スマホとインターネットが主流となった今でも聞き続けている人は意外と多いことだろういつもの曜日、いつもの時間時報が鳴ると同時に始まる、番組タイトルコールいつもと変わらないその声に何度、安堵したことだろうかふとした時にラジオの周波数を合わせれば変わらない語り手がそこにあった今ではもう失われてしまった番組もあるけれどその記憶と伝説はずっと消えることがないだろう
ラジオというのは一方的でありながら、話し手と聞き手に親密な関係ができる不思議なツールだと思います。たまたま聞いた話や言葉に胸を打たれたり、励まされたりしたことがあるのではないでしょうか。いや、そんな大層なものでなくても、定刻に流れる音楽や、”いつもの声”に支えられている人は多いはず。私にもラジオが救われた経験があります。じわっと来るお話でした。
挫折し「自分にはしょせん才能を呼ばれるものがなかったのだ」と意気消沈するときは誰にでもあると思う。そんなときにこの物語に出会うときっと「もう少し頑張ろう」と気力がわいてくるはず。そして個人的に登場人物の造形の仕方が上手いなと感嘆しました。自分の作品を書く上でも勉強になりました。最後に。作者さま、素敵な作品をありがとうございました。これからも頑張ってください。