吉祥寺。それは未来を夢見る若者が輝く街。そんな眩しさに引けを感じながら、社会人となった主人公は再びこの街を訪れる。お見舞いに訪れた恩師宅で飲むアイスコーヒー。――何が起こるかなんて本当にわからないわね。未来を約束されたと思った大学時代。ひょんな場所で出会った変わり者の同窓生。はたして二人の未来はどうなったのか?アイスコーヒーの苦さが、生きるということを教えてくれるような作品だった。
吉祥寺と言う懐かしい地名が出て来た物語でした。学生時代の淡い将来の夢。そし迎えた現実の社会。ふと知らぬ間に感じる焦りとかたや成功した友人への嫉妬。それを出すこと自体がためらう気持ちにさいなまれるこの関係は、一つの分岐点の始まりの様な感じがします。同年代、もしくはサラリーマンとして働く人たちに、またもう一度みたい思いを追いかけたい夢を与えてくれそうな物語でした。
昔は美大生だった主人公の女性は、大学の恩師が怪我をしたというので、見舞いに行くことになる。大学では油彩をやていたが、今は恩師のおかげで就職した会社で、油彩とは関係ない仕事をしている。 恩師の怪我は思ったよりも軽くて、安心した。 しかしそこで、かつての大学同期の男性の話になり……。 誰にでもある日常の一コマ。 そして、誰にでもある苦いもの。 是非、御一読下さい。