がこうも必死になって守ろうとするものがあったとはな。」

 この寺脇の言葉がいきなり俺の胸の奥に大きなとげとして突き刺さった。

「どうか、燈子さんだけはお許しください!」

 尾上を利用するために燈子を盾にされてはたまったものじゃない。

 俺は意見できる立場でないことは承知していたが、居てもたってもおられず直訴した。

「良い駒をすぐに使い捨てはしない。 ただし、今はだ。」

 寺脇は底意地の悪い顔をして、愉快だと笑った。

 好かない上官ならいくらでもいるが、同じ海軍内にこんな奴がいるなんてと思うと吐き気がしてきた。

こんな奴と俺たちは同じ海軍軍人なのだ。どうにも自分たちが辱められたような落ち着かなさに目の奥が熱くなりそうだ。

 小泉が寺脇に悟られない程度に俺に肘打ちしてきた。

 少し目線を後ろへずらすと、小泉は小さく首を振っていた。

 今は耐えろ、落ち着けということらしい。

「彼女は優秀な人材だそうだな。 ゆえに横須賀海軍病院が手放さん。 まぁ、かの今橋閣下が何かご存知かもしれんが? 尾上のことは何でもご存じだろうからな。 忖度せよ。」

 寺脇はこの言葉の含みはお前の頭で考え、察してみろというように俺を見た。

 腹が立ちすぎて俺も小泉も握りこぶしから血がにじんでいた。

 俺達がこの場で問題行動を起こしたのなら、この少将は喜んで尾上にその責任をとらせる。叫びだしたくなる気持ちをめいいっぱいこらえるしかなかった。

「で、お前たちも尾上を追いたいのだろう? 許す。 いずれは貴様らも一括して取り込む予定だ。 せいぜい覚悟をしておけ。」

 俺たちはがっちりと敬礼をすると、寺脇の前を全力でかけぬけていく。

 一分一秒、この場に居たくない。

登紀子の横をすり抜けながら、俺はその若い横顔に目をやった。

当の寺脇が賢いと思わず口にしていたことを後に登紀子は理解できるだろうか。

 すぐに比べてしまうのは俺もひどい男なのだろうなと思う。

 寺脇の傍にいる登紀子はものがわかっていないように首を傾げたままだ。

 一生懸命にめかしこんできた女の根性は褒めるに値するが、どれだけ一張羅を身にまとっていても、大きな差を埋めることはできない。

『高野燈子に手を出したら、俺はご存知のように品行方正とは程遠いですから何をしでかすかわからんですよ?』 

 ふいに尾上の言葉が脳裏に鮮やかに蘇った。

 こんな時に尾上の言葉に俺はどこか嬉しくなった。

 あの局面にあって、尾上は燈子が愛おしいと宣言したみたいなものだ。

「早くみつけてくれよ、尾上さん!」

 そう呟きながら、俺は駆け出す。一刻も早く見つけてあげなくちゃと駆け出すのに、俺の脳裏に浮かぶのは喧嘩相手の顔だ。

「また、理子さんに怒鳴られるな……。」

 ふいに口走っていた言葉に、俺は自分自身でびっくりしたと同時に、こんな大事な時に、喧嘩上等の相手のことを思い出す自分に呆れた。



It is impossible to love and be wise.

                Francis Bacon (フランシス・べーコン) 

【恋をしている時に、思慮分別に従うということは、およそ不可能なことである。】



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