SPYAIRとの出会い
SPYAIRというバンドがあります。
ご存知の方もそうでない方もいらっしゃると思いますが。
私は小学校五年生の時に彼らの音楽に出会いました。
父が事務所の引っ越しをするというのでその手伝いに駆り出され、夜の車の中でぼんやり聞いていたのが彼らのアルバム「Rockin' the World」。
その中でも特に「BEAUTIFUL DAYS」という曲が気に入って、忘れたくなくて何度も歌詞を呟いたのを今でも覚えています。
小学五年生って意外と大変なんですよ。
友だち付き合いもうまくつかめないし。
担任の先生とは馬があわない。
そもそもクラスの雰囲気が良くない。
思春期特有のあの感傷的な感覚があの夜の私にはありました。
そんな時にあの曲を聴いて、しっくりきちゃったんですよね。
この曲は私の人生を一日一日で区切ったドラマのエンディング曲なんだ。
次回につづく。みたいな。
どう考えたってヒロイン気取りの子どもの妄想でしかないのですが、なんとなく救われてしまって、それからずっと彼らの音楽を聴いています。
音楽って、歌って、簡単に作れるものではないじゃないですか。
言葉を紡ぐのは紡ぐだけなら私も今やってますし、できないわけじゃないんですよ。
音を紡ぐのだって紡ぐだけなら鼻歌でふんふん音を出せばいいんですよ。
でも、それは音楽にはなり得ないんです。
誰か一人でも他の人のところに届いて誰かを幸せにして、初めて音楽たる。
彼らの音楽はいろんな人の心を動かして私のところまで届いた。
そして私を救った。
素敵だなと思います。単純に。
残念なことに私は音楽を作れる人間ではないみたいですけど、彼らのように誰かを幸せにする何かを残してみたいなと思います。
それが一つの恩返しかな、なんて。
最後に余談。
引っ越しの手伝いの帰り道。
食べた牛丼は美味しかったです。
夜の町と、車と、「BEAUTIFUL DAYS」。そして牛丼。
音楽を語って気取ってみても結局食い気に負けるのが、私のつまらないところですね。
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