第3話 いつかの初恋の人
時間を少し前に遡ることにしよう。
俺のひ孫、泰子が中学に上がった頃のことだった。
夕方のワイドショー番組を見ながらのんびりくつろいでいたところに、玄関からけたたましい足音が近づいてきたと思ったら、その当の泰子だった。
テレビの前に仁王立ちした彼女は腰に手を当てて、俺に向かって高らかに宣誓した。
「イーグルドライバーになる!」
呆然とするしかない俺に向かって、続けてこう言った。
「え? 喜ばないの?」
幾ばかりか期待外れだというように肩を落として、唇を尖らせた泰子。
【イーグル】
これをきいてすぐに何を指すかがわかる人は少ない。
戦後日本に配備されて30年以上にもなる戦闘機F15J。
通称イーグル。
灰色の翼は力強く、どこか誇り高い姿をしている。
全長19.43m、重量13.757t、航続距離は約4600kmの灰色の機体。
最大速度マッハ2.5。
あの耳をつんざくエンジン音。
桁違いの大きな翼を携え、アフターバーナーをたき、あっという間に視界から消えてしまう。
まさに航空自衛隊の虎の子だ。
「なんでまた……急だな。」
いきなりにもほどがあるだろうと、冷めたほうじ茶を流し込んで何とか気持ちを立て直そうと試みるが、その立て直しを待たずにこのひ孫の猛攻は続く。
「急なもんか! 本日、正式に決意しただけだよ。 じいちゃんの血筋からようやくファイターパイロットがでるんだよ? もっと喜んでよ。」
学生鞄を足元に投げ捨てると、隣に座り込んでくるや否や、ばしばしと膝を叩いてくる。
「ファイターパイロットねぇ……。」
「我は空に上がりたいのだ!」
まっすぐに切りそろえられた前髪にボブヘアーの見るからに体育会系そのもののひ孫殿は自信満々な笑顔でこちらを見てくる。
「なぁ、我殿、何でそもそも戦闘機なんだ?」
「戦闘機は美しいから!」
心を揺さぶる目の覚めるような一言に、俺はさらに呆然としてしまう。
今、泰子は何と言ったかと口をあんぐりと開けてしまう。
「え? なんか変なの? ダメ?」
困惑の極みという表情で俺の顔を覗き込んでくる泰子の目を見て、ようやく我に返った。
「戦闘機は美しい……か。」
血は争えない、俺と同じことを言うのかと思うとおかしくなってしまう。
しかしながら、泰子は女性だ。現代の日本では時代は動こうとも、泰子の代ではおそらく戦闘機乗りになれないまま生涯をおえてしまうだろう。
だからこそ、まっすぐに夢を語る泰子に、真実、戦闘機パイロットの根底に何があるのかを突きつけることにした。
「それは自衛官になるってことだぞ? イーグルドライバーになれなかったとしたらどうするんだ?」
「イーグルに乗れないなら意味がない。 故に考えない!」
「そうか……。 なぁ、お前は国防って意味がわかるか? 戦闘機にのりたいだけでは不十分。 戦闘機にのっているのは自衛官だ。 自衛官だから戦闘機にのる。 戦闘機にのりたいだけじゃ、それはただの飛行機好きだ。 お前はただの飛行機好きってことだなぁ。」
俺は意地悪にも、泰子の目を見ずに、あえてテレビに視線をうつして、泰子の出方を伺う。
なりたいものになれなくても耐えうる信念と国を護るために身を尽くすことの重さを、俺は年端の行かない子供に告げたのだ。
お前はそれでも貫ける強さがあるのかと試すつもりで静かに返答を待つ。
返す言葉が思いつきもしないのだろう泰子は口を一文字に引き結んで黙り込んでいる。
まるで昔の自分自身を見ているようで、少々、気恥ずかしくなってきた。
そこで、このやり取りが実は受け売りなのだとネタをあかすことにした。
「ま、これはうけうりだ。 今のお前みたいに、大昔、俺も同じように言われて、そんな風にかたまってしまったことがある。 ある人に、『お前の言うように戦闘機は美しい。 だけれど、存在意義をはき違えたら護りたいものが護れなくなる。 飛びたいだけならよそでやれ。』としかられたことがある。 空に上がりたいだけなら、のせてやらんってな。」
「それで、どうしたの?」
泰子は俺の話の続きを早く言ってと身を乗り出して待っている。
「もう一度、自分の頭で考えて答えを出したら許してもらえた。 ……なぁ、泰子。 時代がすすめば、そのうち女も戦闘機にのる時代が来るぞ。 それがお前の時に来るのか、その後に来るのかはわからん。 ただしっかりと考えなさい。 飛びたいだけなら民間へ行け。護ることを背負うと決めたなら自衛官になれば良い。 空を飛べなくても構わないという覚悟ができたなら自衛官になり、戦闘機パイロットを目指せる位置へ行けば良い。」
「空を飛べなくても構わないっていう覚悟?」
「そう、さっきも言うたが、国防ありきの戦闘機。 戦闘機は自衛官だからのる。 自衛官は国を護るから乗せてもらえるんだ。 自衛官としての覚悟がない者はお話にならんというわけだ。 万が一、パイロットになれなくても、自衛官としてお前は生きられるか? その覚悟がないなら今のうちにやめておけ。」
「自衛官であることが一番で、パイロットであることが二番ということ?」
「その通り。 ……それから、あまり言いたくはないがな……お前が想う以上に自衛官は耐えることが仕事だ。 感謝なんてもんはされん方がいいんだから仕方がないんだがな。 自衛隊に対する想いは十人十色だ。」
「どういうこと?」
「お前はじいちゃんの血筋だから信じられんと思うが、好ましく思っていない人もいるんだ。 戦争の残したものは、国を護ろうと自衛隊として立ち上がろうとも、それぞれの胸の中で古傷としてうずいているんだ。 日本は敗戦を知っているからな。」
自衛隊になじみのある我が家での当たり前は他では通用しないのだと知らせてやる必要があるのだが、泰子の複雑な表情をみると悲しくなってくる。
ぽんぽんと頭をなでてやると泰子のうつむいていた視線がゆっくりともちあがる。
「……考えて、自分で決める。」
俺はそれに静かにうなずいてやる他なかった。
自衛官になるには覚悟がいる。
泰子にとって戦闘機乗りへ道は男以上に困難を極める状況となるのだから、その覚悟は生半可なものでは通用しない。
「なぁ戦闘機以外じゃダメなのか?」
愛するひ孫故にその苦労をさせると思うとちょっと話の腰を折りたくなる。
「嫌だよ! イーグルの傍にいなくちゃならないの!」
「整備じゃダメか?」
戦闘機と関わる職種ならいくらでもあるはずだと提案してみるが聞く耳持たずだ。
「空に上がりたいの! 綺麗な空をいつも特等席でみてこれるパイロットがいい。」
純真そのものの綺麗な目をしたまま、泰子は夢を語る。
「特等席ね……。」
泰子の言葉はキーワードのように俺の心に響く。
記憶の底に眠っていた女性の声が蘇り、泰子の姿にかぶってみえる。
『綺麗な空をいつも特等席でみてくるのはずるいです。 いっそ飛んだなら空の一番きれいな部分を持って帰ってきてくれればいいのに。』
この子はやっぱり特別な子だ。
妻には何かと小言をぶつけられそうだが、俺にとっては特別すぎる子なのだろうと思う。
だからこそ、やはり苦労はさせたくない。
「空見るだけなら民間もあるだろう?」
「イーグルにしか魅力を感じないんだもん。 あぁ、もう、じいちゃん、うるさい!」
必死に別の道を提案し続ける俺に背を向けて、泰子は二階へと駆け上がっていった。
それ以降、泰子はもう俺の助言に耳を貸すことはなかった。
決めたらもうまっしぐら。母親の心配なんてそっちのけだ。
地本にわざわざ自分から連絡をし、どういった勉強がいるのか、何が必要なのかをききだし、担当する自衛官ですらあんぐり口を開けてしまう勢いで、航空学生と防衛大学校の受験を迷わずに決めた。
数年後、防衛大入試の場で意地悪な質問をされたと帰ってきたが、それでもなにくそと立ち上がってくるこの子の強さに、ひょっとしたら日本初の女性の戦闘機乗りになってしまうかもしれないと予感すら覚えた。
まさかの航空学生と防衛大学校のダブル合格という噂をききつけた航空自衛隊上層部OB連中が現職を連れて我が家に確認しにくる始末だ。
どうやら泰子の成績はかなり優秀だったらしく、『あの川村元空将補のひ孫とはにわかに信じられん。』と話題になったらしい。
全く失礼な発言だが、泰子のおかげで気分が良い。
航空自衛隊黎明期きっての問題児、元空将補のひ孫が女だてらに戦闘機乗りを目指すなんてと騒がれても、俺は鼻が高かった。
だが、夢へ進めると決まったその直後、天は可愛いひ孫の夢を荒々しい手法でもぎ取った。
泰子の敵は不可抗力と言う名の魔物だった。
人は病の前に時に無力と言える。
強靭な精神力だけでは、強い信念だけではパイロットにも、自衛官にもなれはしない。
泰子にとっては天国から一転して地獄だったことだろう。
この子の悔しさをどう支えてやればよいのかとただ一緒に泣いてやるしかできなかった。
こんな命をくれてやるから、どうかこの何か特別なものをもっている泰子に喜びを与えたまえだなんて神に願うことしかできんむなしさだけが残る。
死にかけるほどの大病が泰子の未来を奪った。
どうしてこの子なんだとひたすらに悔しかった。
これに何の意味があるというんだと苛立っていた頃、泰子の両親から病名をきき、俺は脳天に雷が落ちてしまったようで、その場で腰が抜けてしまった。
亡き妻がこの場にいたのなら、同じように腰を抜かしていたことだろう。
理由は簡単。
俺の良く知っていた、いいや忘れることなどできない記憶の中の人と全く同じ病名だったのだ。
泰子が生まれてきた時に俺と妻が『還ってきたのかもしれない。』と至極感覚的に口にしていた言葉が現実味を帯びてくる。
寝顔をみつめてみると、これがどうして気づかなかったのだろうとため息がこぼれる。
この子は昔から飛行機が好き。
特に戦闘機を見つめる目には光が満ち、馬鹿なんじゃないかと思ってしまうほどだ。
数居る孫やひ孫の中で群を抜いて俺に似ているのではないかと思うほどに、まっすぐに飛行機が好きなこの子があまりに可愛くて、各基地の航空祭や招待されたイベントに幼いころから連れて回った。
そのせいでこんなに飛行機馬鹿になったかと思っていた。
だが、どうもそれは思い違いだったようだ。
「……今度こそ勝つんだ。」
俺の言葉の意味をこの世で分かってくれる人間はもういない。
妻がいてくれたら何と言ってくれるのだろうかと思いながら、泰子の頬を撫でる。
「……じいちゃん?」
病床にあって、泰子は蒼白い顔をして無理に笑おうとする。
こんな時ですら自分以外を気遣おうとしなくてよいのに、泰子は家族の顔を見回しては、どこか申し訳なさそうに苦笑いをしてみせるのだ。
「徹底的に病気とは戦い抜くんだぞ? ……俺はわかってしまったかもしれん。 今、お前に起きていることにはすべてに意味があるんだ。 だから、この先もお前の想いは絶対にイエスだ。」
「絶対にイエス?」
「そう、Definitely yesだ。 お前の人生には必ず逢うべくして逢わなければならない人がいて、すごい愛が来る。 だから、何があってもお前の想いを捨てずに粘ることだ。」
何を言っているのかわからないというような目で泰子はじっと俺を見た。
「ねぇ、おじいちゃん? 私、何で戦闘機じゃないと駄目だったんだろう?」
「そりゃ、お前の運命みたいなもんだ。」
「運命って、大好きなものを取り上げるもんなの?」
心臓に鋭利な刃物が突き刺さるような痛みのある言葉だった。
何を言っても泰子の心の傷をふさいでやることができそうになかった。
「それは違う。 きっとな、空の女神はお前にもっとでっかい空を返すから。 今は意味が分からなくても、きっとわかる日が来るよ。」
何とかその心の叫びを受け止めてやりたくて必死に言葉を探すがどうにもうまく言葉になっていないような気がした。
泰子は聡い。
これ以上は俺が困るだろうともう追及することはしなかった。
その妙な諦め方にまだ子供だぞと俺は神様にかみつきたくなった。
もっともっと悪態をついて、自分の身に起きたことに悲観し、喚き散らしたっていいのに、泰子はそれすらしようとしない。
この子はわかってしまっているのだ。
どれだけ喚き散らしたって、もうパイロットへの道どころか自衛官への道すら閉ざされてしまった現状はもう二度と変えられないと悟ってしまった。
力なく笑う、その表情の下にはすべてのあきらめの心が眠っている。
「じいちゃんがそう言うなら今はわからんでもいいんだよね?」
今は戦いたくない、戦えそうにないよと心の声が聴こえた気がした。
「そうだ。 お前はちゃんとその理由を探せる。 じいちゃんのひ孫だぞ? 自信もて。」
泰子は小さくうなずくとゆっくりと瞼を下ろした。
その瞼を閉じる泰子の仕草は記憶の底にあった『彼女』を彷彿させるには十分すぎた。
馬鹿げていると笑われてもいいとさえ思うほどに目頭が熱くなる。
「こんなことがあるんだな……。」
意志の強い大きな目、伏せた時の長いまつげ。
特にずば抜けた美人ではないけれど、人の目を引く綺麗に整った目鼻立ち。
ほんの少し色の薄い黒髪は柔らかく、くせがあるのかゆるく巻き毛。
小柄なくせに、時々大きく見えてしまうようなあっぱれな雰囲気。
意外なほどに繊細ですぐに弱音をはくくせに、どれだけ厳しい環境に置かれても、結局は立ち上がってくる芯の強さ。
そして、状況いかんにかかわらず言いたいことはきっちりと口にする無鉄砲さ。
泰子はその『彼女』に酷似していた。
もっとも、彼女はもっともっと女性らしい艶のある撫子だったので、それに比べれば泰子はまだまだ足元にも及びはしない。
『もう一度があるなら、今度はこんな病なんか吹き飛ばしてやりたい。 めいいっぱい愛されるために生まれてきてやるの。 どんなに辛くても、どんなに痛い想いをしても、あの人をみつけて、愛してるんだって、また叫んでやるんです。 絶対にもっと早く降参させてやるの。 だから、次も味方でいてくださいね。』
俺が惚れすぎて困ってしまった彼女はそう言って笑いながら、心では悔しくて泣いていたことを昨日のことのように思い出す。
戦時中の記憶なのに、手を伸ばせば届きそうなほどに鮮明によみがえる。
表情も声色も何もかもがはっきりと蘇る初恋の人。
命を燃やし尽くして最後まで戦い抜いた戦士そのものだった女性。
そして、記憶の中の彼女を思い出すと必ず一緒に思い出す恋敵の男の記憶がある。
不器用すぎて、純粋すぎる愛情をどう分かち合えばよいのか迷っていた男で、『いっそ、俺とかわってくれ!』とよく苛立ってしまったものだ。
『来世でもあえると思うか?』
男の惚れる男が、初めて崩れた姿を見た時の衝撃を俺は今でも忘れられない。
どんな敵機を相手にしても一度だって冷静さを失わなかった男が完全に折れたのだ。
声を殺すこともできず、涙を止めることもできず、まるで世界にたった一人取り残されてしまったような顔をして、俺にそう聞いた。
『逢いたいんだ。 来世でも逢いたい……。』
小さな子供が泣くように、うずくまったままで繰り返し呟かれる彼の言葉は俺の心をえぐりとっていくには十分だった。
勝てるわけがなかったんだと思い知らされた瞬間だった。
来世でもまた逢いたいと思えるほどの人間に出逢えることは奇跡だ。
運命という言葉では語り切れない。
出逢うべくして出逢う二人だったのだと、太平洋戦争という逼迫した時代ではあったけれど、あんなにうらやましい恋人同士がいただろうかと思っていたことを今でも驚くほどによく覚えている。
「……なるほど、生かされた意味がここにあったってことか……。」
こんな想いを二度もさせる運命なんてぶち壊してやりたくなった。
だけど、泰子には、泰子しか受け入れられずに待っている男がいるはずだ。
どうせ、まだ気づきもしないで生きているだろうけれどと苦笑いしたくなった。
現実離れしているが輪廻転生という言葉が俺の脳裏を支配した。
「まいった、まいった。 あなた方の続きに俺をまた巻き込んだな。」
声は老いてしわがれたが、あの頃を思い出すと、自然と若くなった気になる。
腹の底に響いてくるようなエンジン音に風をつんざくようなプロペラ音まで簡単に蘇ってくる。
だが、頬を伝い落ちる涙は年月が経っても温かさだけは同じだ。
神も仏もないなんて思っていた時代にあって、もっとも美しかったもの。
身をもって知った愛情のありか。
絶対にこの愛は繰り返されるんだと、そう信じたい非現実だってある。
面倒で、割に合わない役割は若い頃からの俺の仕事だ。
さて、どうするか。
メルヘンチックな思考回路で分析すると、泰子は『彼』を探さねばならんのだなと、なんの根拠もないけれど、すとんと腹の底にまで落ちるくらいすっきりした。
戦闘機乗りになるために生まれてきたのではなかったから、神様は泰子に強烈すぎる方向転換を示唆したのだろうか。
この子に、俺は大きなメッセージを届けない限り天に召してはもらえないのだと気が付くと、長く生き過ぎた人生も実りのあるものに思える。
輪廻や生まれ変わりなんて非現実的なことだと笑うよりも、あの日の自分が見てきたものを信じる。
俺はこの先、泰子が望むのならこれまで一度も語ることのなかった俺の失恋話を伝えてみることに決めた。
俺の失恋話には最強の恋愛をした二人の軌跡が痛いほどに眠っている。
いつか、泰子があの男との苦労の日々に立ち向かえるように、あの古の約束通り、味方になってみようとこの時、そう思っていた。
Control your destiny, or someone else will.
Jack Welch (ジャック・ウェルチ)
【自分の運命は自分で導け。 さもないと、誰かに舵を取られてしまう。】
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